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製造業(各種機械用ジャバラの製造販売)

事例ピックアップ
ITインフラ整備と新システム導入で業務プロセスを再構築 業務効率化を実現 〜日本ジャバラ工業株式会社〜

  • WAN/LANなどのネットワーク・インフラ整備とERPなどの導入で、業務プロセスを再構築。業務効率化を実現
  • 社内Webサイト、グループウェアなどコミュニケーション・インフラを整備し、全社レベルでの情報共有を実現
  • 社員の経歴情報をデータベース化し、評価・教育などに活用

プロフィール

写真 日本ジャバラ工業
中小企業IT経営力大賞 全国中小企業団体中央会会長賞
企業情報
  • 企業名 : 日本ジャバラ工業株式会社
  • 所在地 : 兵庫県神戸市兵庫区水木通9−1−16
  • 資本金 : 4,000万円
  • 従業員数 : 113人
業種

製造業(各種機械用ジャバラの製造販売)

導入目的

情報・ナレッジ共有

企業概要

日本ジャバラ工業株式会社は、日本で最初にジャバラを製造した業界トップメーカーです。すべての製品は、用途、材質、設置場所に合わせた完全受注生産で製造され、ジャバラという枠を越え伸縮防送(伸びる、縮む、防ぐ、送る)機能に専門特化した製品を提供しています。日本ジャバラ工業の経営理念は、「伸縮防送の新しい可能性を開拓することにより、社会に貢献し、社業の発展と社員個々の人格の向上を目指し、真の幸福を追求する」ことであり、この理念のもと、現状に満足することなくさらなる品質、サービスの向上を図っています。

導入の背景と目的

ジャバラ業界においても、国内産業の空洞化、価格破壊による競争の激化、デフレの進行及び国際市場での競争にさらされており、景気に強く影響を受ける体質から脱却し、好不況の影響を受けにくい強い企業体質を作ることが課題となっています。

完全受注生産による「受」体質が組織には染み付いており、「攻」の姿勢での活動が弱いため組織力を十分に活かせていませんでした。組織力を高める仕組みづくりのためにTQM(Total Quality Management)、ISOをはじめ経営品質の継続的改善の制度を取り入れましたが、すぐには効果が出ませんでした。結果的に、一部の限られた社員に情報や業務が集中し、各セクションの非効率な動きが目立ちました。工場では人員が急速に増えたため、有機的な組織活動による業務効率向上が必要となり、広く情報を共有し各セクションが自発的に問題解決する仕組みをシステム化で実現することが必要になりました。また、次代を担う人材や自立型社員を育成し、組織全体活動の底上げすることも求められていました。

IT化の概要

マネジメントの高度化

毎年、社長と全社員が手作りで事業発展計画書を作成しています。各セクションに支給されたPCを利用し経営計画書の作成、TQM方針書、月次業務実績表、個人目標管理によるPDCAサイクルの向上、品質マネジメント(ISO9001)活動による継続的改善に取り組んでいます。

業務プロセスの再構築

WAN/LANの構築、基幹システムの更新、クライアント・サーバシステムの導入、ERP、2D/3D-CADシステム導入、ワークフローの見直し、主要顧客とのEDIによるダイレクト受注管理を実現しています。さらに、情報の一元管理とデータベースの活用、販売、生産計数管理、顧客情報の収集を行い、分析した情報から新製品や新サービス企画への活用を行っています。

全社レベルの情報共有およびノウハウの蓄積と伝承

社内Webサイト、グループウェアの活用により、情報共有を実現しました。また、社員に光をあてる活動(社内報、社員紹介、KFP)を通じた職場環境の改善、社員満足度向上を実現しています。また、各製造ラインにおける作業マニュアル、手順書の作成と継続的改訂により、ノウハウ、特殊工程の見える化も行っています。さらに、社員の全情報を可能な限りデータベース化し、必要に応じて抽出できるようにし、評価、教育などあらゆる判断に利用しています。

IT経営推進における取り組み

日本ジャバラ工業では、IT活用において

ITは経営を良くし、費用対効果が高く、利益を生み出すものでなければならない
ITを活用することで組織力が高まらなければならない
ITはビジネスの基本動作徹底をサポートするものでなければならない

という3つの方針を立てています。この方針は事業発展計画書の実現に向けたものであり、事業発展計画書を主軸に経営品質の向上、組織力の強化を図っています。

同社では経営者と社員が共に計画書を作成し、誰でも理解できる表現でビジョン、方針、数値目標などを明らかにしています。各社員の目標達成には自らのチャレンジを大切にすること、そしてITには、目標達成に必要な情報や環境の提供が期待されています。IT利用の中から理解や気づきが生まれ、それらを積み上げることでレベルが高まれば、すべての仕事の質を向上できます。新たな「気づき」は、さまざまな仕組みで広く共有できるようにしています。

導入効果

IT化により2003年9月期15.2億円から2006年9月期26.3億円へと順調に売上高が伸びています。それに伴い経常利益率、自己資本比率も増加しました。また、組織全体で経営品質を高める取り組み意識が年々向上し、TQM活動、ISO活動などがこれまで以上に繋がりを持つようになり、有機的に良い影響を及ぼすようになりました。

IT経営実践前と比較し、とくに事業発展計画書、TQM方針書、業務実績表の作成に社員が積極的に関わるようになり、毎月のPDCAサイクルが向上しています。さらに、ERPおよびグループウェアの活用で情報が共有され、客観的数値に基づいた行動が可能となり、経営層の意思、会議の決定事項が速やかに伝わり、組織活動の活性化で業務効率が向上しました。また、社員のコンピュータ・リテラシが向上し、情報、計数に基づいた会議、議論ができるようになりました。

今後の展望

今後は、中長期計画でのIT戦略を立案し、経営目標達成のための最適なシステムを実現すること、情報セキュリティ強化とIT担当者のスキル向上、社員のコンピュータ・リテラシの継続的向上と、IT情報を実務に活かす教育を行うことが課題として挙げられます。

また、今後の展望としては企業として幅広い情報セキュリティ管理がこれまで以上に重要になることを自覚し、IT管理部門をさらに強化していきます。次期システム変更に向け、早期からの問題点の把握と対策を検討し、全体プロセスの観点から費用対効果に見合うシステムづくりを準備、構築していきます。そして、これまで通りITを通して社員の気づきのレベルを高め、能力向上、組織力強化に継続して取り組んでいきます。