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審議会・研究会

企業価値研究会(第12回)  議事要旨


1.日時:平成17年11月8日(火) 15:30~17:40
2.場所:経済産業省別館 526会議室
3.出席者:神田座長、安達委員、石綿委員、梅本委員、大澤委員、大杉委員、久保田委員、柴田委員、高山委員、武井委員、寺下委員、徳本委員、西川委員、畑委員、畠山委員、八田委員、服部委員、藤田委員、藤縄委員、星委員、松古委員、松田委員、村田委員、柳川委員他
4.議題:公正な買収防衛策のあり方に関する論点公開(案)について
5. 議事概要

事務局より、公正な買収防衛策のあり方に関する論点公開(案)について説明。その後、討議を行った。討議における主な意見は次のとおり。

(1)基本的な考え方
・論点公開の考え方については、基本的に①(行政もしくは証券取引所のルールにより実現されるべきもの)と③(企業の自主的判断に委ねる)が基本となり、開示の場合は、②(行政もしくは証券取引所が一定の考え方を示すべきもの)のような方法も①に付随して考えられるという整理になるのだろう。

(2)開示ルール
(全体)
・開示すべき事項については、大分シンプルになったので、このラインで貫いてほしい。行政が企業の任意記載事項を定めても、「こういうのが望ましい」と羅列すると規範性が出てきてしまう。
・買収者とのバランスを考えて、買収者側の開示についても重要だと思う。開示ルールの「基本的な考え」で買収者側の開示についてもきっちりと書くべきではないか。
・授権資本枠の拡大や株式持合については既にある開示ルールに基づいて開示しているものもあるので、整合性を図ってもらいたい。
・そもそも今回の提案は平時導入を前提としているが、防衛策は買収者を近寄らせないことを目的としており、開示しないと意味がない。一方で、有事導入は事前に開示しておらず、法律上も有事導入をしてはいけないとはなっていないため、開示ルールを作るとしても、踏み込むのには限界がある。多少、ガイダンス的なものを行政等が提案する程度でよいと思う。
・第一期研究会における議論と今回の論点公開を直結させるのは如何なものか。企業価値研究会の報告書では、どういう防衛策であれば合理的であるのかという内容を示したものであるが、今回の論点公開は、投資家等の判断する人にとってマテリアルな情報を開示すべきだという原則を示すものであるため、やや次元が異なる。

(開示の対象)
・重要事項であれば開示しなければいけないということが大前提にあると思うが、開示すべき範囲が不明確なので、明確にして欲しい。今の(案)では開示対象として、取締役の解任制限の加重要件や重要ではない契約条項なども含まれてしまうという懸念がある。 
・防衛策の定義をどう定めようが、規則や規制によって開示を定めるものは、限定的にして欲しい。
・ある方策が、防衛目的ではないことを開示してほしいとなると、どの企業も長い目で見て防衛策目的はないとは言い切れないため、何でもかんでも防衛策として企業に開示させることになるのではないか。

(開示の内容)
・「会社が株主との対話等を通じて」とあるが、特定の者を念頭においた会話のように読めるため、「IR活動を通じて」とすれば十分ではないか。

(3)証券取引所ルール
(全体)
・前回、証券取引所が定めるルールについては、できるだけ最低限にして、証券取引所があまり防衛策の善し悪しについて裁量できないようにしてほしいとの意見が大半だったと思うが、反映されていないように感じる。
・今回示されたルールは、かなりフレキシブルいなっていると感じる。証券取引所は原則、拒否権付株式や取得条項付株式を入れている企業の上場を認めないという考えのようだが、その一方で、支配株主がいる子会社のような、敵対的買収が起こらないような状況にある企業も上場が認められている。そのため、新規上場企業で拒否権付株式を発行するものに対して上場を認めないとする理由はないのではないか。
・ライツプラン、取得条項付株式、拒否権付株式と分ける必要はなく、事後の株主意思を反映できない防衛策であれば上場はダメということではないか。したがって、企業価値基準にそっていればよいということで、ひとくくりにする方法もある。
・上場企業は非上場の企業とは別の基準が必要ではないか。適法に導入可能な買収防衛策であっても、上場企業としてふさわしくないという場合があってよい。例えば黄金株の機能は上場会社としてはふさわしくないので、消却の方法や期間規制を行うということも言えそうだ。ただ、現時点では、企業価値基準以外に具体的に見あたらないため、企業価値研究会としては、企業価値基準により判断するとしてよいのだろう。
・買収防衛策のうち、グレーゾーンなものについては、市場に判断してもらえばよいのではないか。ただし、拒否権付株式などの明らかに黒なものについては、原則上場を認めないとして、限定的にするというのであれば、違和感がない。
・形式でなく防衛策の特質で整理すべきではないか。防衛策は原則として上場企業にしか関係のない話。そのため、上場企業を前提に議論してよいのではないか。
・防衛策については、上場企業しか関係ない。未上場企業については敵対的買収をされることはない。

(種類株式全般を用いた防衛策を導入した企業の普通株式の上場について)
・ある種類株式を上場規則で認めないとすると、どうしてもその範囲が広めに定められてしまう恐れがあるため、司法判断が出されてから決めるという考え方もあるのではないか。事前規制で禁止してしまうことはよくない。
・きちんと情報開示をしているのであれば、種類株式を導入している企業も上場が認められてもよいのではないか。

(取得条項付株式を用いた防衛策を導入した企業の普通株式の上場について)
・種類株式を利用した防衛策であっても、企業価値を損ねる買収提案に対する防衛策であれば上場は認められるべきとのことであるが、取得条項付株式の場合、その条件次第では議決権がない株に転換することも可能である。そのような株は多分、上場されないので、買収者にとって影響が大きすぎるのではないか。日本だけ特異な上場を認めるのは影響が大きいと思う。
・取得条項付株式などの種類株式は、インデックス投資の対象とならないため、一部上場企業で導入する企業は無く、小さい企業で導入するところは、市場原理に委ねればよい。
・2部上場企業やジャスダック上場企業の場合は、受託者責任のある機関投資家による投資は15%程度しかなく、IRを行っている企業はほとんど無い。こうした企業のほとんどが議決権制限や取得条項付株式を入れてしまう可能性がある。
・新株予約権、全部取得付条項付株式、拒否権付株式など防衛策の類型で強弱を捉えているところに違和感がある。今度の会社法では、設計によっては弱毒にも強毒にもできる。法形式ではなく実質で区別すべき。例えば、黄金株のようなものでも、全員に配れば買収者以外の株主に不利益は与えない。また、米国で6割の企業が導入しているポイズンピルについて、日本では新株予約権付株式がないため随伴性が確保できないと言われることがあるが、これは、取得請求権付株式の対価を株式にしておけば、特別決議で請求権を普通株に付加することができるので、米国のライツプランと同様に使えると考えられる。
・取得条項付株式について、どういう使い道があるのか等議論されていないので、ルールに加えてメリット、デメリットを含めた種類株式の良い使い方等の整理が必要ではないか。

(拒否権付株式などを用いた防衛策を導入した企業の普通株式の上場について)
・投資家の立場から言わせて頂くと、まず拒否権付株式などのよい使い方を具体的に教えてほしいのと、拒否権付株式の発動は誰が決めるのかを教えて欲しい。独立社外のチェックを推奨してもらえると投資家から見ても少しは受け入れやすいのではないか。
・米国では全ての取引所で既上場企業の複数議決権を禁止しており、また、欧州の大陸諸国では黄金株を活用することについて、最近では制限されてきている。全ての黄金株を否定するものではないが、企業価値を高める提案を排除する可能性が高いことから、導入にあたっては慎重であるべき。

                                       以上

 

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