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審議会・研究会

地域経済研究会(第6回) 議事要旨

1. 日時:平成17年4月8日(金)10:00~12:00
2. 場所:経済産業省 国際会議室
3. 出席者:
(委員)大西座長、上田委員(代理)、岡部委員、戒能委員、亀井委員、末吉委員(代理)、寺田委員(代理)、土居委員、中村委員、八田委員、増田委員、松原委員、藻谷委員
4. 議事概要
(1) 松原委員から「地域経済の将来推計について(暫定版)」、
中村委員から「これまでの議論を踏まえた中間整理」
戒能委員から「」を説明後、各委員による自由討議を実施。
(2) 討論の概要は以下のとおり。

○  中村委員の資料、10頁、「都市圏域の設定:フランス」について「都市エリア」という概念は、単に統計上の問題か、政策的なものに結びついているのか。フランスは、都市とそれ以外の地域の境界が非常に明確である。これは例えば下水道をエリアを限って整備していること等が理由である。集中して住むことにより、社会資本を効率的に使用しているという印象がある。

○  確認はしていないが、効率的な都市政策を行うことを念頭においていると思われる。

○  フランスのデータは、フランスが国レベルで保有している都市圏のデータではないか。デンマークやオランダは積極的にアーバンオーディッドのデータを整備しているのは承知しているが、他国の足並みがそろわず、EU全域で比較可能なデータが揃っていないのが現状。

○  フランスについては、地域経済統計が沢山構築されているということだが、どの様な特徴をもって統計調査が収集されているのか。日本においては、中央政府レベルではサンプルは揃っているが、地域にサンプルをまいていないことから、地域経済の実態把握が出来ないのか、それとも、中央政府自体の統計調査の設計が不十分だということなのか。ヨーロッパのケースではどうなっているのか。
   調査された都市が、何故、大都市に引きつけられずに自立した経済圏として存立するのか。20万程度でも、一つの都市圏としてやっていけるのか、20万規模でも規模の経済は働くのか。

○  サンプリングまでは確認していない。ケンブリッジでは、イギリスの市町村レベルまでの賃金、失業率をつかった分析を紹介して頂いた。それなりのデータをもっていると思われる。
   
○  小売りサービス業の立地に関して、階層制はあると思う。州都だけではななく、中小都市圏、人口規模に応じた形での商業・サービス業の立地は階層的に考えられる。従って、州都の位置づけというのは商業の圏域が広域化している中において重要性をもっているのは理解するが、全てがこれに収斂するわけではないと思う。
   国の人口規模と、中小都市圏の人口規模を位置づける必要がある。日本の人口規模のスケールと北欧の中小都市圏の階層制を同列には扱えないのではないか。
   首都の影響がないところを選んだつもりだが、実際に調べると首都の影響が出てきているところもある。パリのディジョンはTGVなどの高速交通体型の整備に応じて、パリの影響が無視できなくなっている。イギリスのノッティンガムも周辺にあるグラスゴー等の大きな都市の影響を受けている。北欧のタンペレはヘルシンキとの関係高速交通体系の整備等が無視出来なくなってきている。
   都市商業が空洞化していない理由として、将来はわからないといった回答が多かったが、一つの理由として都心居住が進んできているからではないか。
規模の経済がどの程度、中心部の商業・サービス業に係わるかということであるが、北欧の実態を見る限り地域社会のあり方、歴史性、都心の空間の文化要素等、都心の単なる規模の議論だけではなく、こういった魅力があるのではないか。これを支えるものとして、国際競争力のある製造業があげられる。また公共部門も地域経済を支えていることから、国内での税金、財政資金の流れが、中心部の活力を支えているのではないか。この辺は今後の検討課題ではないか。

○  アメリカとの比較であるが、アメリカの例としては、大学、医療機関を中心としたクラスターだけではなく、自然、歴史遺産、観光等で地域産業が成立している事例もあることから、地域資源を活かした地域産業施策を考えていくことが一つのヒントになるのではないか。

○  卸小売サービス業において、一定規模の人口がないと成立しないのは、規模がフローとして伸びているということなのか、それともストックとしてあるということなのか。フローだとすると、中核市レベルでも人口が増えている都市であれば、小売サービス業を呼び込むことが可能ということになり、ストックであるとすると、大阪や北九州のような大都市が規模を活かして卸小売サービス業を振興することが可能であるという結論になると思うが、どちらがより重要と考えているのか。

○  ストックとフローは両方とも重要。ストックが大きければ当然優位であるが、フローが伸びているところを局所的に見てみると正の相関がある。いずれにせよ、20万規模の都市が駄目だということではなく、生きる術をどう見極めるかが重要。県民経済計算ベースではなく、市町村別、若しくは都市圏別のデータを取ってやってみると分かりやすい結果が出るかもしれない。

○  地形によっては宮崎や盛岡のようにサブ中枢都市として発展している都市もあれば、北九州のようにあまりにも福岡が近すぎてサブ中枢として発展することは難しいところもあるが、近隣に大都市があって消費がそちらに流れてしまう都市の場合、どう地域振興していくのかが問題。
日本に当てはめて考えるのは難しいが、先んじて高齢化を迎えた北欧においては、非就業定住人口が増加することに伴い、税制等の工夫によって卸小売サービス業が振興されているのではないか考えられる。北欧と戒能委員の話を総合すると、非就業定住人口は成熟経済に極めて重要ではないかと感じた。
  また、今日の話にはなかったが、1日当たりの消費単価が高い交流人口が比較的多いベルゲンのような都市では、年間1~2%の人口増と同じ効果を持っている可能性があり、これが中枢都市でない中規模都市においても経済を拡大しうる一つの手段となるかもしれない。

○  どの組織レベルで地域政策を考えるかだが、例えば人口80万規模のリーズでは、独自に地域の雇用や産業を把握し、自らが政策を考えているが、お金がなく民間活力を利用してなんとかやっているというのが現状。
  クラスターについて、フィンランドにおいては、内務省が15カ所ほど地域を選定し、産業センターが地域政策を行っている。スウェーデンにおいては、既に集積のあるところをクラスター地域として選定し、今後は内発的に発展していような縦と横の繋がりのあるようなクラスターの推進を行おうとしているが、お金がないのが現状のようだ。

○  クラスターの関係では、北欧はイノベーションを非常に強調している。タンペレでは、イノベーションシステムをどのように構築するかについて取り組んでいるが、これは失業率が高く、産業構造を転換すべきという危機意識によるものと考えられる。しかし、全体としては産業振興についてはやはり中央政府が行っているようで、主に空間整備、都市整備が多いように見受けられる。
また、県民所得の変化を所得水準と人口・人口密度で相関を見ることについては、もう少し吟味が必要なのではないか。結局、人口の動きと所得の動きは必ずしも同じメカニズムで動いているわけではないと考えられるので、他の要素も考慮する必要があるのではないか。

○  前回の議論の中で話のあった市町村合併について、必ずしも経済圏と同一の区域で行われているわけではないが、最近の例を見ると中には経済的な単位に近づいてきている例も出てきている。これからは、自治体も産業政策をリードしていくようにならなければならないと考えるが、そのためには、市町村合併もそのような方向にシフトしていくべき。その場合、自治体がどのようなことができるか、あるいは自治体にどのような権能を持たせるのかについて議論していく必要がある。
また、今後の自治体行政の在り方として、広域行政の必要性が高まってくることが予想されるが、個別に見てみると、日本の場合、ゾーニングと実際の社会資本投資が乖離しているケースが多く見られ、今後の人口減少社会を考えるとゾーニングの考え方を考え直す必要があるのではないか。これまでゾーニングの当初計画の際、住民の中で十分な議論がなされてこなかったが、今後はゾーニングを考える際、住民の意志の反映や住民の責任の所在などを明らかにしていく必要があるのではないか。

○  一般的なルールとして国全体でゾーニングを体系づけるのは非常に難しいので、や 
はり地方でいろいろ工夫をして実質的にワークするような制度・仕組みを作っていく必要がある。

○  しっかり製造業を振興しないで結果的に3次産業ばかり溢れている状態になると、所得が停滞して都市内にスラムが出来る危険性がある。
 

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