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マネジメントの高度化
飲食業

事例ピックアップ
一元管理された情報の「見える化」と徹底した計数管理で、全社の業務効率を改善 〜株式会社ホイッスル三好〜

  • データ中心アプローチに基づくシステム構築で、データを経営戦略に最大限に活用
  • 管理能力強化と経営資源の有効活用促進で社内のムダを解消
  • マネジメントビューの導入で経営指標の可視化、現場と本部の情報共有を促進

プロフィール

写真 ホイッスル三好
中小企業IT経営力大賞 情報処理推進機構理事長賞
企業情報
  • 企業名 : 株式会社ホイッスル三好
  • 所在地 : 東京都杉並区和泉3−46−9YS第一ビル2F
  • 資本金 : 6,500万円
  • 従業員数 : 920人
業種

飲食業

導入目的

マネジメントの高度化

企業概要

ホイッスル三好はラーメン販売を中心とする飲食チェーンで、首都圏に直営35店舗を展開しています。本場中国の飲食店を訪れたような雰囲気を演出する内装で、「お客様の感動」をテーマに、楽しいひとときの提供を信念としています。オリジナルの自家製麺、生ダレを提供するため、セントラルキッチン方式を採用し、デイリー配送を実施しているのが特徴です。システム開発および運用・メンテナンスは、グループ傘下のソフトハウスに100%外注しています。

導入の目的と背景

外食産業、とくにラーメン業界を取り巻く情勢は、競合店の増加や顧客の嗜好の多様化など、厳しさを増しています。それに加え、ホイッスル三好では、近年多店舗展開を急速に進めたことが影響し、従来の本部体制が立ち行かなくなっていました。そこで、経営資源のコントロールを現場に任せ、その報告を本部が集計するこれまでの体制を改め、経営資源コントロールの向上と管理能力の強化を目指して、IT経営への取り組みを開始しました。情報体系とシステムの整備を進め、データベースを通じて数値的に結果を出すことで、経営の可視化と業務の効率化を図りました。また、現場と本部との情報共有を実現することで、経営リスクの回避、内部統制を強化しながら、経営資源の損失や重複業務の解消を目指しました。

IT化の概要

同社では、グループ会社のソフトハウスと連携し「マネジメントビュー(M/V)」を開発しました。これにより、レジ管理、出退勤管理、発注管理、小口現金管理などのデータ管理を軸に、基本業務処理と並行して経営指標を可視化するシステムの構築を目指しました。
従来の業務体系では、個々の業務処理情報が連動しておらず、大元のデータは詳細な数量や単価を含まない会計データに限定されていました。そのため、報告の精度、情報の連動性、時間と労力などの点で多くの課題を抱えていたのです。新たなシステムでは現場における発生データを出発点に、社内外のデータや情報の流れを整理しました(図1)。
現場で入力された各データは情報システムに集約され、目的に応じて蓄積・加工されます。最小単位のデータを確保することで、時間別(分、時間、日、週、月、年)、領域別(個人、店舗、エリア、会社)など、必要に応じた単位区分での集計が可能になり、分析作業の負荷軽減にもつながりました。具体的には、日々の決算のほか、売上予測、店舗仕入原価、メニュー別原価、メニュー別出数、ワークスケジュール、商品提供時間、客数・客層の集計、残業や外国人雇用などの人的管理と、多くの情報を得ることができます。DOA(データ・オリエンテッド・アプローチ)の手法にしたがい発生データを中核に構築されたシステムには、適宜アプリケーションを追加できるという利点もあります。
(図1)

IT化の概要

図1

IT経営推進における取り組み

IT経営を進めるにあたり、まず同社では、特に留意すべき条件をまとめました。たとえば、従業員の意識向上と調和を阻害しないよう、急速なIT化を避けること。また、現場での業務処理負担を減らして顧客サービスを一層充実させることなどです。IT化推進の舵取りは、常務取締役に一任されました。
初年度は、現場・経営の双方で、IT化実現後の業務体系イメージを描きながら、導入の下準備を進めることに集中しました。そして、2年目からは、4つの業務処理システムを順次導入。続いてそれらの中心となる「マネジメントビュー(M/V)」の開発に着手し、導入を実現しました。導入後は、ITの有効活用を促進するため、定例会議(店長会議・エリアマネージャ会議・本部会議)において、IT案件をとりまとめ、各システムおよびM/Vの改善・機能追加に反映しています。

導入効果

M/Vや「出退勤管理システム」は人事生産性の向上をもたらし、「店舗支援システム」を導入したことで食材の原価率低減を実現しました。さらに本部の管理業務の効率化により人件費の削減が可能となり、残業の大幅な軽減も実現しています。IT化による効率化とコスト削減は、売上が低下する時期にも損失を最小限に抑えることを可能にし、激しい競争環境に置かれる同社にとって大きな成果をもたらしました。
また、経営の可視化を実現したことで目標設定が明確になり、業績評価の公正化、店長の意識向上、取引業者との交渉円滑化など多くの効果が現れました。またIT化によって、外国人の不法就労・不法滞在、過剰残業、金銭の回収および支払い時のトラブルなど、経営の障害となる諸問題を回避できたことも特記すべき点です。
さらに、業務処理をルーチン化したことに伴い、教育負荷が軽減し、人の代替も可能になりました。

今後の展望

これまで同社では、業務情報を一元管理し「見える化」を徹底することにより、計画と実績の計数的把握、現場と経営の情報共有を実現してきました。今後の目標としては、IT基盤をさらに活用して、イントラネットを利用したコミュニケーションのIT化を図りたいと考えています。具体的には、本部からの指示・連絡や現場からの申請・諸届けを、電子承認を含め履歴を残す形でIT化する計画です。また、販売戦略支援の一環として、Web上の口コミ情報などを自動で入手・分析できる仕組みの構築も計画が進められています。人事管理面では、携帯電話を利用したワークスケジュール調整のシステムを整備し、登録しているアルバイト従業員との連絡の円滑化を図る計画です。