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審議会・研究会

企業価値研究会(第14回)  議事要旨


1.日時:平成17年12月6日(火) 15:30~17:40
2.場所:経済産業省 本館 第一特別会議室
3.出席者:神田座長、安達委員、石綿委員、梅本委員、大杉委員、久保田委員、佐山委員、武井委員、寺下委員、徳本委員、西川委員、畠山委員、八丁地委員、服部委員、藤縄委員、星委員、堀井委員、松古委員、松田委員、村田委員、矢野委員他

4.議題:企業価値基準に基づく買収ルールのあり方について

 企業価値基準に基づく買収ルールのあり方について事務局より説明後、討議を行った。討議における主な意見は次のとおり。

5.議事概要

(全体)
・企業価値という観点から、具体的な法制度について議論するというよりも、企業価値という観点からみた場合のものごとの考え方を示していければよいのではないか。
・買付規制をしっかりすれば、防衛策は不要。公開買付制度は、インフォームドジャッジメントに基づいて整備すべき。
・公開買付は、当事者間の問題だけでなく、証券市場にも影響を与えるため、この点についても考慮しなければならない。
・公開買付制度の見直しの論点としては、価格の妥当性に関する情報提供の充実をいかに図るかと経営陣の代替案を確保するために期間のあり方をどう考えるかという点がある。

(公開買付期間のあり方<全体>)
・防衛策発動は、経営者による経営継続という代替案提示を意味しているのではないか。
・公開買付を行う前に予備期間を設けてはどうか。そのような仕組みを設けている国はあったはず。
・買付価格を市場に長くさらしたとしても、買収者や対象企業などからの提案がいくらあったとしても、その妥当性を確保することは難しい。
・買付期間については、買収者、対象会社とも延ばして欲しいというニーズがある。対象会社側としては、防衛策を導入・発動させるための時間を確保したいというニーズがある。一方、買収者側としては、対象会社の株主を説得するための時間が欲しいというニーズがある。

(買付期間の下限について)
・株主や投資家のために、より良い買収提案が出てくるような環境を作ることが重要である。そのため、買収提案を比較検討できる立場にいる対象会社の経営陣が代替案を提示できるようにするため、対象企業に買付期間の伸長権を与えてもよいのではないか。
・伸長権を仮に認めるとした場合に、伸長する場合の合理性をどのように確保すべきという観点から、一定の基準を示してはどうか。
・実務上、買付期間の下限である20日に設定し、買付が行われた場合、対象会社が対応できないため、対象会社に伸長権を与えるか一律に買付期間の下限を伸ばしてはどうか。
・単純な公開買付の場合まで、買付期間の下限を長くするのは対象企業にとってマイナス。対象企業の経営陣が反対するものだけ、期間を伸ばしてはどうか。
・現行でも、米国株主が10%以上いる企業については、米国の規制により公開買付を行う場合には最低20営業日で行うことが義務付けられている。そのため、現在の買付期間の下限を20営業日に伸ばしたとしても長くなったとは思わない。もう少し長くしてほしい。
・買付期間の延長については、何のために延長するかによって異なる。例えば、実務上、対象会社が臨時株主総会を招集するためには40日程度かかる。そのような視点から妥当な期間のあり方を議論すべきではないか。
・買付期間の確保については、防衛策の発動の有無や有事の際の防衛策の導入を決定するために対象会社に対して一定の期間を確保することが望ましい。
・期間の伸長権を付与している国はどこにもない。グローバルスタンダードの観点から、他国でも採用されていないような制度を採用すべきではない。

(買付期間の上限について)
・委任状合戦の実効性を確保する観点から、一定の場合には期間の延長を認めるべき。
・公開買付期間の上限を大幅に伸長すると、証券流通市場が乱高下する可能性がある。委任状合戦と併用するには上限を伸ばす必要があるというが、実際問題としていかがなものか。
・対抗提案を引き出すには、ある程度の時間は必要であり、上限が2ヶ月では難しいと思う。
・公開買付期間を20日から20営業日にすることは問題ないが、上限については買収者への過度な負担になるので、現行の60日が妥当なラインだと思う。ただし、特定の場合に限ってのみ延長するのは良いと思う。

(防衛策導入会社と買収者とのバランスの確保)
・防衛策が発動された場合に、公開買付の撤回や買付価格の引き下げを認めてもよいのではないか。
・公開買付の撤回条件を緩めてもよいのではないか。

(市場内取引に対する公開買付規制の適用)
・全部買付義務は反対だが、30%以上の株式を保有することになるのであれば、公開買付を義務づけた方が良いと思う。

(MBOの取扱い)
・MBOの定義は難しい。結果としてMBOになるというのが正確。経営陣が主体的に買付を行うのは稀。経営者が買収したようにみえても、実体はファンドが支配するケースが多い。整理をするのであれば、非公開化という切り口がベターではないか。
・MBOは利益相反か否かで定義してはどうか。その場合、MBOは経営者が買収者になる場合の取引と定義することができるだろう。こうした案件については、米国でも更なる開示が要請されるので、日本でもそれを要請することには納得感も得られると思う。
・情報開示の要請は、利益相反かどうかというよりも、非公開化による影響から生じるものだと思う。非公開化はマーケットでの取引を奪う行為でもあるので、既存の株主の保護は必要。買収側に経営陣が入っているかどうか、経営陣の買収後にファンドが議決権を持つかどうかで分ける必要はない。
・情報公開は徹底してほしい。買付価格の妥当性について、経営陣と取引しているアドバイザーの話は完全には信頼できない。独立した第三者によるチェックが必要。
・社外による特別委員会の役割は、例えば防衛策を入れる時間がない場合などに、株主の意見を聞く変わりに特別委員会に諮るというもの。公開買付の場合は、直接株主に意見を聞いているのと同じなので、さらに特別委員会に諮る必要はない。
・非公開化で区別する場合、倒産・破産などを避けるための救済措置の場合や上場基準に抵触した場合との整理が必要。
・インサイダー的な要素が無い限り、会社の経営者が会社を買うことだけを他の買収と異なる取扱いにする必要はないのではないか。
・会社の公開を決断するのも経営者なのだから、非公開化を経営者が決断すること自体は問題ないのだろう。しかし、そのルールをどうするか、については検討する必要がある。
・自分以外に買収者がいるかどうかを徹底的に探すという努力の有無や内容について開示してはどうか。
・経営者中心の買収であれば、特別なルールを設けるべきというのであれば、大企業の完全子会社化についても一緒に考える必要がある。そのための非公開か否かで区別する方が良いと思う。

(その他)
・大手の運用者は、大半はファンドの集合体で、その総体の手口を表に出していくのには制約があるため、大量保有報告の特例の見直しにあたっては、厳しいルール設計をしないで欲しい。特例を見直すことによる社会的なコストとリターンについても十分考慮に入れて欲しい。

                                       以上
 

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