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  • 卸売業

事例ピックアップ
メールでの発注対応から業務改革へ進展。売上の大幅増大へ
〜株式会社 十一屋ボルト〜


  • 専門家派遣制度を活用し、専門家の指導のもと自社でソフト作成
  • 看板納入ができる新しい営業納入システム
  • 社員の意欲で改善、モチベーションが上がり営業力もアップ

プロフィール

写真
企業情報
  • 企業名 : 株式会社 十一屋ボルト
  • 所在地 : 宮城県仙台市宮城野区扇町7-1-17
  • 資本金 : 1,000万円
  • 従業員数 : 14人
  • URLhttp://www.juuichiya.jp/
業種

金物卸売業(ボルト、ネジ類、作業工具類)

導入目的

電子発注システムへの対応、業務スピード・業務の見える化

企業概要

十一屋ボルトは、ボルト、ネジの専門店として、宮城県仙台市・石巻市、青森県八戸市で営業しており、東北でも有数の在庫豊富な店舗です。土木、建築、機械、自動車から特注品まで各種用途に応じたボルトを幅広く取り扱っています。倉庫機能、対面販売型店舗、情報提供HPをあわせ持ち、また、看板方式に対処できる地場企業のボルト販売店であることも大きな特徴です。

導入の目的と背景

取引を開始したA社は大手企業で業務がすべてIT化され、業務量、スピード、正確さにおいて同社の想像を超えていました。営業業務はすべてメールで行われたが、同社のPC仕様ではA社のシステム接続基準を満たすことができず、電子的業務データ授受に対処できませんでした。見積、注文の帳票様式は1品1様で伝票単価が低く、点数が膨大で納期が短く、見積りの遅れがそのまま納期に影響しました、結果、納期遅延、品揃えミスで納入成績不良となり、取引休止処分(平成21年4〜9月)と改善命令を受けてしまいました。この状況のままでは他社からも受注ができないと感じ、新しいシステムを構築することとなりました。

IT化の概要

□自社作成で社員のITリテラシーを向上
専門家派遣制度を活用しIT専門家の指導を受け、自社でソフトを作成しました。具体的にはエクセルを利用し、「見積回答システム」の作成。注文書のバーコードを利用した「売上、粗利管理システム」の作成、受注データベースを活用した特注品の「仕入れ管理システム」の作成です。女子社員への能力開発としてエクセル研修を受講させ、売価、原価データベースを作成しました(約15000点)。

□ISO準拠へ業務改革
ISO9000に準じた社内規定を定め、見積業務、品揃え業務、不適合対策、フローチャートを実行しました。さらに、倉庫レイアウトを「在庫保管型」から「コンベア活用流れ型」に改革し、効率化を図りました。

IT経営推進における取組み

□公的支援で継続的に指導を受ける
同社は当初、取引先A社との見積業務の改善方法について全く見当がつかない状態でしたが、宮城県中小企業団体中央会に相談し、専門家派遣の助成制度で講師の先生を紹介されました。今後のA社のITの方向性や注文伝票の重点ポイント、同社が求められている事項を検討し、社内の業務システムやPCシステムおよび業務のフロー等の指導を受けました。
□必ず実現するという執念
経営者自らが作業場の改善、伝票処理、見積業務、不適合報告書等に関与しました。システム設計のフェーズでは専門家にすべてを任せるのではなく、システム化すべき領域の切り分け業務フローの改善指示などを経営者が陣頭に立って行いました。社員の改善への意欲が非常に強かったことも影響しました。必ず実現するという執念が公的機関の援助に結びつき、達成することができました。

導入効果

□売上金額増大
以下複合的な改善により、売上金額が増大しました。
導入前の売上金額は月間370万円(伝票枚数3100枚、伝票単価1,100円)となっていましたが、導入後のピーク時の売上金額は月間10,600万円(伝票枚数5050枚、伝票単価2,050円)を成し遂げることができました。
□経営管理の効率化
一覧性のデータベースを構築し、品種別受注数量が可視化され、納期管理、在庫管理が可能となりました。売上粗利計算が可能となる検収書をバーコードで読み取る「売上管理システム」で正確な数字が掴めるようになり月別受注残金額が明確になりました。見積業務をベテラン社員からパート社員に移行できベテラン社員は本来の営業活動に専念できるようになりました。
□社員のモチベーションの向上
社員は自社による独自のシステムを構築したことに誇りを持ち、営業の強力なパワーとなり、同業界に積極的な営業を展開することになりました。なおかつ解決すべき問題点を積極的に具申するようにもなりました。
□今後の展開
製作品の見積、実績管理システムを作ることにより、全社的に応用できるシステムになります。同社の石巻営業所は東日本大震災津波により営業情報をすべて喪失しました。今後このシステムにより、各種データを紙と電子データで保存すれば、BCP対策にもなるとしています。

IT経営推進を支援した方々

宮城県中小企業団体中央会
中小企業診断士 清野 浩司
(公財)みやぎ産業振興機構
(公財)仙台市産業振興事業団