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審議会・研究会

経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会(第7回)  議事要旨

 

日時:平成17年12月21日(水)10:00~12:00

 

場所:経済産業省17階第1特別会議室

 

議題:1.『企業の公的負担と経済活力ワーキング・グループ』(中間報

)

2.『地方の法人所得課税』

3.『平成18年度税制改正』

 

議事概要:

1.『企業の公的負担と経済活力ワーキング・グループ』(中間報告)中間論点整理(案)について

 

 事務局・委員から資料説明の後、委員による自由討議。主な意見は以下のとおり。

 

(国際立地選択・資金還流について)

○米国は海外に流出した資金が国内に還流しないことに悩んでいる。資金を留保していても実際に投資されるかはわからないので、企業の利益そのものに課税するよりも、還流してそこから発生する金融資産性所得に対して課税するということで米国も諦めたのではないか。日本も米国のようにできるだけ本国へ資金還流させる土壌を作っていく方向に考え方を変えていくことも必要。税率の引き下げ競争というよりは、むしろ根本的な国際所得課税という考え方を見直す時期になっている。

 

○米国や日本は全世界所得課税を原則としており国際立地選択に影響を与えないというが、例えば日中租税条約のようにみなし税額控除を採用している場合、中国で未払いの税額を全部日本の法人税から控除しているという事態が起こっている。このような事態は国際立地選択に非常に大きな影響を及ぼしているのではないか。

 

○外・外取引や研究開発機能の国外移管・設置の動きについて、様々な動きが出ているようなので、よく見ていく必要がある。

ロイヤルティについても、情報収集には当然制約があるが、日本から輸出される商品の中にどの程度研究開発費が乗っているのか、移転価格税制の中でどういう扱われ方になっているのか、見る必要がある。

 

○中国が極力研究開発拠点、コンテントを自国へ取り込もうとする意思をもって施策を行っている中で、日本がどういう施策をとるべきかを考えるべき。ロイヤルティがとれないとなると日本に研究開発拠点を置いた意味が大きく減殺されるが、インベストジャパン、研究開発促進税制につづく第3の矢が何なのか施策オプションを考える作業が必要。

 

○税制改革諮問委員会報告の「簡素な所得課税案」にあるように、米国は国外所得免除方式へほぼ移行するのではないかと言われているが、そうなれば日本の産業空洞化や企業の海外移転は避けられない。

 

○社会保障関係費について、今後年金に関して企業の負担分がかなり増えるが、法人税率を軽減しないならば、フランスの「競争力拠点計画」のように社会保険料に関する負担の考え方を検討し始めるべき。

 

○フランスの競争力拠点計画について、競争力強化のために社会保険料負担を軽減することは、軽減された企業はいいが、軽減されない企業の負担がそれだけ増えてしまうのは問題。しかし、一方でこのような施策をしないと企業をつなぎとめられないという状況もあるのだろう。

 

○社会保険料負担が今後膨大になることから考えると、日本経済にとって大きな問題となる。日本は企業の負担をはっきりと軽減するというぐらい立場を明確にしておかないと産業の空洞化が進むことになりかねない。

○企業の立地選択については、どれだけの人材がいるか、マーケットがどこにあるかという非公的負担的な要素も当然ある。日本はそのような意味でまだ強い面が多いのではないか。

 

○移転されて困る企業というと、いくつかの大企業を念頭において考えているのだろうが、中小企業も考慮に入れるべき。

 

○日本の手取り賃金は諸外国に比べて高いと言えるのか。

 

○企業の利益と国の利益は、かつてはおなじだったが、今や相反する問題が多くあるので、その調整をどうするかということが非常に厄介な問題。

 

2.『地方の法人所得課税』について

 事務局・委員から資料説明の後、委員による自由討議。主な意見は以下のとおり。

 

(地方課税について)

○財源の配分に関して、どの程度交付税のように国が地方の財源をカバーしているのかということについて国際比較をし、本当に日本の国税と地方税の構造が歪んでいるのかを検証してほしい。

 

○地方税の税源移管に関しては、偏在の問題と行政効率の2点がネックになる。国税と地方税で消費税の徴収業務が重複するが、行政効率について厳しい指摘を受けているときに二重の行政コストをかける必要が果たしてあるのか。

 

○現在の地方消費税は、課税標準が国の消費税で、税率は25%とされているため、国の消費税率が上がらないと地方消費税が上がらないが、国の消費税率に関わらず税率が決められるという形にしていくことが必要。

 

○地方消費税収の2分の1は市町村へ交付されているが、都道府県税である事業税を地方消費税で代替するのであれば、市町村と都道府県双方の税収を減らさないような交付比率の変更もある程度必要。

 

○地方消費税の税率を上げる代わりに事業税の税率を下げる方向に進むべきと考えるが、事業税を地方消費税に移行するのがよいと説得的にプレゼンテーションしていくためには、レトリックも含め工夫が必要。説得の1つの方策として、転嫁と帰着という問題があるので、事業税を消費税に切り替えたからといって直ちに消費者だけが負担することになるわけではないとの説明が考えられる。

 

○地方消費税について、執行の問題、特に納税者の事務負担が大変になるので、現在のように国が消費税を一括徴収して地方交付税のように配分するのがよい。また、消費税を増税しても社会保障に当てられるので、地方に回る余裕がどれだけあるのかは疑問。

 

○前回法人実効税率の議論をしたのは、平成11年の小渕内閣時だがその当時からどのように変わったのか。グローバル化が劇的に進み、生存条件が厳しくなった。経営者が税引前利益ではなくて、税引後利益で考えるようになり、さらに国際展開をしていく中で税負担に対する意識が極めて高くなって来ているということも念頭に入れるべき。そして、その解決策を得るためには地方法人課税に目を向けざるを得ない。

 

○法人住民税のあり方が大きな問題。歳出削減、歳出構造の見直しを国・地方とも早くやって、それに見合う税負担のあり方を議論していくべき。ただし、各論点の掘り下げが必要。

 

○経済産業省には国全体の絵を描いてどうしたらいいかということを提案していただきたい。例えば、男女共同参画や子育て支援、世代間の所得格差、未だ厳しい中小企業の状況をどうするか。市町村の市民税が数千円で、または、赤字法人企業が資本金にもよるが法人住民税均等割の5万円のみを払っているだけでいいのかという点も疑問。

 

○地方債の起債制限について、起債許可制が事前協議制になるということで今まで許可が下りずに起債対象にならなかった事業等に対しても地方債を発行できるようになるようだが、起債制限比率の管理をきちんとしていればなんとかなるのではないか。

 

(社会保障関係)

○社会保障費について、受益と負担の関係も考慮して、企業の負担軽減という議論を進めるべき。

 

○年金について、保険料や受給額が退職後の職業や報酬の受取方によって差異が生じるのは不平等であり改善すべき。

 

○男女共同参画について、税制や補助金での支援を含め男性が子育て期間中に早く帰宅できるような環境づくりに力を入れるべき。

 

(その他)

○消費税を上げるべきか、歳出削減をするべきか等政治問題になっているが、一番の間接コストは議員であり、議員定数を削減すべき。

 

なお、本議事要旨は、事務局の文責にて作成したものである。

 

以上

 


 

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