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審議会・研究会

ABL研究会(第5回)  議事要旨

開催日時:平成18年1月25日(月)14:00~16:00

開催場所:三田共用会議所3階第3特別会議室
 
議事概要
1. 開会
2. 議事
(1)ABL周辺への取組み【3PL・ICタグ・電子債権】
  • 日本倉庫協会 
  • 株式会社ハートウェル・日本ユニシス 
(2)企業サイドからみたABLへの対応について
  • 株式会社西昆 
  • 株式会社帝国データバンク 
(3)自由討議
 ○メンバーからの主な意見
  •  倉庫業というのは発生史的には、明治初期に金融機関が担保として預かる物品を管理する業務から分離独立して倉庫業が確立された歴史もあり、もともと営業倉庫は金融と深い関係にある。
  •  ABLに近似する形として、倉荷証券を担保に金融を行う場合が考えられる。銀行と倉庫会社は内渡契約という契約を締結し、債務の弁済の度合いに応じて債務者が貨物を一部出庫する際、出庫部分の担保権解除手続きを行うにあたって、銀行がいちいち倉庫業者に倉荷証券を持っていく煩雑さを避けるためである。
  •  動産譲渡登記特例法が施行されてから、倉庫実務上誰に引き渡すべきか、ということについて、基本的には、譲受人から登記事項証明書によって引き渡し請求があった時には、倉庫業者が寄託者である借入人に対して、当該請求につき異議があれば相当の期間内にこれを述べるべき旨を遅滞なく催告し、借入人がその期間内に異議を述べなかったときは、倉庫業者はその譲受人として登記されている者に当該動産を引き渡し、それによって借入人に損害が生じたときであっても、その賠償の責任を負わない、ということを原則を特例法(第3条2項)にも規定として織り込んでおり、実務はこれに基づいて処理をすることになった。
  •  ICタグ活用により、正確な在庫データは把握可能であり、在庫管理の精度の高さは当該企業の信頼向上にもつながる。また、在庫データが正確・即時に得られることにより、在庫量の変動とファイナンスのタイムラグ、つまり一部の在庫が不存在、滅失したような場合には、それらを担保の中から削除しなければならないのだが、そのような場合の融資の金額と在庫の数量の牽連性を短期間で把握できる。
  •  実験を開始する前は、その他ICタグの活用により実査時間・コストの削減、担保物件であることの明認、個品ごとの履歴管理による在庫評価への反映といった期待があったが、実験によりそれらは実務的にはまだまだ検討の必要有ることが判明。
  •  物流とICタグと金融との関係については、経済産業省商務流通グループ物流政策室においても、今年度から来年度にかけてABF研究会(アセット・ベースト・ファイナンス研究会)という形で行われており、本研究会と連携を持って検討を進める。
  •  中小企業の多くは、不動産の担保能力は持たないため、新しい事業を試みる場合、資金調達力の低さから、結果的に従来の調達枠から開発費用を捻出せざるを得ない。従って既存の事業への影響を踏まえ、新しい事業への進出は踏み切れないというような実態の中小企業は多い。
     しかしもしABLが活用できるとしたとしたら、日本全国の成長する可能性を秘めた、多くの隠れた中小・零細企業を成功に導くことが可能になると思う。
  •  ABLを実際に行うことにより、金融機関と中小企業が同じ悩みを共有することが可能になった。それはABLを実行する前に、金融機関が何度も足を運び、倉庫や生産ラインや人材を見ることになったことから派生した効果である。借入をする中小企業にとって普通の貸し出しでは事務手続に近いイメージを受けるが、このABLに関しては、金融機関が実際の企業活動の中に入って動きを見ることになったということは、今後の金融機関との関係構築上で、非常に有意義だと思う。
  •  一部のABLでは経営者の連帯保証が免除される可能性があることのメリットは大きい。またデメリットとしては、信用問題の悪化を招く可能性があるのが大きい。
  •  今後の進め方として(1)案件金額の小ロット化及び低コスト化(2)資産の担保適格性の確立の両面を念頭に置いて、実例を地道に積み重ねながら検討を進めるべき。
  •  多くの場合は、担保権者との間で個別にコベナンツ等を交わして、その詳細を決めているように思われるが、担保権者との力関係からすると中小企業者に不利な約定が結ばれ、担保権者の都合で、突如として事業上不可欠な資産が奪われ、結果として事業継続に大きな支障をこうむる恐れも考えられる。
     その際、担保権者が公共的使命を担った良識ある金融機関等であれば、そのような問題はないものの、法制度の整備に当たっては、担保権者、債権者の視点のみならず、担保提供者、債務者の実情をも十分に踏まえて、当事者双方にとってバランスのとれた検討を希望する。
  •  現状金融機関にとって、動産・売掛債権は適格担保ではないことを踏まえると、企業にとっては若干不安定感を感じる部分がある。そのような背景を踏まえ、まずは全国共通で利用できるような処分マーケットを国が中心となって検討すべきである。在庫の処分価格の相場基準が一つ一つ出来上がってくれば、適格担保を検討する際のベースになる。
  •  ABL研究会の成果を取りまとめるに当たっては、リレーションシップバンキングという考え方とマージナルファイナンスとしてのあり方とか、そういった大きな2つのカテゴリーに分けられていくという整理をした上で、それぞれ必要なリソースとか環境整備に分けて検討していくべきである。
  •  金融庁は、バーゼル委及び証券監督者国際機構(IOSCO)が「トレーディング業務に対するバーゼルⅡの適用およびダブル・デフォルト効果の取扱い」と題する文書で共同公表した内容を中心に検討を行い、再見直し後の告示案を取りまとめ、パブリック・コメントを募集しているので、経済産業省としても、動産適格担保の限定列挙資産について、環境整備に伴うものについては、追加等の措置が行えるよう、弾力的な運用を望む旨の意見を出す予定である。


以上
 

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