経済産業省
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審議会・研究会

ABL研究会(第4回)  議事要旨


日時:平成17年12月27日(火)14:00~16:00
 
場所:経済産業省本館17階特別第一会議室
 
議事
1.開会
2.議事
(1)ノンバンクにおけるABLの取組み
  • 伊藤忠ファイナンス
  • オリックス
  • ダイヤモンドリース
  • UFJセントラルリース
(2)第三回研究会へのご意見について 経済産業省
(3)ABLの課題と対応策について
(4)自由討議
(5)各事業についてのご報告
(6)シンポジウム事業について 株式会社野村総合研究所
3.閉会
 
議事概要
○ メンバーからの主な意見
  • リースというのは、物を担保にしたファイナンス効果があるという意味で、物の融資という意味で、「物融」と考えられる。
    リース業者として、リース取引以外のものも含めて、顧客の資産を通じて、その課題とか問題点を解決していく、いわゆるアセットソリューションの視点が重要。
    担保評価の部分においても、ノンバンクは自社のリスク認識の中でしっかりとした評価を行っていることは認識できる。そういう意味では、ノンバンクには従来よりABL取組に必要な評価スキルがあるといえる。
     
  • 一部の物件を除いて中古市場というのはまだまだ未成熟。
    リース業者の多くは物件の処理という出口戦略に重点を置いてきたが、市場の成熟を待つだけではなく、自ら率先をして中古市場の創造に努めることが今後重要。中古物件売買を実務で行っていくことによって、目利き能力もしくは中古売買のノウハウを蓄積できる。また中古市場自体、環境的な側面からも各業界で、注目されてきており、一部では成長期に入っていると思う。
    中古市場が確立していない、つまり売買が非常に少ないケースにおいては、評価というのはあくまでも目安にしかならず、企業がデフォルトしたときに、評価額分の資金回収が可能かどうかというのも未知数。この状態では企業の与信を行っていく場合において、補助的な担保という位置づけは免れない。実際、処分して回収可能かについては、事業者の処分能力とともに、物件自体の流動性が非常に重要。そういう意味では、価値はあっても買い手がなかなか見つからないということも想定され、ヤードに引き上げておいて置くコストも、物が大きくなればなるほど、金額がかかる。
     上記を踏まえ、売掛債権と違って、現実に形のあるものをベースとしたABLというものを考えていくと、中古市場の活性化、取り引きしやすい環境づくりをする体制の構築は必須である。
     
  • 企業がノンバンクに担保を差し出すことについての抵抗感が高い。この抵抗感の払拭が課題。特に今回、公示制度などで逆にその抵抗感が拡大する可能性も感じている。従来の譲渡担保形式では、割賦売買も譲渡担保で行っているということもあり、簡便且つ、対外的な面においても、債務者にとって非常に受け入れられやすいということで、ノンバンク(特に
    リース会社)は多用してきたという歴史もある。今回の公示制度を広げていくことにより、それが従来の不動産担保に近い形で、企業が資金調達をする上で、当たり前の制度であるというような認識が深まるような啓蒙を図る必要がある。
     
  • ABLの普及のためには適格担保とされることは極めて重要。但し適格担保となっても、実際にその金額で処分ができるという裏づけがなければ、金融機関としては手が出せない。
    現段階では、適格担保として実際に有効に機能させるためには時間がかかるだろうし、様々な課題を解決しなければいけない状況にある。但し現状はそうだとしても、これから適用される新BIS基準等において一定条件つきで適格とできるような、将来に希望を持たせるような表記にしてもらいたい。
    また適格担保化の一つの解決策として、法人信用情報における信用調査会社のような、担保物種類ごとの担保適格性や評価額の情報提供を行う機関の必要性もあると思う。
     
  • 当面の間、適格担保化の必要な措置としては信用保証協会制度を活用することも一つのアイデア。但しその制度が逃げ道にならないように、インフラ整備を一つ一つ解決していくことも大事。
    地域金融機関の立場で言えば、協会の制度をなるべく取り組みやすい簡易なものから始めるべき。部分保証への移行を視野にいれると、いわゆる銀行側のモラールハザードというのもある程度は防げる。ABLを普及させるためには、中小金融機関が、いわゆる現場の担当者が企業と話しやすいような制度設計が重要。現場が取り組みやすければ、徐々に取扱量が増える。それにより、処分市場・手法等の部分が整備されてくるというシナリオが描けるのでは。
     
  • ABLに関連する売掛債権管理や在庫管理あるいは物流というところでも電子債権というのは大変重要。
     また管理コストを削減するICタグ等の技術を活用した管理体制を制度上にも反映し、汎用化することも必要では。
     
  • 商社の場合は、執行保全の際、仮処分を度々行っているが、それは常に時
    間がかかるとの認識が強い。裁判所を介し、仮処分の決定をもらってからも機関として更に執行官を利用しなければならず、結局仮処分申し立てから執行着手までに時間的ロスが生じてしまう。動産譲渡登記をしたのであれば、そのメリットとして、例えば保全手段について、簡易・迅速にできるような仕組みを付加すべき。
    そのための方策として、例えば、動産譲渡登記を行っている場合については、登記事項証明書の提示がある限り、仮処分における被保全権利と保全の必要性の疎明の程度を緩和したり、債務者無審尋で断行の仮処分を発令を可能にするなど、運用のハードルの引き下げによる手続きの迅速化について検討可能ではないか。
    さらに、譲渡担保権についても破産手続上は担保権であることになっているので、民法190条に基づき登記事項証明書と動産譲渡担保設定契約書を執行官に提出すれば、動産競売を開始できることとし、申し立てを受けた執行官が直ちに差し押さえを出来るようにするなどのアイデアも検討可能ではないか。
     
  • 現実の問題として、公的な競売制度はないので、今後公的もしくは中立的な評価・処分機関(協会)のような横展開の存在が必要である。例えば協会によるネットオークションやeマーケットブレイスのような、処分手法も整備すべき。また更に単なるアクセスの媒介だけでなく、裁判所とのやり取りとか、協議、委任機能も付加するべきでは。 
     また、そのような協会のようなところが率先して且つ継続して啓蒙活動・インフラ整備を行う必要がある。
         
  • 在庫に関して、真正譲渡性等、信託で分別管理するときの信託銀行がそれ
    を受けてくれるのかについてなじみがなく、このマーケット感を熟成していくことが重要。


                                       以上
 

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