COP6(気候変動枠組条約第6回締約国会議)

評価と概要

 

平成12年11月25日

日本政府代表団

 

 

 蘭ハーグにて11月13日から開催されていたCOP6(気候変動枠組条約第6回締約国会議)は会期を1日延長して25日午後終了した(我が国政府代表団は川口環境庁長官を代表団長として、荒木外務省総括政務次官他が出席)。会議は中盤有意義な議論が行われたが合意に達せず、25日COP6は中断し、5月にボンで再開会合が行われる可能性が高い。

 

1.評価と概要

(1)今次会合は、京都議定書の早期発効を目指し、各国が京都議定書を締結可能とするべく、議定書の詳細について合意を得ることが目的であった。今次会合では、これまで行われてきた準備会合の結果を踏まえ、閣僚級の会合において未解決の問題について政治的解決を図る予定であった。

 

(2)プロンク議長は、閣僚会合を4つの小グループに分け議論の収斂を図ったが、先進国内及び途上国の間で各国の利害が複雑に錯綜し、合意形成は困難を極めた。

 

(3)我が国は今次会合の成功に向け、国際的な貢献を図るとの観点から、プロンク議長の求めに応じ、途上国支援問題に関する先進国間の会議を開催するとともに、川口長官は、最も対立点の多かった京都メカニズムの小グループの議長を担当し、その議事運営ぶりについては関係者から高い評価を受けた。

 

(4)今次会合においては合意することは出来なかったが、議論の途中において、各国の立場・考え方の背景がより一層明確化され、相互認識が深まるとともに、いくつかの事項で各国の意見が非常に近づいたことは、今後の交渉の進展に貢献すると考えられる。特にこれまで妥協が難しいとされてきた補足性等について共通の理解に近づく場面や、吸収源について一時我が国の主張に近い形で我が国の吸収量を確保するとともに米国の吸収量を大幅に制限することが可能な方向で意見が収斂に近づく場面もあったことや、アンブレラグループ(日、米、加、豪などの非EU先進国)が途上国への支援策についての具体的な提案を共通ポジションとして提示したことは、今後の交渉の進展に当たり、一つの土台となるものと考えられる。

 

(5)最終的には、今回会合で合意が得られず、来年5、6月に開催される可能性が高いCOP6再開会合に議論を持ち越す結果となったが、各締約国、各交渉グループのCOP6再開会合の成功に向けた一層の歩み寄りが必要であるとともに、議長の強力かつ合理的なアプローチが必要となろう。

 

2.各論

(1)吸収源

 今次会合では、吸収源の獲得クレジットの制限、自然影響と人為影響の分離が焦点となった。右事項に対する懸念から、吸収源の追加的活動の第一約束期間への適用に対して慎重な姿勢を崩さないEU、途上国と、クレジット制限を小さくして、幅広い活動を第一約束期間に適用することを主張する日米加との対立が続き、第一約束期間への適用を前提に、先進国間で妥協の可能性も探られたが、最終的には合意に至らなかった。

 

(2)途上国問題

 最大の焦点であった資金関連問題につき、アンブレラグループが案を提示したものの途上国から受け入れを拒否された。追加的資金の必要性についてはコンセンサスが得られたものの資金の目的、規模、運営主体等の詳細については全く合意に至っていない。キャパシティ・ビルディングや適応措置、GEFへの追加的ガイダンスに関しては、多くの点で合意に至ったものの、産油国対策や技術移転専門家グループ等の主要な論点に関する議論は平行線のままであった。

 

(3)京都メカニズム

 補足性、クリーン開発メカニズム(CDM)の対象事業の制限、CDM執行理事会の構成等が大きな争点となった。補足性(京都メカニズムの利用の制限)については、最終局面において先進国に歩み寄りの姿勢が見られたが、執行理事会の構成については、意見の収斂が見られなかった。CDMの対象事業については、制限を行わない方向で一定の方向性が出たが、原子力発電や吸収源事業の扱いについては合意していない。なお、CDMに関するODAの取り扱いについては、我が国の主張に沿って、追加的であればODAが利用できるとの文言がプロンク議長の文書に盛り込まれた。

 

(4)遵守制度

 遵守委員会、特に、議定書第3条1項の不遵守に対し結果を課すことを決定する執行部の委員構成が最大の焦点となった。議長案はこの点に関し、構成自体は地理的配分に基づき選出するとの、これまでのG77+中国の主張寄りの案(これによれば、途上国が多数を占める)となっていたところ、我が国を含む複数の附属書I国が受け入れ得ないとした。

 

3.COP6再開会合

 COP6再開会合は、2001年5,6月に行われる可能性が高い。

 

 

(了)