経済産業省
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平成21年度産業技術調査報告書「技術評価による資金調達円滑化調査研究」

現在、銀行融資は、不動産の担保や財務情報等による評価が行われ、技術力といった非財務情報は融資評価及び与信評価の対象とされていないため、ベンチャーをはじめとした技術指向型の中小・中堅企業にとって成長のための資金を円滑に調達することが困難になる場合もあります。

こうした背景には、企業の技術力を評価することが、銀行にとって難しいことが大きな原因の一つであるとされています。中小企業の融資可能性を定量的に評価するスコアリング手法として、中小企業の財務データをスコア化したCRDCredit Risk Database)や、経営者個人の属性に基づくマイクロファイナンスが普及しつつありますが、技術力の評価は含みません。

経済産業省では、「技術評価による資金調達円滑化調査事業(委員長:東京理科大学専門職大学院 石井 康之 教授、委託先:テクノリサーチ研究所)」を実施し、現在、融資に不足感のある、成長初期の企業について、一般的なディスカウントキャッシュフロー法等の評価について、特許情報を活用して客観的かつ簡易な「技術力評価指標」とその有効性を確認するとともに、当該「技術評価指標」が様々な機関で活用される仕組みの可能性について調査・検討を行いましたので、結果を公表いたします。

 

  <ポイント >

  •  中小企業の財務・経営データ(東京商工リサーチ企業情報)の財務データと特許データを活用した技術指標(YKYK3値、パテントスコア、汎用特許価値インデックス)とを相関分析した結果、中小企業の生存確率及び売上高成長率に有為に寄与しており、債務不履行に至る可能性が低いことが判明。
  •   既存の技術指標と今回新たに作成した技術指標では、技術力の財務評価に対して相対的評価を行うことが可能であり、従来のインカムアプローチ、マーケットアプローチ、コストアプローチと一体的な評価が可能であり、特許権の譲渡件数が増えて市場が構築されることで、将来的には信用保険による担保も視野に入り得る。
  •  現状からは、技術力を有する企業の成長のための資金に不足感があるが、銀行による評価は欧米諸国でも限界があり、経営者の視点を有するベンチャーキャピタルやエンジェルの充実が急務であるところ、特に後者において、成功した企業経営者が、経営、財務、技術の目利きとして、新たにベンチャー企業を育成する環境が、欧米諸国と比べて顕著に欠落している。
  •  今回、「特許情報を活用した技術力評価」が、将来の成長性や倒産可能性の予測に一定程度相関することが分かったことを踏まえ、今後、中小企業の技術力を積極的に評価しようとする動きに繋がることを期待。

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