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日本のエネルギーのいま:政策の視座

 こうした現状を前に、どのように政策を進めていくべきなのでしょうか。
ここでは、エネルギー政策を考える際に考慮すべきいくつかの視点を提供いたします。

視点1:「3つのE」と「一つの大きなS」

エネルギー政策は、3つの「E」(安定供給、経済効率性の向上、環境への適合)と1つの「S」(安全性)(=3E+S)を基本的な視点としています。この4つの視点をバランスよく実現しなければなりません。

(図表4-1)3つのEとS

“3E”(3つの“E”)「Energy Security : 安定供給」、「Economic Efficiency : 経済効率性の向上」、「Environment : 環境への適合」 “S”「Safety : 安全性」

視点2:電源ごとに異なる特性

電源ごとにそれぞれの特性があり、強みと弱みがあります。すべての面で完璧な電源は、残念ながらありません。

(図表4-2)電力需要に対応した電源構成

電力需要に対応した電源構成 時間ごとの発電量のグラフ。2010年度と2012年度比較。ベースロード電源は低コスト・出力一定、発電量の約40%。ミドル電源は中コスト・出力変動可能、発電量の約40%、ピーク電源は高コスト・出力変動容易、発電量の約18%、新エネルギーは約2%。

電源構成についての考え方

  • あらゆる面(安定供給、コスト、環境負荷、安全性)で優れたエネルギー源はない。
  • 電源構成については、エネルギー源ごとの特性を踏まえ、現実的かつバランスの取れた需給構造を構築する。
  • そのためのベストミックスの目標を出来る限り早く決定する。

(図表4-3)主要国の発電量と発電電力量に占める各電源の割合(2012年)

主要国の発電量と各電源の割合グラフ。日本は石炭30%、石油18%、ガス39%、水力7%、原子力2%、再生可能エネ5%、各国で割合は異なる

端数処理のため、割合の合計は100%にならない場合があります。
出典:IEA「Energy Balances of OECD Countries 2014」、「Energy Balances of Non-OECD Countries 2014」を基に作成

視点3:それぞれの国ごとに異なる電源構成

2014年4月11日、“3E+S”をバランスよく実現するための政策の方向性を示す、 「エネルギー基本計画」が策定されました。 ここで示された方針を着実に実行 していくことが重要です。

多層化・多様化した柔軟なエネルギー需給構造の構築のために

  • 各エネルギー源の強みが活き、弱みが補完される、強靱で、現実的かつ多層的な供給構造の実現
  • 制度改革を通じ、多様な主体が参加し、多様な選択肢が用意される、より柔軟かつ効率的なエネルギー需給構造の創出
  • 海外の情勢変化の影響を最小化するための国産エネルギー等の開発・導入の促進による自給率の改善
参考:各エネルギー源の位置づけ
再生可能エネルギー
(太陽光、風力、地熱、水力、バイオマス、バイオ燃料)
温室効果ガス排出のない有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源。
3年間、導入を最大限加速。その後も積極的に推進。
原子力 低炭素の準国産エネルギー源として、優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で 変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、エネル ギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源。
原発依存度については、省エネ・再エネの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減 させる。その方針の下で、我が国の今後のエネルギー制約を踏まえ、安定供給、コスト低減、技術・ 人材維持の観点から、確保していく規模を見極める。
石炭 安定性・経済性に優れた重要なベースロード電源として再評価されており、環境負荷を低減しつつ 活用していくエネルギー源。
天然ガス ミドル電源の中心的役割を担う、今後役割を拡大する重要なエネルギー源。
石油 運輸・民生部門を支える資源・原料として重要な役割を果たす一方、ピーク電源としても一定の機能 を担う、今後とも活用していく重要なエネルギー源。
LPガス ミドル電源として活用可能であり、平時のみならず緊急時にも貢献できる分散型のクリーンなガス体 のエネルギー源。
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