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審議会・研究会

地域経済研究会(第4回) 議事要旨

  1. 日時:平成17年2月9日(水)14:00~16:00
     

  2. 場所:経済産業省 第1特別会議室
     

  3. 出席者:
    (委員)大西座長、上田委員(代理)、戒能委員、末吉委員、寺田委員(代理)、土居委員、八田委員、増田委員、松原委員、藻谷委員、森田委員、八代委員
     

  4. 議事概要
    (1) 末吉委員から「都市再生への挑戦」、増田委員から「人口減少時代における地方行政の在り方について」を説明後、各委員による自由討議を実施。
    (2) 討論の概要は以下のとおり。



    ○北九州といえば、新日鐵や三菱化成等の大手の企業の動きが目につくが、地域経済の活力を考えていく上で、中堅・新しい企業等の地域に本社があるような企業の動きがどうなっているのか教えて頂きたい。
     市民アンケートで、景観の評価が高いが、景観に力点をおくことが、地域経済の活力にどのように係わるのか、教えて頂きたい。

    ○地域経済の動きであるが、明治から大正にかけて立地した企業はここを基地にして殆どが太平洋ベルトゾーンに移動した。製鉄は君津、三菱化学は水島に移動した。本社機能が残っているのは安川電機と東陶。長期的な時間軸で考えると、全て全国展開、外国に立地するなど、空洞化が起こった。ただ、在来型の技術は脈々と存在する。新しい技術、新しいLSI等は、大学を含め人材育成と並行して時間をかけてやっていく。景観については、これまでが悪すぎた。景観審議会を設置し、10数年一貫して委員を代えない仕組みを採用している。活力に結びつけるには、アジアからの観光客をどうするかが今後の課題である。

    ○殆どの町に関係があるが、合併した後の地域対立をどう考えるか、また、財政難の中での高齢化の対処法について教えて頂きたい。

    ○昭和38年の合併の際には、国連の調査レポートに従うなど、やや外圧も利用した。また、合併には理念と必要性が必要であり、効率化だけで、合併をするのは違うのではないか。加えて、5市合併した際には5市長とも新市長にはならなかったこともある。
    合併により広域行政が全てよくなった。先ず電話が市内通話になり、通信費が安くなり、高速道路の敷設、水の相互融通、広域病院の運用等広域行政では全てうまくいった。また、市議会議員が180名から60名に、5人の市長が1人になった。合併のためには、色んなことがあるが、理念をしっかりもつことが必要。
     高齢化の問題については、高齢化自身はマイナスとは思っていない。60―65歳過ぎの働き手は沢山いると思うので、この施策を誤らないようにすること。問題は、要介護の方たちの財政負担。年間100億くらいの負担になっている。これを克服すれば、盤石になる。財政的には一番の課題。

    ○北九州市は老人1人当たりの民生費とか衛生費がものすごく低い。効率化されたからであると思うが、沢山展開されてきた公共事業というのは、一巡してくるので、公共事業が2008年でフェードアウトした後、北九州市としての経済活力は、何かで埋め合わせなければ成らないと思うが、この展望をお持ちかお聞かせ願いたい。
     北九州市は政令指定市の中で、税収の占める歳入の割合が最低、土木費は現在、最高、公債費は最低といった状態で、15年前の神戸市と同じ状態にある。神戸市はこの10年震災がなければ、赤字債権寸前の団体になっていたが、公債の償還がはじまると、かなり厳しい財政運営を続けていかなければならないが、これについての展望如何。

    ○まず、公共投資の減少については、2005年から10年後までを見通したうえで行ってきている。起債制限比率が一桁なのは当市だけである。これは地域特例債を利用し、起債額も実質負担額は半分くらいであるからであり、今後、償還が始まっても、神戸市のようにはならないと思う。また、毎年、行財政改革を続けており、ここ4~5年100億から150億程度減らしてきている。これが効いている。予算がないのであれば無いなりの範囲で予算を組むと言うことにすればよい。
     公共投資が減少するといった場合には、大変である。大変であるが、建設業界も新しい仕事に取り組む等構造改善をして頂くようにしている。

    ○公共投資を行う際に、地方債に依存せずに、如何に地方債を抑制するかといったところを教えて頂きたい。
     また新北九州空港の今後の活用法等、北九州経済を活性化していく上で、どのように使われるのか、プラン、ビジョンをお聞かせ願いたい。

    ○まず、財政力が弱いことから、どうしても地方債に依存せざるを得ない。既存の制度のなかで後世の負担を常に考え、現行の制度の中で最大限出来ることを行っていくしか方法はない。
     新空港については、アジア便をどのようにするのか。福岡空港との共用をどうするか。空港が一杯であるから受入れられないといったことでは、地域経済の活性化は図れないので、どういうことをしてでも受け入れるようにしていかなければならない。24時間空港であることを最大限に活かすこと、アジアに近いことを活かさないといけないと思っている。

    ○福岡との競争関係においては、空港ができたことにより北九州のネックが解消されたわけだが、今後、アジアとの連携を考える中で、工場見学と物流の関係以外に積極的にアジアの都市と人的な交流をどのように図っていく予定なのか。また、郊外のまとまった土地に某企業の野菜工場を立地させたが、近郊農業として今後同じようなことを考えているのか。

    ○アジアの観光客を呼び込むにあたって、福岡や北九州だけでなく、九州全体の観光の中で考えるべき。その中で、アジアの観光客は、工場見学等学習的なものに非常に熱心であることから、九州の他の空港と連携しつつ、引き続き強みを伸ばしていきたい。
     野菜工場が進出した土地の最大の特徴は、アジア向けに輸出できる港があることであると考えている。九州全体でよいものを作れば中国に売れるという流れが出来つつある中、今後、野菜工場の立地が進む可能性はある。

    ○今後、特区で一番重要となってくるのは医療特区。高齢化の進んでいる北九州市では、医療費の抑制が財政効果に繋がる。しかし、今の出来高払いの医療保険の仕組みでは、医師側も患者側も抑制するインセンティブがないため、今後は包括払い化に変更すべき。規制改革会議では、レセプトの電子化の議論をしており、それを行うことによりどの病院が無駄遣いしているかが分かる。この関係でも地域ベースでできることがあり、例えば電子化が遅れている町の診療所等にパソコンを入れるための補助金を交付するなど、医療手続の電子化を促進するような特区を考えてみてはどうか。
     今後の医療は、確実に約束されている産業。質の高い病院や外国人医師を空港周辺に集めることにより、国内のみならずアジアからも患者がとれ、さらに見舞いの観光客が集まるようになるのではないか。これは地元の医師会を説得すれば可能であると思うので、先駆的にトライしてもらい全国の模範となってほしい。 

    ○現在医師会とは、全ての病院がフルセット化するのではなく、個々の病院が各々の得意分野に特化していくということ話し合っている。また、医療の質の強化という面では、シンガポール等海外の医療を勉強しに行こうというところまできており、これから地域医療の更なる発展に向けて頑張っていきたい。

    ○政令市の場合は、周辺地域からいかに人を集めてくるか、昼間人口を増やしていくのかという議論も出てくるかと思うが、交通ネットワークの整備も含め、そのための地域振興をどのように考えているのか。   
     また、政令市として行政区への権限移譲とゾーニングの関係についてはどう考えているのか。
     加えて、三位一体改革の動きの中で、仮に税源移譲のインパクトはどれ程のものと感じているのか。

    ○北九州市の周辺市はそれほど人口減が起こっておらず、昼間人口の増減はそれほど無いと感じており、今まで周辺市から人を引きつけることを念頭においた施策は特にとっていない。
     日常的生活に密着した権限は区に下ろしているが、全ての権限を下ろすとかえって非効率であり、分権というのは、場合によっては行政改革に反することがあり得るという見解を持っている。
     三位一体に係る税源移譲については、使い方の工夫次第ではかなり進んだ地域政策を展開できると考えている。

    ○福祉の関係では北九州方式は有名だが、同じように高齢化している都市に同じ方式を採用することができるか否か。

    ○北九州でやれることは、他の都市でもできると思う。保険事務所と福祉事務所をワンセットにする等、お年寄りをたらい回しにしないようにするような対策を講じた。

    ○労働生産性を上げるためには、人口の集中と移動の選択が大事だと考える。これからは人がいるところに社会資本を整備するのではなく、社会資本があるところに人を移すべきだと考えるが、一方で過疎地域を見捨てるものではないかというひはんも想定される。今後の地域振興を考える上で、バランスをどのように考えるのか。

    ○財政事情を考えると、今までのインフラ整備のやり方を変える必要があると考えており、その中でいろんな意味で移転やり方を考えていかなくてはならない。災害地域からの移転については、住民の理解が得られ、それを補助する仕組みができあがりつつあるが、それ以外についても個人の資本形成を勘案しながら検討しているところ。また、本来物を作るための公共事業予算を、移転した方がより安全性が高まるような時に使えるような予算になるよう弾力的に使用できるようになれば移転も進むと考える。まずは、県単予算でやってみて実例を出していきたい。
     


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