1.概要
経済産業省では、ITサービスの提供に必要な実務能力を体系化した指標である「ITスキル標準(ver.1.0)」を昨年末に公表し、ITサービス・プロフェッショナル育成における産学の共通枠組みとして普及を図っております。
この度、ITスキル標準の更なる活用の促進を図るため、ITスキル標準のサポート組織として「ITスキル標準センターを設立」するとともに、ITスキル標準に沿ったキャリアパスの実現に資する「研修ロードマップ(ver.1.0)の公表」、並びにパブリックコメントを踏まえたバージョンアップとなる「ITスキル標準(ver.1.1)の公表」を行いますのでお知らせします。
2.詳細
(1) ITスキル標準センターの設立
ITスキル標準に対しては、検討段階から、産学の有識者の御意見やパブリックコメントの中で、スキル標準の内容をIT技術やビジネスの進展等に的確に対応させていくこと、そのために不断のメンテナンス作業を重ねていくことが求められております。また、ITスキル標準を、企業内人材育成制度や各種教育訓練サービスの中でどの様に活用するのかについての具体的なベストプラクティスの収集・分析も求められております。
これらの意見を踏まえ、経済産業省では、ITスキル標準のサポート組織を「ITスキル標準センター」として、情報処理振興事業協会(IPA)内に、本日付けで設置することといたしました。
ITスキル標準センターは、ITスキル標準の改版や、企業等での活用事例の収集・分析、及びプロフェッショナルの後進育成に有益な情報発信などを行うことを目的として、ビジネスの第一線で活躍しているプロフェッショナル人材や、ITスキル標準を活用した人事・教育訓練制度を先進的に実行しているIT企業などの知見を集め、ITスキル標準を基盤とした人材育成を支援する諸活動を展開していく予定です。
<ITスキル標準センターの主な活動>
◇ ハイレベルのスキルを持つ人材からなる「プロフェッショ
ナル・コミュニティ」を創設し、第一線のプロの目を通じた
ITスキル標準の改版、及び次世代ITサービス・ビジネ
スを担う後進人材のスキルアップに貢献するための諸活動
◇ ビジネス戦略と結びついた人事・教育訓練制度を実施しよ
うとするIT企業・団体や、そうした企業へ的確な教育・研
修サービスを提供しようとする教育機関、民間研修事業者な
どで参考となる、ITスキル標準の具体的な活用モデル、活
用指針等の提示
◇ IT人材を取りまく市場動向の調査
◇ その他、我が国のITサービス・プロフェッショナルの育成に貢
献する諸活動
(2) 研修ロードマップ(ver.1.0)の公表
IT企業や教育機関、民間研修事業者などがITスキル標準に対応した教育訓練を実施する際に有用な研修体系の参照モデルとなる「研修ロードマップ(ver.1.0)」を公表します。
今回公表する研修ロードマップは、ITスキル標準で示す11区分の職種のうち、6職種について先行的に策定しました。残りの職種については、今後、随時整備していく予定です。
対象6職種:セールス、コンサルタント、ITアーキテクト、プロジェクトマネジメント
ITスペシャリスト、及びアプリケーションスペシャリスト
(3) ITスキル標準(ver.1.1)の公表
ITスキル標準の策定においては、昨年10月にパブリックコメントの募集を行い、IT人材の育成に関わる様々な立場からの意見を収集しながら進めてきました。今回のバージョンアップ(ver.1.0→ver.1.1)は、パブリックコメントの意見を踏まえて、アプリケーションスペシャリスト(業務パッケージ)と、ソフトウェアデベロップメント(応用ソフト)の間でのスキル内容を整理し直すことを中心に改定を行いました。
なお、(2)の研修ロードマップは、バージョンアップ後(ver.1.1)のITスキル標準を基に策定しております。
3.今後の展開
経済産業省では、ITスキル標準を、IT企業等が取り組む人材育成の基盤となる共通枠組みとして提供するとともに、政府自らが行う事業においても活用しております。具体的には、平成14年度補正予算において、ITスキル標準に沿って、産学等の連携協力及びインターンシップ等の実践的な方法を採用した、即戦力のスキル育成に効果を持つと考えられる教育訓練モデルの実証を進めており、現在、28件のモデル事業が進捗しております。
今後においても、これらモデル事業を通じて得られたノウハウを活かし、また、今回公表する研修ロードマップやITスキル標準センターのサポート体制によって、より実効性の高いIT人材の育成環境整備を進めてまいります。