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  • 管理水準向上
  • 工期短縮・スピード経営
  • サービス業

事例ピックアップ
2万人のSOHOを活用したアウトソーシング業務において、見積から請求までの流れを一元化 〜株式会社オフィスエム〜

  • 受注→見積→進行管理→請求までの流れをWebシステムで一元管理。全工程の「見える化」で経営のスピードアップを実現
  • 担当者個々のスキルに依存していた顧客対応をデータベース化。誰でも均質な応対ができる体制に変更
  • スタッフの成果をランク付けし、データベースに蓄積することで、プロジェクトに適した優秀な人材を素早くピックアップ

プロフィール

株式会社オフィスエム
企業情報
  • 企業名 : 株式会社オフィスエム
  • 所在地 : 東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー16階
  • 資本金 : 1,000万円
  • 従業員数 : 7人
業種

その他の事業サービス業(在宅勤務者によるオフィスワークのトータル・アウトソーシング)

導入目的

工期短縮・スピード経営、管理水準向上

企業概要

株式会社オフィスエムは、全国のSOHO・フリーランス2万人をネットワーク化することで、情報処理、デザイン、オフィスワークなどの業務を請け負っています。Webデザイン、システム開発、DTPデザイン、翻訳、テクニカルライティング、データ入力、市場調査、経理代行、マーケティング営業支援など、多種多様な業務に対応。随時登録者を募り、プロジェクト形式で業務を進行します。企業理念は、場所や時間にとらわれず、性別・年齢を超えた人々が1つのプロジェクトに関わり、仕上げる体制を作ること。ネットワークは海外にも拡大中で、メンバーはミャンマーや中国、アメリカでも活動しています。

導入の背景と目的

全国2万人のSOHOメンバーからプロジェクトごとにメンバーを募ってチームを結成し、ネットワークを活用しながら業務を進めるワークスタイル上、フェイスtoフェイスのコミュニケーションは不足しがちになります。普段のやり取りはメールが主ですが、膨大な量のメールの中から必要な回答を探し出すのは容易な作業ではなく、作業効率の低下は避けられません。

本部ではスタッフ個々の成果(評価)を正確に把握しておく必要があります。しかし、必要な情報は担当リーダーが把握しているに過ぎず、社内全体で共有化ができませんでした。

これらのことから、以下6つの課題をピックアップします。

(1)  離れたメンバーが共同で作業を進めるために、スタッフ間のコミュニケーションが取りにくい。
(2)  大量のメールから必要な情報を素早く検索することができない。
(3)  クライアントからの問い合わせには経理スタッフが担当。しかし、回答方法は経理担当個々で異なり、そのノウハウが共有化されていない。そのため担当者でなければ回答ができず、クレームにつながる。
(4)  小さなプロジェクトが多いうえに、大人数が関わるため、業務の処理に時間がかかる。
(5)  専門知識を持ったメンバーは多くいるものの、営業的な機能は小さい。
(6)  プロジェクトに関わったスタッフの評価を共有していないために、優秀な人材を素早く確保できない。

これらの課題を解決するためにIT化を推進することにしました。

IT化の概要

予算の都合から、上記の課題(4)を除いた5つの課題を解決することを先決にIT化を進めました。

Webシステムで業務プロセスを一元化

IT経営実践以前は、問い合わせに対する回答、顧客名簿の作成・管理、会員(スタッフ)名簿の作成・管理、見積書の作成・管理、発注、請求書の作成、報告書の作成、進行管理の業務はすべて別々のシステムで管理していました。そのため、それぞれの作業が担当者個人に依存し、システムで連携も取れないために業務の流れが滞ってしまいます。

そこで、受注→見積→進行管理→請求までの流れをWebシステムに入力して一元管理することで、「情報の見える化」を図りました。
今まで担当者ごとに異なっていたクライアントへの対応方法は、データベースに登録し、他のスタッフが見ても対応できるようにしています。

また、中小企業のシステム開発やITに関する悩みの情報をシステム上に集約してマーケティングを実行し、必要なスキルを持つスタッフを素早く検索して提供できる体制を用意しました。
スタッフの成果はランク付けし、データベースに蓄積することで、プロジェクトに適した優秀な人材を素早く発掘できる仕組みを構築しています。

システムは、ファイルメーカーを自社の業務に合わせてカスタマイズし、サーバーは自社に置いてあった中古ノートパソコンを利用しました。
導入直後は、システムがメンバーに定着せず、活用がなかなか広がりませんでしたが、過去1年分のデータを外注で入力し、現場の作業負担を減らしたところ、徐々に利用者が増え、口コミによって利用が拡大していきました。(図1)

Webシステムで業務プロセスを一元化

図1

Webカメラとスカイプの導入

分散しているスタッフ間のコミュニケーションを高めるために、Webカメラとスカイプを導入。同時に3〜4人がTV会議でコミュニケーションが取れる体制を構築しています。

導入効果

請求書の発送にかかる日数は、従来の3日から1日に短縮。見積書の発送遅れによるクレームも、10件に1件の割合から、30件に1件の割合に減りました。クライアントからの問い合わせに返答する時間は、従来の約6時間から10分程度へと、大幅な短縮に成功しています。

今までは業務量が多いために経理担当者が頻繁に交代していましたが、システム導入で作業量の軽減を図った結果、業務の継続性維持が図れるようになりました。

また、個別の案件内容をシステムに保存し、スタッフの誰でも提案ができる体制を構築したため、問い合わせに対する返答スピードが向上し、クライアントからは高い評価を受けています。さらに、業務が可視化によって、各プロセス間における確認作業が減り、経営のスピード化が実現しました。

今後の課題と展望

残された課題は、セキュリティを重視しながら、システムへのアクセスレベルを制限するシステムを構築することです。現在は、社内にいるスタッフだけが権限に応じてアクセスできる体制ですが、将来は登録している2万人のメンバーが利用できるシステムを作りたいと考えています。また、クライアントにも統合システムを利用して発注いただける体制作りを目指す予定です。
しかし、ファイルメーカーをカスタマイズした現状のシステムでは、利用者のアクセス制限が設定できず、また、良好なレスポンスも期待できないため、PHPを使った新システムへの切り替えを検討しています。