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ITガバナンス

ITガバナンスの全体像

深く広範なテーマ「ガバナンスとは」

ITガバナンスは、コーポレート・ガバナンス (企業統治) から派生した概念です。コーポレート・ガバナンスに関する議論では、「誰が誰を統治するのか」「誰の利益を守るのか」「誰が意思決定し、誰が執行し、誰が監査するのか」「誰が誰に対して説明責任を果たすのか」といった疑問文の「誰」の部分に、株主、取締役会、執行役員、監査役会など様々な利害関係者を、どう当てはめるかが、たびたび争点となってきました。では、この議論を企業のITガバナンスに当てはめると、どうなるのでしょうか。
簡単に答えを出せるものばかりでないことがお分かりになるでしょう。世の中には、ITガバナンスを「IT部門の復権を狙ったスローガン」と位置付ける向きもあるようですが、そのような安易な取り組みは、かえって自分たちの首を絞めることになりかねません。

ITガバナンス確立に向けた具体的な取り組みを始める前に、まずはこの「誰」という問題と真剣に向き合ってみると良いでしょう。そうすると、ITガバナンスという概念がいかに大きく深いテーマであるかが理解できるはずです。実際、これらの「誰」に、組織や人を明確に当てはめて説明できる企業は、そう多くないのが現状です。

ガバナンスとは?

ITガバナンスの定義

ひとくちにITガバナンスといっても、明確な定義が確立していないため、人によってさまざまな解釈がなされています。ここでは

「企業が、ITに関する企画・導入・運営および活用を行うにあたって、すべての活動、成果および関係者を適正に統制し、目指すべき姿へと導くための仕組みを組織に組み込むこと、または、組み込まれた状態」

と定義してみます。ポイントは、文中に含まれる2つの動詞「統制し」と「導く」です。これは、IT戦略におけるCIOおよびIT部門の統制力と統率力が問われることを意味しています。一般にガバナンスという言葉は、上意下達で統治・管理するという意味にとらえられがちですが、ここでいうガバナンスが統治のみに留まらないことに注意して下さい。

ITガバナンスの定義

もちろん、無秩序な情報システムと無統治なIT運営が企業の競争力を低下させ、多様な利害関係者の利益を損なうことは間違いありません。そのため、企業にとってITガバナンスが、適切な統制と統率を実現するうえで非常に重要なテーマであることは論を待ちません。
しかし、ITガバナンスは、IT部門が何かルールを作ってそれをユーザーに守らせるという単純なことではありません。ITガバナンスを軽視すると、柔軟性、適応力、ビジネスとの親和性に齟齬が生じるなど、やがて深刻な問題に直面することになるでしょう。
ITガバナンスは、誰かが声高に叫んで旗を振れば実現できるものではなく、すべての関係者がその本質をきちんと理解し、一体となって推進しなければならない、ということを忘れてはいけないのです。

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