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ITガバナンスとITマネジメントITガバナンスとITマネジメントの関係IT ガバナンスと類似した言葉にITマネジメントがあります。ここではまず、ITマネジメントとITガバナンスの関係を整理してみましょう。 ITマネジメントも、ITガバナンス同様、ITに関する企画・導入・運営および活用を適正に行うためのもので、互いに共通する部分は多々あります。ただし、ITマネジメントはIT部門に閉じた内部管理的な性質が強いのに対し、ITガバナンスは、経営者やユーザーなど他部門に向かう対外的な性質が強い点が異なります。また、日々のシステム運用やオペレーション業務はITマネジメントの中心となる業務ですが、ITガバナンスには一般的に含まれません。 ![]() つまり、ITガバナンスは、ITマネジメントに関わる方針や基準を明確にし、それを経営者やユーザーに浸透させることに重点が置かれており、ITマネジメントは、日々の運営や活動の管理に重点が置かれているのです。 一般にガバナンスには、「所有と管理」や「監査と管理」をそれぞれ明確に区別することが重要であるという考え方が存在しています。しかし、IT部門の取り組みとして考える場合、ITガバナンスとITマネジメントは互いに強い連携をもつものとして扱う方が現実的と言えるでしょう。 ITガバナンスとITマネジメントの確立順序取り組みの順序という観点から、ITマネジメントとITガバナンスの関係を見てみましょう。IT部門が自部門に与えられた役割を確実に遂行することがITガバナンスの第一歩と考えると、初めに手を着けるべきはITマネジメント体制の確立になるでしょう。社内システムを預かるIT部門の基本的なミッションとして、個々のプロジェクトやシステム運用業務を確実に遂行することが出発点となるのです。 ![]() その上で、IT部門組織、ITアーキテクチャ、IT投資などを全社的な整合性を考慮しながら、適切に運営管理していくことが求められます。ここまでがITマネジメントの領域といえるでしょう。 そして、前述の自己評価機能によってIT部門の活動および成果を客観的に評価し、継続的な改善のサイクルを回していくことが求められます。さらに、マーケティング機能により経営者やユーザーとの関係を強化していくことで、最終的には、統制力と統率力を身につけることが可能になると考えられています。 ITマネジメントの要素最後に、この章ではITマネジメントについて整理しておきましょう。ITマネジメントもITガバナンスと同様、多くのIT部門にとって重要なテーマであると同時に、非常に幅広い概念です。 システム運用管理や開発プロジェクトの管理は、日々の業務の中で遂行されており、それぞれの業務ごとに管理プロセス強化や改善が継続的に取り組まれています。一方で、ITマネジメントを大局的な視点から体系化している企業は少ないのが現状です。自社ITマネジメントの問題点や優位点を的確に把握しているIT部門は決して多くはありません。その結果、ITマネジメントのどの部分が成熟していて、どの部分が未成熟なのか、そして、今後どのような点を強化しなければならないかが分からないまま、部分的な改善が積み重ねられる傾向にあります。 ITマネジメントの分類には、いくつかの定義がありますが、ここでは一例として9つのマネジメント・ドメインに整理してみます。 ![]() 企業は、自社で分類したITマネジメントのドメインごとに、ITマネジメントの成熟度や弱点を把握し、全体的な強化に取り組むことが求められます。 ITマネジメント・モデル前述したITマネジメントを体系的に整理すると、図のようにモデル化することができます。 ![]() まず、起点となるのがIT戦略マネジメントで、ビジネスとITの連携、IT戦略やIT基本計画の立案・実行のプロセスなどはここに含まれます。そして、IT戦略マネジメントと直接結びつくのが、IT投資マネジメント、IT組織マネジメント、ITリスク・マネジメントおよびITアーキテクチャ・マネジメントです。近年、システム全体を設計する方法論として、エンタープライズ・アーキテクチャ (EA) が注目されていましたが、EAはITマネジメント全体をカバーするものではなく、主に情報システムの調達や構築のプロセスに深い関わりをもつものと位置付けられます。さらに、その下層に位置付けられ、日常的な活動を含むドメインとして、ITサービス・マネジメント、ITプロジェクト・マネジメント、ITソーシング・マネジメント、ITユーザー・マネジメントがあります。これら9つのマネジメント・ドメインは、相互に関係性をもっているため、全体的な管理レベルの向上にあたっては、まず、それぞれのドメインのなかで、自己完結型のPDCAサイクルを回していくことが第一歩となります。 |
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