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事例ピックアップ
デザイン作業のデータベース化により生産期間の短縮に成功 〜アンドール株式会社〜

  • デザインをデータ化し蓄積することでデザイナーの業務時間を大幅に圧縮
  • パターンの蓄積によりキャリアの浅いデザイナーも即戦力としての起用が可能

プロフィール

アンドール株式会社
企業情報
  • 企業名 : アンドール株式会社
  • 所在地 : 兵庫県西宮市六湛寺町12−10 サングリーンビル3F
  • 資本金 : 1,000万円
  • 従業員数 : 10人
業種

衣料用下着及び関連商品の企画・販売

導入目的

業務効率化、工期短縮・スピード経営

企業概要

アンドール株式会社は、婦人下着の企画・販売を業務としています。自社でデザイン、パターン作成、生産管理、品質管理まで一貫しているのが強みです。
現在は製品の100%を中国で生産しており、大連に現地事務所を所有しています。現場での品質管理を行い、不良品輸出を抑制するとともに、中国での情報収集にもフットワークよく取り組んでいます。

導入の背景と目的

デザインの業務は依然として大部分がアナログ作業であり、多くのデザイナーには手書きの習慣があります。しかし、手書きによるデザインでは、個人ごとに品質や表現方法のばらつきが生じ、製造など下流工程での効率化が図れません。また、使用する素材や部品も多岐にわたるため、アナログ作業での対応は限界に達しています。
一方、消費者ニーズは多様化し、春夏物、秋冬物と、年間2回の供給から、春夏、夏、秋冬、冬と、季節ごと年4回の供給になっています。季節ごとの商品の生産が重なることで業務プロセスは一層煩雑になり、ミスの発生を招くことにもなります。

当社における最も大きな課題は、市場ニーズである小ロット・多品種への対応です。競争に勝ち抜くためには迅速な対応が重要で、当社の経営目標となっています。
手書きによるデザイン作業では、製品品質の向上や短納期化、コスト削減に限界があります。デザイナーが一度作成したデータや、一度使ったパーツデータの蓄積ができていないため、再利用ができず、新しい業務のたびに企画書を一から作成しなければなりません。また、企画書や生産指示書なども手作業で作成しているため、書き直しに時間を要したり、伝達ミスや勘違いなど、生産部門との行き違いも起きています。
季節ごとの企画・生産に対応するなかで、必要な情報をすぐに取り出せない、季節ごとの生産計画も立てられない、などの問題も発生します。
一方、デザイナーは事務処理的な作業に追われ、残業も多いため、本来の業務である新しいデザインの研究や品質のよいデザイン作りなどに専念できず、創造性の発揮ができていませんでした。

IT化の概要

デザインのデータベース化による業務効率化

上流工程であるデザインの企画段階からにデータベース化に取り組みました。「デザイン企画書」などの元になっている「デザイン画」「パーツ画」などもデータとして管理。これにより「資材一覧表」「商品構成表」を自動作成し、下流工程である製造部門で必要な「資材企画書」や「見積書」「ネーム規格書」を、円滑かつ正確にアウトプットすることができます。生産工程が短くなるので前の季節の製品と生産が重なる機会が減り、トラブルの解消や生産性の向上にもつながります。さらにデザイナーから生産部門まで情報共有がなされると、売上データの管理や伝票出力も早く円滑になります。(図1)

デザインのデータベース化による業務効率化

図1

ノウハウの蓄積・伝承と新製品開発への取り組み

デザイナーやパターンナーなど主要な部門が効率化されるので、新しい流行の把握や新製品開発の研究時間が確保されています。また、企画デザインがデジタル化され、かつデータベース化・パターン化されているので、配属されたばかりの新入社員でも、一定レベルの製品であれば、即戦力としてデザイン企画が可能になります。

導入効果

デザイナーチームの一人あたり平均残業時間が、月間40時間から10時間に短縮できました。時間的余裕が生まれたことの派生効果として、新規顧客との取引にも成功しています。従来は通販2社からの売上が100%でしたが、取引先が増えたことで全体の50%となりました。
1品番あたりのファーストサンプル作成に際して、工場への依頼書作成時間は、7時間から10分に短縮。また、部品をパターン登録しているので、熟練していないデザイナーでも一定レベルのデザインを短時間で描けるようになりました。実際に操作をさせてみたところ、難易度の高いデザインを35分で完成しています。
また、紙ベースで行っていた見積作業について、必要な情報をデジタル化したことで、作業時間が2時間から15分に短縮しました。
今回のIT導入によって、残業時間の短縮やエラー、ミスの削減が実現したため、社員全員に余裕が生まれ、モチベーションが向上しています。デザイナーは新しい企画の実現に取り組み、生産部門においてもエラーが削減でき、ストレスの軽減につながっています。

今後の課題と展望

かねてからの課題である自社ブランド構築に着手し、すでにネットショップを開設しYahoo!モールで展開中です。このブランドを集客ツールとして、今回開発した絵型によるデータベースを活用していく考えです。消費者がセミオーダー感覚で商品を選べるシステムに展開するべく、すでに準備段階に入っています。さらに日本製品の評価が高い中国など、海外へ販路開拓を進めます。前段階として自社ブランド名を中国で商標登録申請中です。

IT経営推進を支援した方々

ITコーディネータ 森下 勉(0006132001C)
システムベンダー オフィストゥルー有限会社  大阪府大阪市[tel:06-4799-9188]