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プロフィール ![]()
卸売業 情報・ナレッジ共有 企業概要 1975年に東大阪市でネジの卸問屋として創業したツルガは、市販ネジや自動車・船舶専用ネジを始め、独自開発の特殊ネジやTSキャップ(ボルトナットの防錆用カバー)の企画開発を行うネジの専門商社として知られています。2003年に現在の社長が立ち上げたビジネスモデル「ネジ革命プロジェクト」をきっかけに、提案型営業戦略とインターネットを介した受注方式に大きくシフトし、現在ではネジの技術を生かした工程の見直しやコスト削減の手法を企業に提案するコンサルテーション事業も強化しています。 |
創業以来、大手メーカーなどからネジの注文を受け、ネジメーカーから調達し販売するというビジネスを展開してきた同社は、1999年頃から安価な中国製のネジが国内市場に上陸し始めた影響により、受注の減少が大きな問題になっていました。特殊なネジを早く、安く、そして高品質に作る技術とノウハウを持っていた同社は、2003年からWebサイトを開設し、顧客に対して製品設計段階から付加価値の高いネジを活用することを提案し、新規顧客からの引き合いを得ることに成功しました。これを同社は「ネジ革命」と呼んでいます。
しかし、問い合わせや見積依頼などが予想以上に急増し、当時の営業や事務の体制では対処しきれない事態に直面。急遽グループウェアを導入して解決を図ったものの、Webサイトからの問い合わせ内容を入力するために多くの時間を要したため、ミスが相次いだばかりか、重要商談の判別が付かない、社員間で業務の連携がとれないという新たな問題も浮上しました。
そこで同社は、得意先からの問い合わせや見積依頼、営業活動を組織的かつ効率的に行い、顧客との信頼関係強化による継続的な受注確保を支える情報共有システムとして、SaaS(Software as a Service;オンデマンドでのサービス利用型ソフトウェア)形式によるSFA (Sales Force Automation;営業支援)システムの導入を決断。案件ごとの商談内容や進捗状況、活動履歴を共有することにより、属人的な案件管理から情報共有体制へ変更し、社内の誰もが商談経過を閲覧できる環境を構築しました(図1)。
また、顧客への自動応答メール送信や、担当営業の自動アサイン機能を活用することで、新規顧客からの問い合わせを自動的にSFAシステムに取り込むことが可能となり、情報の入力時間短縮とミスの削減を実現しました。 |
図1 |
現社長が経営を引き継いだ1999年当時、同社では古いオフコンが利用されているだけでしたが、ビジネスへの危機感から「ネジ革命」への業態転換を図るとともに、ネジに関する情報発信サイトを構築し、問い合わせに対する24時間以内の返信体制や、動画による商品情報提供、さらにはIT基盤としてSFAシステムや販売管理システムの導入を実現させました。
その背景には、ネジ業界をよく知る現社長が自らCIOを兼任し、戦略策定からシステムの選定、導入までを主導したことによって、その熱意が従業員にも伝わり、積極的な営業管理や業務管理へのIT導入につながったといえます。また、社内のITリテラシについては、従業員の平均年齢が若いこともあって、パソコン利用に対するアレルギーは無く、極めてスムーズにIT導入を実施できました。
「ネジ革命」の結果、2003年度は1.2億円程度だった同社の総売上は、2007年度で2.1億円にまで増加し、4年間で2倍近い伸びを達成しました。顧客数も当初の40件から約500件にまで急増し、自社オリジナルの特殊ネジ製品が全体の6割を占めるなど、利益率も向上しています。
また、自社Webサイト上に広範な情報を公開したことで、ネジについて多くのノウハウや技術を持っていることが業界に広まり、「ネジのことならツルガ」というブランド構築に貢献しました。
さらに、オンデマンドの顧客管理システムと独自の業務フローを構築したことにより、営業活動の効率化と顧客満足度の向上が図られ、同僚の仕事領域にも積極的に協力し合い、組織的な力を出していくという企業文化が根付き始めたことも大きな成果です。無駄な業務が激減したことで、残業はゼロという同社の基本方針を貫きつつ業績の向上を実現しています。
現在は、情報系システムであるSFAシステムと販売管理システムが連携していないため、一つのマスターで運用・管理できるようシステムを改善していくことが当面の目標です。新たに専任のSEを採用した同社は、今後現在のシステムに加えて、物流管理システムや人事管理システムなどを順次導入し、将来的にはシステムすべてを連携させて、全社的な統合システムとして構築する計画を持っています。それにより、問い合わせがあった商品の在庫をリアルタイムに確認し、SFAの情報を元に人事考課を行うなど、経営の見える化を実現するとともに、競争激化が予測されるネジ業界でイニシアティブを取るための事業基盤整備を目指していきます。