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審議会・研究会

経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会(第6回)  議事要旨


日時:平成17年10月5日(水)10:00~12:00

場所:経済産業省17階第1特別会議室

議題:1.平成18年度税制改正に関する経済産業省意見

2.米国の法人所得課税負担

3.企業の公的負担と経済活力ワーキング・グループ(現状報

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議事概要:

1.平成18年度税制改正に関する経済産業省意見について

 事務局から資料説明の後、委員による自由討議。主な意見は以下のとおり。

 

(1)企業の法人課税負担

○社会保険料等税以外の負担も含めて、企業が負担と感じているものをトータルで国際比較し、日本がどのような状況にあるのか示してほしい。

 

○単に何でも減税、延長という要望ではなく、いかに税負担の軽減を集中的にかつ洗練化して行うかというトーンが出ているので評価できる。

 

(2)会社法関係

○会社法現代化等に対応する業績連動型役員報酬の損金不算入の見直しが要望項目として盛り込まれたことについては大いに賛成。

 

○会社法現代化に伴う企業組織関連税制の整備が要望に盛り込まれたことについては大いに共感できる。

 

(3)中小・ベンチャー企業税制

○同族会社の留保金課税について、中小企業団体からは、現在では大企業の方が中小企業よりも留保割合が多く、財務体質の弱い中小企業についてのみ負担を求めるのは不公平だとの主張がある。今こそ見直しの時期であり推進すべき。

 

○同族会社の留保金課税については、政策金融について見直しが行われることから、資本蓄積の必要性がさらに高まるのが現状であり、廃止を大前提として進めてほしい。

 

○設備投資減税について、大企業と中小企業では経営環境は全く異なり、中小企業は未だに厳しい状況にあるので中小企業分については存続させるべき。

 

○中小企業に対する欠損金の繰戻し還付措置の延長について、欠損金の繰り戻しは新規創業時の会社は赤字で資金繰りも大変だからそれを救済するというように見えてしまう。黒字化してから数年間は法人税を減免する等、長期的な観点からみて担税力ある企業に成長するようインセンティブが働くような方向で検討してほしい。

 

○事業承継の円滑化というが、中小企業だけ商売を継続するために税を軽減するということでよいのか疑問。社会全体で考えると、親から子へ承継することがやる気にある人への参入障壁となって固定化や硬直化につながり、活性化に逆行するのではないか。

 

○中小企業の事業承継の円滑化に関する税制について、小規模住宅地の特例と自社株式の特例が原則選択式になっているが、個人の事業承継と法人の事業承継が、どちらかを全部選択することになっていて不合理である。物納手続きよりも自社株式の特例を独立で認める方が重要である。

 

○相続税で承継できなくて企業が倒産したという例を探したが見つからなかった。本当に相続税が事業承継の妨げになっているかは疑問なので、本当に潰れているという例を挙げて頂きたい。

 

○相続税が非常に高いのでIPOがやりたいというような間違った考え方で上場を目指す者もいるくらい、同族会社の未上場株式に対する課税が事業の承継に際し非常に大きな問題。

 

○相続税について、東南アジア諸国との競争及び中小企業の育成の観点から見直すべき。

 

○物納手続きの改善について、透明性を確保した上で進めるべきだが、実際にどの程度物納がでているのか、また改善によってどの程度物納が増えるのか。

 

○中小企業といっても幅がある。中小企業のガバナンスについても触れるべき。

 

(4)固定資産税

○固定資産税について、固定資産税収が減少したまま落ち着いているのではないかということだが、時価に対する固定資産税の実効税率はバブル時0,18であったものが、今は0,6から0,7まで上昇している。また、(平成6年の)固定資産税評価額を地価公示価格の7割とする通達一本で、税収を4兆円から10兆円に増やすようなやり方は問題。さらに、今の制度のままでは実効税率が0,18から0,98まで上昇することも問題である。

 

○平成15年度改正の固定資産税の見直しが市町村財政に与える影響が大きいということで、登録免許税と不動産取得税の軽減措置が行われたが、3年経過して見直し前よりも増税になっているところもある。両税制については、固定資産税とのバランスから簡単に廃止するわけにはいかないのでないか。固定資産税のあり方も含めてさらに検討してほしい。

 

(5)その他の税制

○定年後の再雇用や雇用延長について、今後大量に退職者が発生するが、企業や地方だけに負担を求めるのではなく、少しずつみんなが負担をするような議論をしていくべき。企業についても再雇用や雇用延長を行った場合に税制面での優遇を与える等インセンティブを与えるべき。

 

○労務費について、日本の場合は固定費、諸外国は変動費として計上されるが、この点についても議論をすべき。

 

○2007年大量の退職者が発生するが、人材投資促進税制の活用によって、日本全体としての社会保険に対する負担能力が国民全体にも増加し、企業としても活性化する。

 

(6)税制以外

○パートやアルバイトについて、社会保険料負担や年金、医療保険等の大きな社会的負担の要因となりうるが、それらに対する医療・年金等を将来どのようにしていくべきかについても検討してほしい。

 

2.米国の法人所得課税負担について

 

○米国では「濫用」的な租税回避行為のことを、「タックスシェルター」と呼んでおり、大手会計事務所はタックスシェルターのサービスは売らない方向になっている。事業上の理由があるということ、実態のある取引であるということ、この2点を備えた節税は「タックスプランニング」と呼んで区別している。

 

○米国の大手企業は米国の税制のみならず、様々な国の税制を見ながら実効税率を下げるような行為をしている。米国の中小企業がどういう形で節税しているかは良く分からないが、おそらくSコーポレーションやパートナーシップをうまく利用しており、その両方で結果として税率が下がっていると考えられる。

 

○OECDには「有害な税の競争」という概念があって、過度の法人税の引き下げ競争に陥らないように規制しているが、今ヨーロッパ各国でやっている税率の引き下げは有害とみなされないのか教えてほしい。

 

○米国の構成員課税の問題について、パススルーされた相手が法人の場合もかなりあり、所得は法人の方に行き、法人課税の減少につながらないわけだが、その影響はどう考えているのか。

 

○有害な法人税の引き下げ競争、ダンピングに関してOECDとは別にEU自体で歯止めの動きはないのか。法人税率の引き下げ競争というのは、お互いに麻薬を打ち合っているようなところがあって、財政的にゆとりがある場合はいいが、我が国のように財政が破綻状態になってくると、どのように評価していいのか疑問。

 

○これからの時代は法人課税を軽化していく方向で行き、所得と消費でいかに税収を確保するかがとるか。EU諸国は日本よりもはるかに付加価値税をかけているが、それが国際競争力を阻害するという議論にはならず、むしろ法人課税に関してそういう議論が出る。法人擬制説的な見方をすれば、法人に課税しても、結局所得に還元され、そこで取ればよいという話になる。日本も国際的な競争の中でいかに二重課税を止めていくか考えなければならない。

 

○アメリカと我が国では国と地方の果たす役割が異なり、我が国の地方法人課税負担が単純に高いということは言えないのではないか。

 

○テキサスは地方税がゼロだが、そのかわり付加価値税や消費税が非常に高いのではないか。日本も地方分権ということになったら、地方税をもっとフレキシブルにするシステムを採用すれば企業を誘致できる。

 

以上


 

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