技術力と勘が重要視されてきた理美容業界で、いちはやくIT化を進めてきたのが株式会社オオクシです。現在、理美容業界の店舗数は全国に約35万件で、コンビニエンスストアの約8倍。これからさまざまな業界が直面するであろうオーバーストアの問題をすでに抱えているといえます。競争に打ち勝つため、顧客の再来店率を「確実に上げる」仕組みを、株式会社オオクシの代表取締役 大串哲史氏にお伺いしました。
私がPOSと出会ったのは22年前、コンビニエンスストアでアルバイトをしていたときです。画面タッチで、レジ打ちの最後にお客様の年齢などを入力して集計していたのです。しばらくは頭から離れないほどの衝撃を感じました。そのあと理美容業界に入り、真逆である勘の世界を目の当たりにして、別の衝撃を受けました。このままではいけないと、17〜8年前にノート型のPCを購入し、業者に頼んでプログラムを書いてもらったのが最初です。顧客管理、スタッフ別、メニュー別、顧客別の売り上げなどの分析データをとりました。感覚でわかっているつもりでしたが、分析結果がまったく違っていて驚いたのを覚えています。
最初のシステムを導入後、どのようにIT化を進めていったのですか。
次に、スタンドアローンのパッケージを導入しました。また、第三者的な立場で客観的にデータをチェックする子会社を作り、分析や現場に目標達成するためのパートナーとしてフィードバックをする仕組みを作り上げました。
スタンドアローン型 POSシステム

その後、ASP型パッケージを導入し、店舗間と本部、子会社がインターネットでつながり、従来のマンスリーからリアルタイムでのチェックと、子会社及び各部署がリアルタイムでデータを共有することが可能になったのです。
ASP型 リアルタイムPOSシステム

構築したシステムはどのように活用しているのですか。
弊社では、再来店率に早くから着目してきました。再来店率を上げるために、従来まで感覚でやってきた改善を「見える化」しました。つまり、技術者の勘で「なんとなくこのようにしたらお客様がまた来てくれた」という曖昧なものではなく、データをもとに実行すれば確実に再来店してもらえるマニュアルを作り上げたのです。
例えば、お客様から戻ってきたアンケートに対しスタッフが改善策を投じます。6ヶ月ほど経つと結果が出てきますので、その中で再来店率の上がった店や人の共通項を拾うことができます。また、現場を見たり、出口調査をして、マニュアルの精度を高めていったのです。