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えどがわ伝統工芸産学公プロジェクト

組織名

  • 江戸川区 生活振興部 産業振興課

プロジェクトHP

本事例についてのお問合せ先

  • 生活振興部産業振興課計画係
    東京都江戸川区中央1-4-1
    電話:03-5662-0525
    FAX:03-5662-0812


プロジェクト発会式の様子


デザイン提出の様子


試作品提出の様子


新作発表会の様子


新商品「灯火」(H24年最優秀賞)


報告書・カタログ

「えどがわ伝統工芸産学公プロジェクト」のあらましについて教えてください。

従来、伝統工芸に関する施策は、文化財としての維持保存に主眼が置かれていました。しかし、2002年に策定された江戸川区長期計画の中で、これまでの文化財保護的な支援に加え、伝統工芸を「産業」として振興を図る旨の方針が示されたことをうけて、2003年から本プロジェクトを開始しました。2013年の時点で11年目を迎えます。

「産業」として振興していくためには魅力的な商品づくりが必要です。そこで、美術系大学とのコラボレーションによる新商品開発を考えました。工芸者だけではなかなか新しい発想が生まれにくいことから、美大生という若い世代の発想を取り入れることによって、より現在の生活様式や感性にマッチするデザインの商品を作ることができるのではないかと考えたのです。

プロジェクト開始時には多摩美術大学、女子美術大学、東京造形大学の3校の学生にデザイン提案をお願いしました。(現在では女子美術大学と連携して実施しています。)

また、江戸川区はあくまで事務局として本プロジェクトのための予算確保や連絡調整など、裏方的な役割を担当しています。

参加する工芸者はどのように選ばれているのでしょうか。

区内にある伝統工芸者の団体である、江戸川区伝統工芸会、江戸川伝統工芸保存会に所属している方々を対象とし、参加は工芸者の希望によって決まります。高齢のためにプロジェクトに参加することが体力的に難しい方、またプロジェクトをきっかけとして脚光を浴び、受注が増えたため、本業で忙しくなってしまった方など、参加が難しい方々も中にはいらっしゃいます。そういった理由からプロジェクトへの参加は、あくまで工芸者の方々の意思に任せています。

参加する学生にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

本プロジェクトは年度当初にスタートし、学生は一年間をかけて工芸者とともに商品を作っていきます。大学では、本プロジェクトをカリキュラムに組み込んでおり、学生の取組が単位認定に反映されるようになっています。

大学の先生方からは学生の勉強になる事業であると評価していただいております。その理由は、表層的なデザインだけのプロジェクトが多い中で、本プロジェクトでは実際に工芸者の方が学生のデザインを形にしてくれること、そして、商品化されるとインターネットショップや商品カタログ等には学生の名前も載せてもらえること、さらに売上げに応じたロイヤリティーも支払われること、つまり学生がデザイナーとしての仕事が一貫してできるからです。

また、学生は本プロジェクトでの取り組み経験や成果内容を就職活動の際のPRに使えるメリットもあるそうです。

実際の商売に繋げるために、どのような工夫をしていますか。

プロジェクト新商品は、まず、毎年1月に区内で開催されている新作発表会にてお披露目となります。その後、2月にビッグサイトで行われている東京インターナショナル・ギフト・ショーに出展されます。商品開発のスケジュールは、工芸者の本業を圧迫しないように、ある程度、工芸者と学生との関係で自由に取り組めるようにしています。また、工芸者としても、自身の販売促進活動であることを意識してもらい、主体的に取り組んでもらうようにしています。美大生には工芸品の特徴・技術をよく理解したうえで、販売ターゲット・使い方・素材・販売価格等も考えながら商品開発の提案をしてもらっています。

なお、当プロジェクトは2008年にグッドデザイン賞「新領域(先駆的、実験的なデザイン活動)」を受賞しました。これは、特定の製品ではなく、当プロジェクトに対する受賞という画期的なものであり、これにより当プロジェクトで開発した商品すべてにGマークをつけることができるようになりました。受賞後も、Gマークに相応しい質の高い商品を生み出し続けています。

2010年から「えどコレ!」をはじめとした販売促進事業を立ち上げていますが、経緯や取り組み内容について教えてください。

伝統工芸品の新たな販路先として、2007年にプロジェクト開発商品を販売するインターネットショップ「SHOPえどがわ伝統工芸+」を立ち上げましたが、独自サイトということもあり、アクセス・売上共に伸び悩んでいました。この状況を、なんとか改善していかなければと考え、2010年に伝統工芸品だけでなく、江戸川区の名産品をトータルで販売するインターネットショップ「えどコレ!」として、楽天市場上に開設しました。運営は、民間のノウハウを活用した販売促進を図るため、プロポーザル方式で選定した企業に委託しました。購入者にメールマガジンを送るなど、継続的に取り組むことによって、順調に販売額を増やしています。

また、「えどコレ!」だけでなく、販売店舗の拡充やイベント、商品カタログ作成等の販売促進事業全般についても、委託企業に取り組んでもらっています。2012年のギフトショーでは、初めて買取店舗との契約が成立しました。今後の販路先拡大や在庫管理のことを考えると、できるだけ買取契約を増やしていきたいと思っています。

さらに、直近では、「ある工芸者のお子さんが本業を継ぐことが決まった」という話を聞きました。伝統工芸産学公プロジェクトや販売促進事業をきっかけとして、多くの後継者が育ちつつあることは大きな成果だと捉えています。

東京インターナショナル・ギフト・ショーをはじめとする、販路開拓の取り組みについて教えてください。

2004年から東京インターナショナル・ギフト・ショーに出展しています。以前はプロジェクトの新商品だけを出展していましたが、2012年より「えどコレ!」として出展するようになりました。「えどコレ!」として出展することで品揃えが大きく広がり、新たな契約につながっています。また、営業や商談、在庫のリスク管理等についても、委託企業に一元化することで、よりビジネスに結びつきやすい体制を構築しました。また、委託企業の人脈を使った販路開拓も数多く行っています。

このような取り組みを続けたことにより、2013年には数店舗の百貨店から「えどコレ!」としての出店オファーが来ています。

バイヤーやお客様からの反応はいかがですか。

過去の新商品や既存商品の蓄積によって、商品のラインナップが充実してきました。小売店やバイヤーの方が豊富な品揃えの中から選択できる状況ができていると考えています。実際にギフトショーでは、バイヤーの方から、「これだけの品揃えがあるのは魅力的だ」と言われます。

また、ある工芸者が毎年出展するイベントでは、「美大生がデザインした今年の新商品はどれですか」と、お客様が楽しみにしていただいていると聞いており、新商品開発の重要性を再認識しています。

販売促進事業のブランディングはどのように行っていますか。

委託企業の人脈に安藤竜二氏がおり、販路先の開拓や店舗に置く商品の選定、イベントの企画等のサポートをしていただいています。また、工芸者自身のブランド化についても、同氏が提案し、行っています。

海外展開についてはどのようにお考えですか。

現時点では国内の販路開拓に手一杯の状況ですし、まだまだ国内で取り込める需要はあると考えています。

ただ、海外展開についても条件面が合えば販路先として考えています。例えば、受注生産で在庫リスクのない米国のアマゾンには出品しています。他にも、過去にフランスのジャパンEXPOに「えどコレ!」として出展しました。その結果、実際に代理店からのオファーがあり、現地のセレクトショップでの販売につながっています。

ある工芸者は「将来、海外で実演販売をするのが夢」と語っており、国内や海外を問わず、今後も様々な販路先を模索しながら取り組んでいきたいと考えています。

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2013年5月28日
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