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プロフィール ![]()
製造販売(ダンボール) 業務効率化・生産性向上 企業概要 アースダンボールは、Web販売を中心に、フルオーダーメイド、セミオーダーメイド、既製品ダンボールや、パッケージ・梱包資材の製造・販売を行う企業です。Webサイトを窓口とした手軽なオーダーシステムにより、大口顧客のみならず一般顧客や小規模事業者にまで販路を広げた販売方法を確立しています。オーダーメイドの必要性が高い商品特性を逆手に取り、顧客の細かい要望に応えるため1箱からの製造・販売に対応し、既製品も約200種類を即日発送可能な体制に整えるなど、業界の常識を覆すサービスを強みにしています。 |
ダンボール業界では、主たる顧客層である製造業の海外進出や国内企業の減少などによって顧客の奪い合いが激しさを増す一方、原価を度外視した価格競争、製紙業界の寡占化による原材料費の値上がりなど、売上が低下し、利益率が悪化の一途を辿っているのが現状です。正確な原価把握とコスト競争力、および製造業に代わる新しい顧客開拓が、同社にとっての大きな経営課題でした。
そのような中、試験的に開設したWebサイトがきっかけとなり、小規模事業者向けの通信販売用ダンボールの需要が大きいことが明らかになりました。そこで同社では、受注業務効率化のための見積方法標準化や、正確な個別原価計算によるコスト削減と利益確保の実現を目指して、「個別原価計算システム」の構築を計画。また、初めて梱包箱の製作を依頼する顧客を想定してWebサイトをリニューアルし、デザインはもちろん、商品構成の明確化と企業ブランド価値の強化を目指しました。
同社は、個別原価計算システムの構築にあたり、Webサイトからの受注を考慮し、受注から納品までの進捗管理、送り状発行、入金処理まで一気通貫で対応できるシステムを構想。また、マネジメント高度化に向け、個別原価計算に見積書発行機能と原価シミュレーション機能を加えました。さらに、この個別原価計算システムをWebサイトの自動見積システムと連動させると同時に、箱の自動強度シミュレーション機能を付加したことで、ダンボール作成に不慣れな個人客への対応力を向上させることを実現しました。
同社は、過去に受注した700点のセミオーダー製品の「抜き型」をすべて10年間無料で保管する一方、Webサイトに「型」情報を公開し、他の顧客も抜き型を共用することを可能にしました。そうすることで、高額な抜き型代が不要となり、新規顧客の初期投資を軽減することが可能になりました。
さらに、顧客からのオーダーメイド実績やノウハウと同社がオーダーメイド対応に向けて用意した工程管理などの情報をWebで公開することにより、双方向でのノウハウ蓄積と顧客需要への素早い対応が可能になっています。
その結果、1枚からでも低価格で製作できる機械を導入し、その原価計算をもとに小ロット・低価格の自動見積をフィードバックすることが可能になったり、特色指定インクをWebサイトで公開し、標準インクとして使えるようにするサービスなど、新たなビジネスモデルが構築されています。
同社は、経営トップが率先してIT研究会へ参加するなど、「ITの徹底した活用によって現状を打破する」という信念のもと、社内のIT改革を進めました。
個別原価計算システムの自動見積など、現場の実データを元にした原価計算ロジックや、Web戦略については経営トップが自ら企画しました。また、ITシステム長と協力して業務プロセスの再構築と標準化を推進。製作についてはITシステム長を含む社内SEと外注への業務委託によって実現しています。また、業務の効率化や運営については、社内SEと業務部とが連携し、効率的なシステムを構築・運営を目指しています。
Webサイトからの注文メールを社内サーバに取り込み、顧客注文へのフォローや進捗管理、伝票発行、入金管理まで一元管理できるシステムなどはその一例です。
従来、売上と請求書の発行機能に限られていたシステムでしたが、個別原価計算システムの導入により、財務・原価管理、顧客管理が可能になりました(図1)。また、ビジネス上の変化として、減少する一般顧客と入れ替わりに、小規模事業者からの受注が増大し、リピート顧客数の伸びも200%を超えるに至っています。Web販売の売上増加はこの5年間で300%以上となり、売上全体のおよそ50%に貢献するまで成長しています。 |
図1 |
アースダンボールでは、経営トップ以下全社が一丸となってIT経営に取り組んだ結果、確実に業績を伸ばす方向にあります。しかし、改革はそれに止まらず、現在は新たな3つの課題に取り組んでいます。
1つは、受注体制のさらなる拡充です。あらゆる顧客に対して希望のロット数に応じ、最適なコストでより迅速に製品を提供するためのシステムや、製造内容によって内製が困難なものについては、外部委託を自動的に行うシステムの構築により、顧客の要望に幅広く対応できる体制を目指します。
2つ目は、見積精度の向上によるコスト削減の実現です。Web販売での競争激化や原材料費・輸送コストの高騰が確実視される中、原価の正確な把握による限界コストの見極めによって、戦略的な価格設定でも最終的に利益を確保できる見積精度を高めていきます。
そして3つ目は、既存の仕入れシステムの自動化です。
これら3つの新たな課題に対して同社は着実に取り組んでいく予定です。