経済産業省
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審議会・研究会

企業価値研究会(第13回)  議事要旨


1. 日時:平成17年11月22日(火) 15:30~17:40
2. 場所:経済産業省 本館 国際会議室
3. 出席者:神田座長、安達委員、石綿委員、大澤委員、久保田委員、柴田委員、高山委員、武井委員、寺下委員、徳本委員、西川委員、畠山委員、八田委員、八丁地委員、服部委員、藤田委員、藤縄委員、星委員、堀井委員、松古委員、松田委員、村田委員、柳川委員、矢野委員他
4.議題:(1)買収防衛策の導入に係る上場制度の整備等(要綱試案)
        について
      (2)企業価値基準に基づく買収ルールのあり方について

 買収防衛策の導入に係る上場制度の整備等(要綱試案)について東京証券取引所より説明後、事務局より、企業価値基準に基づく買収ルールのあり方について説明。その後、討議を行った。討議における主な意見は次のとおり。

5.議事概要
(1)東証の要綱試案について
a.全体
・ 本来、上場会社の自主性に委ねればよいものを東証が過度な規制を課すのは資本市場にとって損害。投資家に対して過保護すぎる。
・ 表現が曖昧なため、過剰規制になっている。
・ 米国で認められている新規上場企業の複数議決権の導入を否定するなど、国際的視点からみても、東証の要綱試案はかなり厳しいルールである。
・ 他の取引所よりも成熟している東証が、これほどまで厳しくしてしまうと、他の取引所は更に厳しくせざるを得ないなど、悪影響が大きい。
・ 取引所として一定のガイドラインは必要であると思うが、もう少し柔軟な対応が必要。東証案では、企業は防衛策導入ができず、従来の株式持合が進む、企業価値向上に繋がらなくなってしまう。
・ 米国では、NYSEやNASDAQの競争の中で、バランスのとれたルール整備が図られた。独占的ポジションの東証があまりにも厳しい規制を作るのは問題。
・ 上場会社には一定の規律が必要であるため、上場市場のルール形成にあたって東証が努力することは良いことである。

b.開示ルール
・定款変更に係るものを全て開示させることになれば、ほとんどの企業が防衛策として使う可能性があると開示せざるを得ないため、日本は防衛策だらけと海外に思われ、ミスリーディングに繋がる。
・定款変更について、総会に付議することを決定した段階で開示させるのは若干、乱
暴。投資家の判断情報として重要な事項についてのみ開示させたらよい。
・導入時点で防衛目的があるか否かというが、それでは何年後であれば認められるのか不明。1年後、半年後に防衛目的が出た場合どうなるのか、となるので防衛目的がないことまで開示させる必要はない。

c.上場ルール
(全体)
・留意事項違反の例示と異なる場合については、どういう取扱いをされるのか。現段階の例示のままでは全ての防衛策が例示にひっかかってしまい、防衛策を取ることができなくなる。
・留意事項違反の例示を詳細に書くのではなく、留意事項違反に関する基準を明確にして欲しい。
・留意事項違反の公表は、公表された企業に悪いイメージのレッテルを貼ることになるため、実質的には禁止。
・種類株式に限定した市場を作るなど、投資方法として色々考えたらよい。
・有事導入の防衛策についてはどう取り扱うのか。
・形式ではなく、中身で判断し、取得条項付株式で毒性の強いものや複数議決権株式などは廃止基準に入れることも検討に値する。

(独立社外等で構成される委員会の判断に委ねないライツプランの場合)
・独立社外について明確な定義がない中で、独立社外等で構成される委員の判断がないライツプランが留意事項違反になるのであれば、ライツプランよりも防衛効果の高い防衛策に企業が流れてしまう。
・日本の場合、完全に独立した社外取締役を選任できない。このような縛りをかけられると、ライツプランを導入する企業は無くなる。

(期差任期制度を設けた上でライツプランを導入した場合)
・日本の場合、新会社法では取締役の解任要件が総会の普通決議(過半数)になるため、企業が期差任期制度を設けた上でライツプランを導入したとしても、問題ない。

(黄金株(拒否権付株式)を導入した場合)
・ 三菱・UFJのように資金需要があり、それを満たすために拒否権付株式の発行が必要な場合などは認めるべき。
・ 市場の国際性から、拒否権付株式は市場を阻害するため認められないとしているが、1/3超を特定の株主が保有していながら上場している企業と実質は変わらない。形式的に捕らわれるべきはない。
・ 拒否権付株式だから強力というわけではない。拒否権付株式を一律に否定するのはバランスに欠ける。一定の条件を定めたものであれば認めてもよい。
・ 東証が、会社法で認められている拒否権付株式を認めないことで、株主に損害が生じれば、東証に対して損害賠償訴訟が起こされる可能性もある。
・ 拒否権付株式の方向性は、原則禁止で良いと思う。また、取得条項付株式や複数議決権株式は、内容次第で特定の者に対して過度な防衛策を付与することになるため、それを制限することには評価したい。

(2)買収ルールのあり方について
a.基本的な考え方
 ・買収者と対象企業のバランスの観点から買収者への情報提供を充実させるべき。
 ・情報提供などについては、買収の局面においてどの程度必要なのか、買収の流れ全体の枠組みを踏まえて検討する必要がある。
 ・買収防衛策の導入など、状況の変化に対応できるように、買収ルールのあり方について検討すべき。
 ・ライツプランの導入を前提とし、それがうまく機能するために情報提供などをどうすべきか、という観点から議論を行うことが必要。

b.公開買付期間について
 ・買収防衛策消却のための委任状合戦と並行してTOBを行うことができるよう、公開買付期間の延長を認めるべき。
 ・対象会社が買収提案に対する対抗提案を提示するための期間を確保する観点から、敵対的な場合については、TOB期間を伸長するようにすべき。
 ・敵対的買収者にとっては期間が短い方が有利なので、期間を短く設定されることが多い。

c.大量保有報告書制度について
 ・事務上の負担や投資行動への影響等の副作用も踏まえて、特例の見直しについては慎重たるべき。
 ・制度上、企業の支配権を取得できない者については特例を維持すべき。
 ・企業が大量保有者を知りたいということと、投資家が大量保有者の動向を知りたいということを分けて検討すべき。企業が大量保有者の動向を知りたいという問題については、株券の電子化が進展すれば解決される問題ではないか。
 ・株を取得することで市場に対して大きな影響のある者の保有状況がタイムリーに開示されていない。目的記載内容の充実や指導監督体制の充実などを図るべき。
 ・特例対象者についても、対応可能な範囲まで提出頻度を短縮させるべきではないか。
 
d.実質株主の把握
 ・実質株主の把握については、機関投資家としては受託者責任との関係からどこまで対応できるかわからない。
 ・把握方法については、様々な工夫の方法があるのではないか。

e.MBO
 ・買付者が対象会社の経営者であるため、価格の妥当性が判断できず、上場廃止によりMBOに応じなかった株主が不利益を受けるため応じざるを得ない。価格などに関する情報提供を充実させるべき。
 ・MBOに参加する経営者はうまくいけば相当程度儲かるため、そのようなことを踏まえ、買付価格の妥当性も含め、情報開示させるべきではないか。
 ・MBOは取締役が利益相反となる可能性が高い類型の取引なので、情報提供を充実させるなど通常の公開買付と異なる扱いとしてはどうか。
 ・通常の公開買付と異なる取扱いとする必要はないが、フェアネスオピニオンを取るなど、様々な工夫をすべき。

f.その他
 ・少数株主保護のため、全部買付義務を課すべきではないか。米国でも5割以上の部分買付を実際行うことは難しい。100%買う勇気のない者に対しては規制をしてもよいのではないか。
 ・全部買付義務は、友好的な買収にとって弊害だ。コストがかかるようになる。
 ・欧州の場合、全部買付義務と中立義務をセットで採用しているため、全部買付義務のみを課すのは如何なものか。
 
                                       以上

 

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