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審議会・研究会

ABL研究会(第1回)  議事要旨


                  
開催日時:平成17年9月30日(金)10:00~12:00
開催場所:三田共用会議所 3階 第3特別会議室

議事 
1.開会
2.議事
(1) ABL研究会開催について
(2) 平成17年度動産・債権の活用による資金調達手段の活用
に関する調査研究事業-概要資料-について
(3) ABLの活用に向けた論点について
(4) テキスト事業について
(5) ミドルリスク市場仮説とアンケート事業について
(6) ABLの今までの取組と発展方向性について
(7) 自由討議
3.閉会

議事概要
○ 議事の公開について(議決)
・本WGにおいては、メンバー各位の率直かつ自由な意見交換を確保するために、①一般の傍聴は認めない、②資料及び議事録は公開しない、③議事要旨は、事務局において会議終了後作成し、経済産業省のホームページ等を通じ公表するものとする。

○ ABLの検討経緯について
・ 金融庁の「金融改革プログラム」において、不動産担保あるいは保証に過度に依存しない融資の推進を掲載、リレーションシップバンキング向け新アクションプログラムにおいて、動産担保融資や債権譲渡担保融資を具体例として提示されている。

・  経済産業省としても、不良債権問題解決に向けて、動産・債権・知的所
有権といった事業収益資産を評価することで、信用創造機能を充実させ、リスクとリターンの適切な関係を構築するという新たな資金調達手法の拡充について以前より取り組んできたところ。
とりわけ、債権・動産等を活用した融資の促進については、「企業法制研究会(担保制度研究会)」において、「事業の収益性に着目した資金調達」に向けた提言を行い、さらに、平成15年12月の「経済活性化のための産業金融機能強化策」において、「不動産担保によらない担保制度の整備と人的保証の適正化」として位置づけられている。
こうした流れを受けて、平成16年11月「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律案」が可決成立し、平成17年10月3日施行となり、これにより企業が保有する動産・債権を活用した資金調達即ちABLへの一層の活用が期待されている。
(※ABLとは:Asset Based Lendingの略。動産・債権等の事業収益資産を担保とし、担保資産の内容を常時モニタリングし、資産の一定割合を上限に資金調達を行う手法。)

○ABLの今後の課題並びに事業概要について
法制度の改正により、ABLが本格的な普及に至るわけではなく、現実的には課題が多い。例えば企業・金融機関双方にある債権・動産の担保提供に関する心理的抵抗感の存在や、債権・動産担保の実務上の位置づけ(実質的には添え担保のままであること)、処分マーケット・ルールの未整備、米国のような評価会社・処分会社等の外部専門会社や人材の不足等の課題が存在する。
こうした現状を放置したままでは、現在は良好な経済状況が再び低迷するような事態になった場合に、再び不良債権問題が顕在化するのではないかということが懸念される。よって、不良債権問題が再び起きることのないよう、事業性を評価する新たな手法であるABLを普及するため、本研究会を開催し、ABL普及に向けた制度上の課題や慣行の問題等を洗い出し、問題の解決に向けた提言を行うものである。
具体的にはABLのモデル事業・アンケートの実施等により、ABLの実効性についての具体的な検討を行い、シンポジウムの開催、融資テキストの策定を通じ担い手の拡大に向けた取組を強化する。その一方で有識者による本研究会を開催し、発展可能性の検討やインフラ整備や制度的な課題の整理を行う。

○ メンバーからの主な意見
・ ABLが普及することにより、適正な身の丈に合った資金調達・運用が可
能になる。これにより連帯保証の在り方も踏まえた、過剰債務に悩む中
小企業経営者に対する解決策の一つとなりうる。

・ ABLの融資手法を多角的に研究することにより、現行の登記制度に満足せず、より幅広の制度設計が提言することが重要。

・ アンケートの対象としては、財務力や売上げの指標といったサンプリング母集団の絞り込みに関してバイアスをかけずに、バランスに気を付けながら進めること。

・ 貸出金の返済原資となる資産そのものをモニタリングしながら、かつ担保を設定するという意味ではABL自体は本質的に銀行にとって非常にメリットがあるもの。一方でこれを広めていくには、いかに銀行顧客である企業側にメリットが享受できる商品としての構成ができるか、そのためのインフラができるかが普及のポイント。

・ 実務において、普及の大きな障害の一つは、借り手側が譲渡登記制度について正しく理解されていないということ。どんなにいい制度ができたとしても、登記となると抵抗感が強い。信用調査機関やマスコミも含めた認識の徹底が必要。

・ 担保対象となる資産並びに融資規模によって、必要となるインフラ・対抗要件が違い、また可能なものと不可能なものがある。それにより金利以外の評価・処分・管理といった付随的なコストも含めて組成コスト自体が変わってくる。普及するにはそのコストがうまく吸収されなければいけない。そのように現実的な問題を整理することが必要。

・ 金融機関の観点から考えると、担保資産の回収サイドの安心感が必要不可欠。回収サイドの安心感があれば、将来的に貸倒引当金を減らすことができるといったことにつながる。逆にそのような関係にならないと、ABLが本格的に展開可能になるという状態にはならないと思う。

・ 事業不可欠資産と言われるような不動産や、機械設備は、閉店や工場閉鎖をしないと換金できない。逆に、このような流動資産は、まさに企業の血液であって、その企業の血液に関して、どのようにこれを財源として有効活用できるのかというのがABLのポイント。そのためには会計の透明性や企業のガバナンスが大変重要であると思う。

・ 売掛金と債権を一括して担保取得するのは法的にみても有益。その意味でも商工中金・福岡銀行が今回行ったモデル事業は視点として大変重要。

・ マーケットについても、あるところから産まれてきているのが現状。動産のセカンダリーマーケット等新しいものの創生についても、この研究会で議論することが望ましい。

                                       以上
 

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