経済産業省
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デザイン政策の変遷

Ⅰ.デザイン政策推進

経済産業省(当時、通商産業省)は1958年にデザイン課を設置して以来、時代の変遷に沿って組織や業務を変革しながらデザイン政策を続けてきました。

昨今は市場のグローバル化が進む中で、中国を始めとするアジア企業が競争力を急速に強めてきており、我が国としても産業の競争力の強化や経済の活性化を引き続き推進することが求められています。こうした中、製品等の高付加価値化、差別化ブランドの構築・維持への投資が有効であるとの認識が強まってきています。

デザインは、直接かつ分かりやすく視覚に訴えるものであり、コンセプト、技術、品質、サービス等、ブランド確立に必要な他の要素を簡潔に表現するための重要な手段であるため、特に国際競争が激しい分野や技術的に成熟し製品の差別化が困難な分野においては、デザインを戦略的に活用することが求められています。

しかしながら、我が国の製造業におけるデザインの戦略的活用については、欧米企業、一部のアジア企業と比べて必ずしも十分ではなく、2002年7月に知的財産戦略会議が策定した知的財産戦略大綱においても、「優れたデザイン、ブランドの創造支援」、「デザイン、ブランドの戦略的活用」を図るための方策に関する検討が求められ、経済産業省としては2003年2月に「戦略的デザイン活用研究会(座長:青木幸弘学習院大学教授)」を設置し、我が国の産業競争力強化のために必要とされるデザインの創造と活用に関する課題と対応について検討を行い、「デザインはブランド確立への近道」とした40の提言からなる報告書を取りまとめました。

その後、提言の実現を図るとともに、我が国企業や地域のデザイン意識の高まり、広がりを受け、必要とされる環境整備などを進めてきました。

2007年5月には、感性価値という新たな着眼点からの価値軸の提案を行う「感性価値創造イニシアティブ」を策定いたしました。経済産業省では本イニアティブに基づき2008~2010年度を「感性価値創造イヤー」と定め、感性価値創造の実現に向けた様々な施策を重点的に行います。

また、このようにデザインによる産業振興を行う一方で、デザインによる社会貢献も施策として推進しています。2007年からは、子どもの事故情報を社会全体で共有し、類似事故の発生を防止していく安全知識循環型社会構築事業や、子ども目線・子ども視線のものづくり、ことづくりを目指すキッズデザインを推進しております。

Ⅱ.デザイン政策の変遷

1955年頃
・国内メーカーが欧米のプロダクトデザインを模倣→海外から非難
1957年
・優れたプロダクトデザインを選定するGマーク選定制度を開始
・輸出検査法の制定→輸出検査制度の強化
1959年
・輸出品デザイン法の制定→盗用模倣防止の法的体制の整備
・デザイン奨励審議会 [1] を設置→本格的なデザイン政策を開始
1961年
・デザイン奨励審議会答申

デザイン振興の中心的機関の設立、デザイン教育の充実、デザイン研修機関の設立、官公設試験研究機関の充実、総合デザイン展の開催、意匠センターの助成強化などを提言。

1969年
・(財)日本産業デザイン振興会設立
1972年
・デザイン奨励審議会中間答申「70年代のデザイン振興施策のあり方」

デザイン振興政策のシステム化の推進、デザイン振興体制の整備拡充、試験研究体制の確立、デザインの保全、国際交流の促進などを提言。

1973年
・デザインイヤー

前年の審議会答申のデザインを通じた国際交流の促進の提言を受け、“第8回国際インダストリアルデザイン団体協議会総会”及び“世界インダストリアルデザインICSID’89京都”の開催を核に、『日本人の生活とデザイン展』、『世界サイクルデザインコンペ』など全国的なキャンペーン活動が展開。

1979年
・デザイン奨励審議会部会報告書「今後のデザイン振興策について」

デザインの重要性の関する国民意識の深化、産業に対するデザイン振興策の強化、Gマーク商品選定制度の充実強化、公共デザインの向上、デザイナー対策の強化、国際交流の強化、デザイン振興策のシステム的推進、デザイン振興のための施設の整備などを提言。

1988年
・デザイン奨励審議会答申「1990年代のデザイン政策」

デザインの社会への一層の浸透、デザインインフラの整備、デザインを通じた国際交流の推進、’89デザインイヤーの提唱など。

1989年
・デザインイヤー

名古屋市が国際インダストリアルデザイン団体協議会総会・大会を誘致して“世界デザイン会議ICSID’89名古屋”を開催、これを核に市政100周年記念事業として『世界デザイン博覧会』を開催。

1990年
・「デザインの日」制定

'89デザインイヤーの成果を記念し制定。デザイン奨励審議会が設置された日が昭和34年10月1日であることから、毎年10月1日を「デザインの日」と定め、デザインの社会への一層の浸透を効果的に図ることを目的に、デザイン関連の諸事業が集中的に実施されるよう働きかける。

1993年
・デザイン奨励審議会中間答申「時代の変化に対応した新しいデザイン政策のあり方」

デザイン人材育成支援スキームの確立、中小企業におけるデザイン振興、地域におけるデザイン振興、デザインを通じた国際協力事業の拡充強化、デザインの社会への一層の浸透などを提言。

1997年
・輸出検査法及び輸出品デザイン法の廃止
1998年
・デザイン奨励審議会の廃止
・Gマーク事業を(財)日本産業デザイン振興会に移管(民営化)
2003年
・戦略的デザイン活用研究会報告書「競争力強化に向けた40の提言」

ブランド確立のためのデザインの戦略的活用支援、デザインの企画・開発支援、デザイン情報インフラの確立・整備、意匠権等の権利保護の強化、実践的人材の育成、国民意識の高揚などに関する40項目を提言。

2007年
・キッズデザイン賞の創設
・感性価値創造イニシアティブ策定「『感性☆(きらり)21』報告書」

感性の働き、感性価値とは何か、感性価値はイノベーションと成長のドライバー、感性価値創造における日本の強みと弱み、感性価値創造の方法論、感性価値を活用した将来系のビジネスモデル、感性価値の高いものづくりとサービス実現のために、など提言。

2008 年 ~2010年
・「感性価値創造イヤー」として、 感性価値創造の実現に向けた施策を重点的に実施中。

[1] 前身は意匠奨励審議会(1956年設置)、1978年に輸出検査及びデザイン奨励審議会に改組

お問合せ先

商務情報政策局 クリエイティブ産業課 デザイン政策室
電話 03-3501-9259(直通)
FAX 03-3501-6782

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
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