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  • 業既存事業の転換・新規事業進出
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事例ピックアップ
Web販売システムの構築で、小ロット・短納期の直販事業にシフト 〜三元ラセン管工業株式会社〜

  • WebFAQやブログの充実で、ネット販売の受注件数と売上が大幅アップ
  • 販売管理システムや文書管理システムを活用して社内のノウハウを共有化
  • CADデータの活用により、設計変更などへの迅速対応が可能に

プロフィール

三元ラセン管工業株式会社
企業情報
  • 企業名 : 三元ラセン管工業株式会社
  • 所在地 : 大阪府大阪市城東区永田1丁目2番37号
  • 資本金 : 1,000万円
  • 従業員数 : 28人
業種

金属製品製造業

導入目的

業務効率化、既存事業の転換・新規事業進出

企業概要

三元ラセン管工業株式会社は、水道やガス用のチューブや蛇腹状パイプなど、ベローズとフレキシブルチューブ(フレキシブルホース)の設計・製造を行っているメーカーです。チタンなどの特殊素材を使った継手部分の開発にも取り組み、原子力や宇宙開発の関連施設にも販売を拡大しています。 規格品の大量生産ではなく、すべて受注生産による、多品種・小ロットのきめ細かい要求に対応。短納期に対応するため、資格認定制度を整備して多種の資格を有する多能工を養成し、お客様からの多様な要求に対応できるよう、新素材のベローズ開発チームを編成して日々研究を行っています。

導入の背景と目的

三元ラセン管工業は、1978年の設立以来、フレキシブルチューブを中心とした量産品の製造を事業の柱としてきました。しかし、1996年頃から、後発メーカーとの激しい価格競争に見舞われたり、中国からの輸入が増加するなどして、売上が低迷します。そこで、1999年から中長期的な経営戦略とアクションを実施することにしました。

まず、量産品から小ロット・短納期へスタイルチェンジするために、伸縮性・機密性・バネ性を持つ金属の伸縮管のベローズを開発。業務転換にあたり、製品の研究開発から生産体制、人材育成、社内マネジメントに至るまですべてを刷新しました。また、小ロット・短納期に対応するために、ISOに則った業務運用の実現を図ります。 新製品を広くアピールするために、営業スタッフを極力使わずに全国に販売網を拡大可能なインターネット販売の仕組み作りを目指し、新たなシステムの構築に着手します。

IT化の概要

単なるホームページからネット販売サイトへ変身

2001年にホームページを開設。2004年に全面リニューアルを実施し、製品情報、用語解説、新製品情報などのページを追加しました。さらに、顧客からの問い合わせを蓄積したFAQページの充実を図り、ホームページを見ただけで注文が出せるネット販売のシステムを序々に構築していきます。

2005年には社長のブログと社員の社内認定ブログを2つずつ立ち上げ、毎日の更新を義務付けました。また、新製品の開発情報や展示会の出展情報など、生の声を積極的にお客様に届ける努力も怠りません。その結果、関連キーワードでの検索では常に上位にランクされるようになり、ブログからホームページへとスムーズな誘導が実現しています。(図1)

単なるホームページからネット販売サイトへ変身

図1

販売管理システムや文書管理システムで情報共有

ISO9001で整備した新しい業務プロセスを実現するため、販売管理システムを外部委託で構築。見積・受注から製作管理、発送、売上までの一貫した業務運用を実現しています。
営業会議や営業、製造、設計との納期管理の打ち合わせにおいても、受注管理情報や在庫管理情報を元にした情報共有ができるため、業務の効率化に大きく貢献しています。

すべての書類は、販売管理システムや文書管理システムでデータ化されているため、CAD図面、見積書類、製造管理、検査成績書などの書類がいつでも活用でき、お客様からの問い合わせに対しても瞬時に対応が可能です。

導入効果

Webからの問い合わせは、ホームページを全面リニューアルした翌年の2005年度から月に100件前後を記録。新規顧客からの注文は月に10〜15件、受注件数は月に40件前後と、導入後から安定した実績を維持しています。ネット販売の売上は、2005年が2500万円、2006年が5500万円、2007年が9000万と、ほぼ倍増のペースで伸びており、リピート率は約3分の2を達成。ネット販売はエンドユーザーとの直接取引のため、間接コストがかからず、経常利益の大幅な伸びに貢献しています。

ISO9001に基づいて行っている顧客満足度調査では、2006年度に全81社で平均78.9点を記録。見積、受注、照会などへの対応についても高い満足度を得ていることがわかりました。

今後の課題と展望

販売管理データや文書データは、外付けディスクに毎日自動でバックアップを取得しているのみです。ディザスターリカバリーや事業継続の観点から鑑みると、今後は大阪本社以外の遠隔地にバックアップデータを保存していく必要があると考えています。

顧客からの問い合わせにおいて、協力会社からの回答が遅くなる傾向が見られるようです。そこで、協力会社と情報を共有化し、レスポンスの時間を短縮することが求められています。また、海外からの問い合わせメールには現時点で応じていないので、今後は海外からの受注に対しても取り組むことを検討しています。