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審議会・研究会

企業価値研究会(第17回)  議事要旨

1.日時:平成18年2月21日(火) 15:00~17:00
 
2.場所:経済産業省本館第1特別会議室
 
3.出席者:
神田座長、梅本委員、大澤委員、大杉委員、佐山委員、
武井委員、寺下委員、徳本委員、畠山委員、八田委員、
八丁地委員、藤縄委員、星委員、堀井委員、松古委員、
松田委員、村田委員、柳川委員、矢野委員 他
 
4.議題:
(1) 公正なM&Aルール形成に向けた関係省庁等における取組み状況
(2) 会社法施行を踏まえた今後の買収防衛策のあり方について
(3) 企業価値研究会 報告書骨子(案)について

 法務省より「会社法の法務省令」について、東京証券取引所より「買収防衛策の導入に係る上場制度の整備等に伴う株券上場審査基準等の一部改正」について、概要を紹介。次に武井委員より、「会社法施行を踏まえた今後の買収防衛策のあり方」について報告。その後、事務局より「企業価値研究会 報告書骨子(案)」等を説明し、討議を行った。討議における主な意見は次のとおり。

5.議事概要:
 (企業価値研究会の報告書について)

  • この研究会での議論は、公表されている議事要旨以外では知りようが無い。一方で、世の中のニーズとして、この研究会に参加していない企業等は、研究会でどういう議論がされているのかも分からないため、敵対的買収や買収防衛策に関し、何か整理されたものが示されることを望む声も多い。企業や実務家にとって影響の大きいセンシティブなものまで示す必要はないが、「これらに関する制度がどのように整理されているか」、あるいは「研究会としてはこうしたことを期待する」など、中身を切り分けて考え方を示すことは、多くの企業や実務家にとって、有意義だと思う。
  • 制度整備については、政府の役割であり、その意味では企業価値研究会を窓口として敵対的買収に関する問題を幅広く検討することは意味のあることだと思うが、問題は企業価値研究会には何の権限もないということ。ただ、研究会には関係省庁等や日本を代表する企業、投資家、実務家、学界の方々が集まって、10数回議論を重ねてきており、その結果をまとめ、発信することは価値があるのではないか。
  • 報告書の選択肢としては、(1)何も出さない、(2)9月以降の動向を資料集的にまとめる、(3)(2)に加え、研究会での議論をいくつかのポイントにまとめる、の何れかになると思うが、現実的には(2)か(3)になるのではないか。
  • 企業は6月の株主総会に向けてどのように対応すれば良いか迷っており、一定の方向性を示すことは必要だと思う。指針以降の問題点を踏まえ、研究会としてどのように考えるか示すべき。
  • 日本の制度の問題点は、統一窓口がないことである。そういう意味では、第二期の企業価値研究会では、敵対的買収に関し、法務省、金融庁、証券取引所がそれぞれ進めていた制度整備について集約し、全体の見取図を作ったというのが活動の本質だと思う。したがって、報告書では各省庁・証券取引所の取組と研究会との整合性などに論点をしぼって発表すれば良いのではないか。
  • 報告書をまとめる上での整理としては、買収防衛策に関して、制度整備によって進められるものと、企業の創意工夫によって進められるものに分けて、情報提供を行うことはできるのではないか。
  • 今回の報告書が、ガイドライン的なものであるならば出す必要はないが、買収防衛策に関する議論や整理をする資料集的なものであれば、出す意味があるのではないか。ただし、その場合、あくまで参考としての位置づけとなり、ミスリードしないよう、できるだけ客観的な記載にする必要がある。
  • 研究会として結論を示すべきでない部分は明確にした上で、現時点での司法判断の解釈などについて、可能な限り客観的に研究会としての考え方を示すことは意味があるのではないか。
  • 報告書については、今までの活動について簡単にまとめる程度が望ましいのではないか。もしも、現時点でもう一度、買収防衛策について一から見直そうというのでは意見をまとめるのが難しいと思う。
  • 研究会として意見を一つに集約するのは難しいと思うので、研究会で出た意見はどこが一緒で、どこが分かれていたかを明確に分かるようにしてほしい。
  • 買収防衛策については、民間が既にいろいろと検討を進めており、研究会や行政が細かく整理する必要は無い。
  • 今回の企業価値研究会の報告書は、何を目的としているのか分からない。確かに昨年の時点では価値があったかもしれないが、現時点では司法判断との一定のズレもあり、そうした状況の変化を踏まえて報告書内容を修正するには時間が足りない。
  • 昨年指針が出た際には、企業にとって買収防衛策の方向性が示されたため、非常に意義があったが、その後の司法判断との温度差などもあり、現状では、企業は何ができるのかパニック状態となっている。そういう状況で、再び研究会の報告書が出ることは、更に混乱を助長する。企業や実務家が望んでいるのは、どこかがリーダーシップをとって政府の意見をまとめて、方向性を示してくれることである。
  • 昨年の段階では、世間は買収防衛策についての知識を全く持っていなかった、そのため買収防衛策について知らしめるという意味で、企業価値研究会の報告書は非常に意義があった。しかし、この1年間で状況は大きく変わっており、経営者は自ら判断を行うべきであり、政府が方向性を示す必要はない。
     

  (「会社法施行を踏まえた今後の買収防衛策のあり方」について)

  <買収防衛策の導入について>
  • 報告の中では、株主総会決議を経なくても、独立社外のチェックがなどあれば取締役会限りで導入可能と整理しているが、日本は米国と事情が異なり、社外取締役の独立性はほとんど確保されていないため、取締役会限りで導入される買収防衛策は経営者の保身や過剰防衛に結びつくので、必ず株主総会決議を経ることが必要と考える。
  • 必ずしも株主総会が必要ではなく、客観的廃止要件や独立社外の内容次第だと思う。現状の社外取締役の中でも本当に独立性の高い者がいる場合もあり、取締役会による導入という選択肢を無くす必要はない。また、株主総会型が全く問題無いという訳ではないので、個別の事案毎に考えるべき話であり、運用の問題だと思う。
  • 日本の企業の中には社外取締役が過半数を超過している企業もあることを考えれば、日本の企業が一般的に社外取締役が少ないことを上げて、買収防衛策の導入に株主総会決議が絶対に必要という議論はおかしいと思う。

   <買収防衛策に対する司法判断について>

  • これまで示された司法判断については、基本的には企業価値研究会の結論と大きくズレているわけではなく、平仄は合っていると思う。
  • これまでの司法判決からは、株主総会を通した方が確実ということは言えると思う。取締役会による導入も可能とは思うが、その分、裁判で負ける可能性は高まるとは言えるのではないか。

   <その他>

  • 報告の中で、事前警告は有事に「あらゆる手段を実行する」とあるが、これはミスリーディング。取締役の忠実義務に基づいて、買収者や市場に最もフレンドリーで、相当な手段を実行するのであり、もう少しポジティブに捉えるべきだと思う。
  • 有事の防衛策が否定されていない以上、予測可能性が無いのはどの企業も同じである。例えば貸株等については禁止されている訳ではなく、実際ライブドアによる買収の際には用いられている。
     


以上

 

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