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◆産業技術NEWS 2013年2月28日 第10号

読者の皆様へ

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
今回、知的財産取引所インターナショナル(IPXI、米国イリノイ州
シカゴ)より、同所の紹介記事を頂きましたので、送付させていた
だきます。

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米国・知的財産取引所インターナショナル(IPXI)からのレポート
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◆公開市場ライセンシングモデルによる日本の技術系企業へのメリット

2011年、米国における特許訴訟は22%増加し、年間件数とし
ては過去最高を記録しました。(注1) 特許侵害訴訟は平均1.2年
間継続し、その3分の2が和解します。(注2) この1.2年間に費
やされる訴訟費用と社内資源により、最終的に多くの場合は、ライ
センス又はクロスライセンス契約という形で双務協定に到達します。

1995年以降、リスクとより多大な費用を厭わない当事者が特許
侵害裁判に達するまでに要する時間は、平均2.5年です。(注3)
裁判により認定される賠償金の8割は、両当事者間の仮想交渉に基
づく「妥当な特許使用料」をベースに計算されます。(注4) すなわ
ち、2.5年間の訴訟費用と社内資源は、両者が訴訟をせずとも到っ
ていたであろう結果を得るために費やされることになります。

特許訴訟を裁判に持ち込むための費用は、論争の度合いにより、通
常65万ドルから5百万ドルともいわれ、決して小さくありません。
(注5) 両当事者が、取引をせずに訴訟を起こすシナリオの多くに欠
けている要素は、透明性と効率です。知的財産(IP)の品質や価値
を評価する基準はなく、今のところ、ライセンス契約の適正価格を
より効率的に得る手段は訴訟以外にありません。

この不確実性とリスクを伴う長期で高価なプロセスの結果、交渉上
の立場は、通常、最も多くの資金或いは特許を保有する当事者に有
利となり、中小企業には困難の原因となっています。

さらに、このような不確実性とリスクは、特許の逆淘汰を起こし、
リスク許容度の最も高い事業者が有利となる土壌を作ります。この
ような事業者とは非参加型事業者(NPE)で、商品やサービスの売
買をせず、取得知的財産のライセンシング又は権利の執行から収益
の大部分を上げる或いは上げようとする者です。

IP市場におけるこれらの要素は、次の2つの理由により、日本企業
には特に懸念事項となっています。1)中小企業は景気回復に不可
欠、(注6) 2)日本の技術系企業は、米国を除く他国のどの企業よ
りもNPEの標的となっています。(注7)

2009年、日本には420万以上の中小企業が存在し、労働力の
7割を雇用しました。これら中小企業が、日本の景気回復に必須で
あることは明白です。(注8) 従って、日本の中小企業は、収益を上
げ市場を拡大するための革新的な手段をとるべきです。外国特許の
有無に関わらず、商品や技術の市場を早急に拡大する一つの選択肢
は、知的財産権利の協力的ライセンシングです。知的財産の排他的
でなく包括的な本質を利用し、IP所有者は、技術及び知的財産のラ
イセンスアウトにより、当該商品や技術のより大きな潜在市場の商
業化リスクを共有することができます。

更に、中小企業は、ライセンスインにより、法外な研究開発費を計
上せずとも、技術革新や市場投入を加速することができます。従来
の二者間ライセンシング及び訴訟システムに付随する取引費用や不
公平な条件は、中小企業を開かれた技術革新やライセンシングから
遠ざけていました。新しいそして効率的な、技術移転のための公開
市場は、これら日本の中小企業に大きなメリットを与えます。

日本の技術系大企業は数十年に亘り特許のパイオニアであり、全世
界に豊富な特許の数々を保有しています。この現象に変わりはあり
ません。知的財産所有者協会によると、2011年に米国における
特許取得上位20社のうち9社が日本企業でした。(注9) 同様に、
日本の技術系企業は新商品を最初に市場投入するリーダーです。

しかし、その結果、大企業は頻繁にNPEの標的となっています。実
際、2008年以降、最もNPEの標的となった企業のうち5社が日
本企業です。(ソニー、パナソニック、東芝、ソニーエリクソン、
京セラ。)(注10) このことからも、市場ベースの価格設定、価格
発見並びに特許の品質規格を可能とする、IPライセンシングの新し
いそして透明な公開市場が、日本の技術系大企業に利益をもたらす
ことは明らかです。

2013年、公開市場を通じ全世界におけるIP所有権の取引条件を
公平にすべく、知的財産取引所インターナショナル(IPXI(R))は
開設します。IPXIは、通常実施権のライセンス化とIP所有権の取引
を、市場ベースの価格設定及び標準化された条件の下に提供する世
界で初めての金融取引所です。

IPXIで取引される独創性に富んだ商品は「ライセンス権利単位」
(Unit License Right(TM)(ULR(TM))契約と呼ばれ、買手に当該
特許技術の1回の使用を可能とする、単位化された消耗するライセ
ンス権利です。(例えば、モバイル機器1台の販売、ウェブサイト
上のワンクリック、ポリマー1ポンドの生産など。)各ULRの単位
化により、買手は必要に応じた技術へのアクセスが可能となります。

さらに、ULR契約はIPXIが運営する流通市場で取引することができ、
資源に変更が生じた場合には、買手に再販の機会を与えます。加え
て将来的には、革新的な技術系企業は、代替技術のオプション契約
を購入することにより、特許侵害リスクの露出や研究開発費のヘッ
ジをすることができるようになるでしょう。この市場は、IP取引の
多大なコストを排除する機会を提供し、革新を奨励、促進し、最終
的には景気拡大や雇用創出にも寄与します。

中小企業の成功には、効率的な技術移転と開かれた技術革新へのよ
り多くのアクセス手段が不可欠です。日本では、技術移転に関わる
中小企業は、そうでない企業に比べ収益力が高いとの調査結果があ
ります。(注11) 情報透明性、評価基準や品質規格は、研究開発の重
要な意思決定やIPライセンシングの取引をしようとする技術系大企
業にとり重要です。

IPXIは、さもなくば秘密的で非公開なIP及び技術の移転市場に、透
明性と効率を与えます。価格は、他の不明確な要素が価格設定の役
割を担う二者間交渉ではなく、公開市場の取引環境を通じ導かれま
す。価格発見及び無差別で統一された特許権利のオファリングは、
情報の非対称性を防ぎ、技術に真の市場価値を生み出します。これ
は従来の二者間IPライセンシングには、未だかつて無かったもので
す。

IPXIが米国事業のための資金調達を、フィリップスやシカゴ・オプ
ション取引所(CBOE)など戦略的投資家から、2011年12月に
完了して以来、多数のIP所有者が会員となりました。現在、その数
は45社にのぼり、様々な技術分野を代表する世界有数の革新的企
業、大学研究機関、国立研究所が含まれます。設立会員にはソニー
アメリカ、太陽誘電など20社が名を連ね、その多くがIPXIの発展
のために力を尽くしており、透明なIP所有権取引所に対する支持の
強さを示しています。


1)Landan Ansell、Ronen Arad、Mike Arnold、Chris Barry、Alex Johnson、
Alison Parent「2012 Patent Litigation Study(2012年特許訴訟調査)」
(プライスウォーターハウス、2012年)6頁
2)3)4)同、5頁
5)Steven M. Auvil、David A. Divine「American Intellectual Property Law
Association Report of the Economic Survey 2011(米国知的所有権法協会による
2011年経済調査報告書)」(アソシエーションリサーチ社、2011年)35頁
6)経済産業省中小企業庁「中小企業白書(2009年版):イノベーションと
人材で活路を開く」(中小企業庁調査室、2009年)、英語版 V頁
7)Patent Freedom(www.patentfreedom.com/about-npes/pursued/参照)
8)経済産業省中小企業庁「中小企業白書(2009年版)」(注6参照)
9)IPO「Top 300 Organizations Granted U.S. Patents 2011
(2011年米国特許取得上位300社)(www.ipo.org/AM/Template.cfm?Section=Top_300_Patent_Owners&template=/CM/ContentDisplay.cfm&ContentID=33430 参照)
10)Patent Freedom 2013(www.patentfreedom.com/about-npes/pursued/参照)
11)経済産業省中小企業庁「中小企業白書」(注6参照)109頁

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