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株式会社二葉

会社概要

  • 株式会社二葉
  • 本社所在地:〒161-0034 東京都新宿区上落合2-3-6
    電話:03-3368-8133 FAX:03-3368-8133
  • 創業年:大正9年(1919年)
  • 代表者:小林元文
  • 資本金:10,000千円
  • 事業概要:染色加工業

会社HP

本事例についてのお問合せ先

商品画像商品展示の写真

 

御社の海外展開の経緯について教えて下さい。

08年から継続的にパリのメゾンエオブジェ(秋、冬2回)に出展しています。初年度はJETROの支援を受けて出展しましたが、その後は単独で出展しています。JETROブースで出展するメリットは通訳の手配やブースの施工を一括してお願いできるところですが、一度経験すればその辺のノウハウは分かったので、単独で出ています。また、主催者(ホール担当者)は、年2回出展する事業者を優先して良い場所を充ててくれるし、継続して出展していればそれだけ交渉力は強くなると思います。

そもそもなぜ海外の展示会に出展しようと思ったのでしょうか。

海外展開することを決めたのは、日本の市場が成熟してパイの食い合いになっており、危機感を抱いたからです。染め物に関しての競合は世界中にいますが、その分、理解者も世界中に多くいますし、「kimono」というキーワードは全世界の言葉になっているので、そこが強みになると考えました。したがって、海外での販路を開拓することが目的です。また、海外の展示会に出展する際の目標としては、扱っている商品自体がそんなに量が出るものではないので、まずは継続出展すること、つまり、経費をペイできるようにすることを目指しました。経費を節約する努力としては、例えば、現地スタッフは人脈を辿ってできるだけ安い方を見つけたり、ブース(3m×3m)の施工は照明や什器を自前で持ち込んだりしています。商品の受注をとるために出展しているので、ブースの内装デザインにはそこまで費用はかけていませんが、できる限り見せ方の工夫はしています。また、ブースを構えているホール1はエスニック商材のカテゴリーで、セレクトショップや百貨店などのプロのバイヤーがしっかりと商品を見てくれるので、ブースの内装よりも商品力で勝負できていると思います。結果、1回の展示会出展に係る費用は80万円程度に抑えられています。

展示会に出展するに当たって、どのような姿勢で臨んでいますか。

展示会には小物、雑貨を中心に出展しています。当社の小物や雑貨の売上げのうち、海外売上げは半分程度を占めるまでになっています。単価を安くするために、ディストリビューターや商社を通さずに小売店と取引をしています。メゾンエオブジェは国内の展示会と異なってバイヤー側も安くない入場料を払って来場します。すなわち、バイヤーとしても商品購入のために必要だからこそ来場するということです。国内と比べて、バイヤーの真剣度が違います。例えば、1日目には予め買うと決めていたものを買い、2日目以降、残りの予算で新しい商品を買う、というように、最低でも2、3日間の中で予算を振り分けながら買いに来ています。したがって、1日目、2日目のアピールが大事です。他のブースでも1日目、2日目だけスタッフの人数を増やして対応しているところもあります。

また、秋の展示会はクリスマス商戦向けの受注を取るために、冬の展示会は少しテストマーケティング的な要素を入れて対応しています。秋の展示会の方がバイヤーの真剣度が違うので、生産・在庫管理についても、例えば9月受注→10月仕入れ→年内販売というスケジュールを立てて、展示会に臨んでいます。また、秋の展示会では、受注がある程度固まるので、売れ筋商品の把握ができます。

海外の展示会に出展すると日本人同士の繋がりができるので、バイヤーや代理店に関する情報交換をしています。また、日本人以外の出展者との情報交換も大事にしています。

展示会の体制は、私自身と妻と現地スタッフ1名の3名で対応しています。現地スタッフには、展示会や新商品の案内をお客様にお送りしたり、商談、発注の取りまとめ、在庫確認、入金、発送等について、1年を通じてフォローしてもらっています。その他にアテンドスタッフが数名います。

海外で事業活動を行うに当たって、工夫していることはありますか。

現地で邦銀のユーロ口座を開設しており、その口座を通じて、現地での取引は決済しています。取引先の多くは小口であり、インターネット上で入金しているので、そのようなニーズに対応しています。以前はそのような口座が無かったがために、入金手続が煩雑で、取引がキャンセルになってしまったことがありますが、今はそのようなことはありません。また、窓口はないので現金の引き出しはできませんが、現地での経費支出は全て小切手で決済できます。

また、会場外に1㎡の倉庫を月額30ユーロで借り、そこに展示会で使う什器や在庫をおいています。毎回輸送費をかけて手続きをして国内から持ち込むより、格段に便利ですし経済的です。一度、国内から送り出した荷物が現地に届かなかったというトラブルがありましたが、そのような運搬に係る心配も無くなりました。

御社のブランディングに関する取り組みについて教えてください。

染めることの面白さを広めることにより、染め物に対するファンを作ることを基本に考えています。国内では、工場を開放して見学できるようにしたり、染め物教室を週2回実施したり、町ぐるみで染め物を中心にしたイベントをしたりしています。海外では、取引相手の小売店さんにファンになってもらうことが大事なので、染め物の歴史や意味合いを分かってもらえるように、工程の写真や染色の道具、作業動画を使いながら、丁寧な説明を心がけています。

フェイスブックはこまめに更新していますが、だんだんとボディブローのように効いてきています。例えば、フェイスブック上で出会った何年も取引の無かった呉服屋さんと取引を再開したりというように、BtoBの繋がりができはじめています。また、携帯端末向けのゲーム「コロニーな生活」の提携店として選ばれたことで、直販店の売上げが5倍程度になりました。スポンサーには伝統的工芸品関係の事業者が多数入っています。このゲームのメリットは、実際にお客様がお店に足を運んでくれるので、工場を見学したり、イベントに出たり、友達を誘ってくれたりと、輪が広がっていくことだと思います。

商品画像

御社の商品開発について教えてください。

スカーフ等の単価の高い商品に関しては、デザイナーと協業しています。小物、雑貨などの単価の低いものはデザイナーは使っていません。デザイナーとは対等な関係を築くことが第一だと考えています。デザイナー主体のものづくりをしてしまうと、売ることが疎かになりがちだと考えるからです。

以前、着物は素材として売っていくことを考えましたが、着物を素材として使うと原価として高すぎること、生地幅が狭いものしか作れないので、生地幅が広い素材との関係で商品力が劣ることから、断念しました。

御社が現在の事業を行うに至るまでに、過去、どのような転機があったのでしょうか。

バブル崩壊前までは、メーカーに近い1次問屋と呼ばれる呉服問屋さんとの付き合いしかなく、生地や型紙も呉服問屋さんから送られてきて、後は染めるだけという下請けのような事業をしていましたが、バブル崩壊後、商品が売れなくなると、発注数を減らされたり、卸値を下げられたりという交渉が続きました。また、問屋さんは次々に淘汰されていき、リスクとなる在庫もどんどん川上に寄せられるという状況が続く中で、メーカーとしては直接小売りに繋がらざるを得なくなりました。そこが当社の転機となり、原材料の調達や商品企画、PR等の必要性が生じ、また展示会出展などの営業的な発想も出てきました。原料の調達先や小売店との繋がりを作るのが大変でした。直接小売店と取引をすることで、問屋さんから圧力がかかったこともあります。また、商品の企画については、小売店に近い前売問屋さんに相談しても安く仕入れて高く売れる「化ける商品」(話題になる商品)が欲しいとだけ言われるだけだったのですが、呉服屋さんに行くとお客様に一番近い情報を入手できたのでとても参考になりました。問屋さんと末端の小売店の市場認識に差があることが分かりました。今も、市場に近い人、商品を買った人、いつか商品を買おうと思っている人の意見を大事にしています。

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2013年5月7日
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