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AJI PROJECT

活動概要

  • 活動名:AJI PROJECT
  • 所在地:〒761-0121 香川県高松市牟礼町牟礼209-1(高松市牟礼庵治商工会)
  • 結成:2012年(平成24年)
  • 参画事業者:庵治の石材加工職人 10名
  • 活動概要:庵治石を用いた生活用品の開発

HP

本事例についての問い合わせ先

  • 電話:087-845-2835(高松市牟礼庵治商工会)
  • FAX:087-845-2839(高松市牟礼庵治商工会)
  • メール:contact@aji-project.jp

 牟礼・庵治地域は歴史ある石材産地ですが、どのようなきっかけで新しい商品開発をしようとの機運が生まれたのでしょうか。

牟礼・庵治地域は平安時代から続く石材の町です。八栗五剣山から産出される花崗岩は優美な光沢があり、「庵治石」として銘石の地位を築いていきました。このような地理的環境の中で、採石事業者、石材加工事業者、石材専門商社と石材を製品に仕上げていく上での一連の事業者が集積するようになりました。銘石としてのブランドと加工の技術力もあり、黙っていても仕事が来るような時代もあったわけです。
しかし、生活様式の変化もあり、昭和40年代から徐々に石材の需要が減るようになりました。市場に対して従来どおりの商品しか提案してこなかったとの反省もありますが、産地として住宅や庭園の洋風化、土地事情の変化に対応することができませんでした。また、需要は減っても、生活ができる程度の売上は残ったということが産地としての対応を遅らせた面があります。今いる職人は続けていけるが、後を継ぐ者は二の足を踏む、そして気づけば、後継者も少なくなり、職人の高齢化が進んでいました。
遅きに失した感もありますが、地場産業をどのように持続させていくか、石材の需要をどのように伸ばしていくかを真剣に考えなければならなくなり、平成21年頃から産地として新商品を開発していく流れが生まれました。
 

平成24年のAJI PROJET始動に至るまでの取組内容を教えていただけますか。

第一の転機は、国としても地域資源振興に力を入れ始めたことです。平成18年には地域資源全国展開プロジェクト事業も始まり、これを活用しようという動きが産地に出てきました。施策の草創期ということもあり、地域資源=農産物という意識も強かったのですが、そのような中で産地として準備活動を進め、平成21年にグルメ&ダイニングスタイルショーに石製の生活用品を出展するまでに進みました。
この展示会もどちらかと言うと食品がメインの展示会だったのですが、そこで石製品の独特な存在感が目立ったのかもしれません。出展していた石臼のコーヒーミルがダイニンググッズ部門で大賞を受賞したのです。これには出展している私達も驚きました。
商品としてきちんと仕上げれば、石という素材は受け入れられると感じたのですが、産地として持続的に発展していくためには、一つのヒットだけではなく、産地に属する事業者全体の底上げ、継続的な商品開発が必要です。しかし、このコーヒーミルに続くものがなかなか出てきませんでした。展示会には継続して出ており、製品に対するバイヤーの評価も好意的なものが多かったのですが、生活用品としては価格が高かったこともあり、販路も限定されと、製品は評価されても手にはとってもらえないという状況で、産地全体の事業としては成功と言える結果が出ませんでした。
このような停滞期を打破するきっかけとなったのが、リアルジャパンプロジェクトの河内 宏仁氏との出会いです。展示会に出展すれども、具体的な商談が生まれずといった状況の中、展示ブースを訪れた河内氏が「庵治石はもっと売れる、売ることができる」と言ってくれたのです。このような評価をしてくれたのは同氏だけでした。現在の取組で良いのかと悩んだ時期も経て、平成24年から同氏に商品開発の協力を依頼しました。これが現在のAJI PROJECTです。「暮らしに寄り添う庵治石」をコンセプトに活動を始めました。
 
(庵治石の石臼コーヒーミル)
 
 
 

AJI PROJETを進めていく中で気を付けた点はありますか。

河内氏から紹介いただいたデザイン事務所「MUTE」のイトウケンジ氏、ウミノタカヒロ氏と商品のブラッシュアップを始めたのですが、お二人に全てまかせきりにするのではなく、両氏と職人達とのワークショップ形式で進めることを心がけました。確かに、プロのデザイナーの手にかかれば良い商品が生まれます。しかし、産地として持続的に発展してくためには、自分達でも新商品を考えられるよう思考形態に変わっていく必要があります。特に、これまでの石材加工は発注元の仕様に基づいて商品を仕上げていく仕事がほとんどで、自分達で商品を考える・提案するということがありませんでした。下請体質から脱却し、自立的な産地になっていきたいのです。
当然、仕様どおりに仕上げるといったことが当たり前だった中で、自由に考えてくださいと急に言われても、そうそうアイディアが浮かぶものでもありません。MUTEのお二人から、住宅雑誌、インテリア雑誌を手に「この写真の部屋にあっても違和感がない石製品は?」「玄関周りではどのような商品が考えられるか」等、様々な宿題をいただく中で、徐々に職人達からも意見が出てくるようになりました。
また、「庵治石」という素材をどのように魅せていくかにもこだわりました。牟礼・庵治の職人は技術には絶対的な自信があります。石に関する仕事であれば、どのような発注であっても対応できるでしょう。ただ、この「ものづくりのプライド」が邪魔をすることもありました。どうしても、細部の加工にまでこだわってしまいますし、素材感を残すためにあえて手をつけないということがなかなか理解できませんでした。庵治石の素材感を残すことと商品としての完成度、これを両立させたデザインについてはMUTEのお二人から様々なアドバイスをいただきました。
AJI PROJECTを通じて、下請体質からメーカー体質へと変わっていけるように心がけています。
 
 (庵治石の自然な風合いを活かした花器)
 
 

AJI PROJETを1年余り続けてきた中で、どのような教訓を得られましたでしょうか。

商品は開発して終わりではなく、開発後の流通も考えていかなければならないということに改めて気づかされました。
現在の商品は、従来の大型な石製品を製造した際に出る端材を多く活用しています。また、加工は職人の手作業ということもあって、コストに対する意識が低かったです。商品開発時にも、加工手間賃を考えた値付けをしたつもりだったのですが、いざ商談となり、まとまったロットでの発注が来ると、「手間と時間をかけて、この卸値段は難しい」と思うことがありました。事業として続けられる価格設定をしていくことの重要性、自分達の商品はどれくらいの価格までなら受け入れられるかをしっかりと考えていく必要性を感じました。
また、発注が来て、製造をしてとなると、次はパッケージして出荷となります。こちらも、今までの石製品の出荷にはパッケージの意識はなく、いいところ荷造りという感覚でした。小売店の店頭に並んでもおかしくないようにするのはもちろん、AJI PROJECTとして一体感も必要となります。商品本体だけではなく、流通段階の対応も考えなければいけないということが分かりました。


  

現段階で認識している課題を教えてください。

どのようにすればAJI PROJECTを事業として独り立ちさせることができるかを考えています。
AJI PROJECTに参画している職人の多くは一人親方です。共同事業を行っていくための人的資源も限られているところです。現在は、牟礼庵治商工会が事務局、ご協力いただいているリアルジャパンプロジェクトがプロジェクトマネジメント・セールス・広報を行っているという状況です。AJI PROJECTの成果を参画事業者それぞれが事業として位置づけ、取組を進めていくためには、活動の母体となる営利法人が必要なのではないでしょうか。
まだ、AJI PROJECT商品の売上見込みも分からない状況ですが、今後、倉庫等の固定経費、出荷管理をするための人件費を詰めていき、事業化に向けた調整を進めていこうと考えています。
 

最後に、今後の意気込みをお願いします。

生活様式が変わった、石材需要が減ったと手をこまねいているだけでは、産地は自然消滅しています。受け身ではなく攻めの姿勢で、現代の生活に合う石製品のあり方、庵治石のある暮らしの良さを発信し続けます。
今年の6月には、インテリアライフスタイルリビング(IFFT)にも出展しました。石製品は風雨に強い特色がありますので、リビングからガーデンまで彩ることが可能です。「暮らしに寄り添う庵治石」の実現に向けて、これからも商品を開発・提供していくつもりです。

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2014年8月11日
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