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プロフィール ![]()
運送業 GPS 企業概要 株式会社カワキタエクスプレスは、国内外の引っ越しや一般貨物運送業務を中心に、関東から大阪の法人を主要顧客とし、ビジネスを展開しています。同社の経営理念は、「すべての人の笑顔のために、今を自分らしく、ベストを尽くす」。これを基に経営目的、行動指針を定め、2020年までにグループ売上高100億円を目指しています。運輸業は労働集約型産業のため人材が命。入社後すぐ業務に従事させる会社が多い中、丸1日かけ会社の成り立ちから経営ビジョンに至るまでの共有をはかり、経営状況を常にオープンにすることにも務めています。 |
運輸業界を取り巻く環境は、燃料価格の上昇や環境規制強化、競争激化による低運賃での受注など厳しい状況にあります。カワキタエクスプレスの売上の75%を占める貨物運送では、トラックに効率よく荷物を混載し、委託先も含めどのトラックを配車するかシミュレーションを行う配車業務と、ドライバーが事故を起こさず省エネ運転することが利益率に大きな影響を与えます。この2つの業務を中心とした見直しと、業務間のシームレスな連携が経営の課題となっていました。
これらの課題解決のために、ドライバー管理を含め受付、配車、配送、請求、入金業務をシームレスに行えるシステムが必要でした。また、情報の共有化を図り、顧客への応答速度の向上も欠かせません。そして、引越、自社分の貨物輸送、委託分の貨物輸送の3事業については、現状では全体の売上でしか状況が把握できなかったため、事業ごとに詳細に原価計算を行い、どこに収益上の課題があるかの見える化にも取り組むこととなりました。
1件ではコスト割れでも、荷物を混載することでトラック1台のコストに見合う運賃収受ができるよう、配車、混載シミュレーションの新システムを構築。従来は、すべての配車が終了しないとシステムに入力することができませんでしたが、新システムでは不確定状態でも入力を保存でき、受付時データが利用可能となったことでドライバー管理から配送、請求、入金、経費管理までの情報の一元管理を行い、シームレスな業務連携が実現されました。
担当者PCで管理されていた配車情報をサーバに集約し、荷物や配車状況の確認が誰でも瞬時に可能となりました。これにより、顧客問い合わせへの迅速な対応を実現。また、従来は見積依頼があると取引実績を調べ回答に数分から数時間かかりましたが、過去履歴が一覧表示され、同様の運送経路を参考に即答できる体制が整いました。
全トラックにGPS内蔵のデジタル・タコグラフと急ブレーキや激しい衝撃の前後の映像が残るドライブレコーダーを設置し、ドライバーがボタンを押すだけで運行データが事務所に送られ、事務所でリアルタイムに車両位置や状態の確認が可能となりました。さらに、デジタル・タコグラフは、安全運転、経済運転を促す音声ガイドも出力できます。事務所に帰ってからは、デジタル・タコグラフから出力された運転データを元に、ドライバーと運行管理について話し合うことも可能となりました。 |
図1 |
カワキタエクスプレスでは、市場の競争激化を乗り切るため同規模の中小トラック運送業者13社と「ロジネット協同組合」を立ち上げ、共同受注、共同配車を進めてきました。その結果、トラックに多くの荷物を混載するようになり、それを管理するシステムが必要となったのです。
そこで同社では、ドライバー管理を含め事務処理の効率化でき、あらゆる情報を一元管理可能なシステムの構築を目指しました。パッケージ製品の利用も検討しましたが、不確定な配車、混載シミュレーション機能を持つものはなく、自社でシステム開発を行うことになりました。システム開発委員会を設置し組合員の意見を集約、組合員で異なる業務の標準化には苦労したものの、ITコーディネーターなどと相談しながら約8ヶ月で開発を実現しました。当初従業員には、仕事のやり方が変わることから新システムへの抵抗感もありましたが、社長が有効性を丹念に説明し、実際に触ることで便利さを実感させるところから、徐々にシステムが浸透していきました。
システム化以降、2004〜2005年度は売上高が77.6%、2005〜2006年度は44.9%増加し、売上高、営業利益とも順調に伸びています。売上高に対する一般管理費割合が下がり、効率的な業務を実現しています。また、以前は顧客からの運賃問い合わせに数分〜数時間かけ返答していたものが、現在は即答できるまでになりました。さらに、請求、支払い業務に5〜7日かかっていたものが2日以内の短縮を実現しています。車両の運行状況も従来はドライバーに電話で確認していましたが、画面で瞬時に把握可能となりました。
また、システム化で作業と仕事を明確に分けることができ、ドライバー、配車担当者はそれぞれの仕事に専念、作業はそれ以外の者が担当できるようになりました。顧客からはドライバー、配車担当者の応対が向上したとの評価も得られ、リピーター率が上昇しています。さらに、従業員がデータの重要性を認識するようになり、データ利用を提案するなど従業員の意識改革も進みました。
カワキタエクスプレスのシステム化はいまだ開発途上であり、配車担当の行う業務をとっても、すべての荷物について配車、混載シミュレーションが実現しているわけではありません。従業員がシステムを使いこなし、使い方に精通することでシステムに対する改善案が出てくると同社では考えています。それを受けてシステムのバージョンアップを行い、従業員と共に育つシステムにしたいと考えています。
また、運輸業の経営資源は人であり、顧客から荷物を頼むのならカワキタエクスプレスと指名されるよう、システムを活用して輸送品質を向上し、心配りができ機転が利く人財を育成する計画です。そのため会社のブランド化にも、システム化と並行して取り組む予定です。
今後は、新社屋を工業団地に建設し、ドライバーの職場環境を改善。亀山という地の利を生かした関西、関東の荷物を中継するハブ基地として、さらなる発展を目指します。