経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

株式会社我戸幹男商店

会社概要

  • 社名:株式会社 我戸幹男商店
  • 本社所在地:〒922-0107 石川県加賀市山中温泉上原町ヨ 58-1
    電話:0761-78-4421 FAX:0761-78-5543
  • 創業:明治41年
  • 資本金:1,000万円
  • 事業概要:山中漆器の企画、製造、販売など

会社HP

本事例についてのお問合せ先

株式会社 我戸幹男商店
電話:0761-78-4421 FAX:0761-78-5543 E-MAIL:info@gatomikio.jpメールリンク


展示会風景


「Karmi」シリーズ


「Karmi」製作風景


「TURARI(つらり)」シリーズ

御社が新たな活動を行うことになったきっかけを教えてください。

当社は、従来、茶托や菓子鉢など和室で使用される商材が主で、百貨店や専門店の問屋さんとの取引が中心でした。しかし、六本木ヒルズや丸ビルといった大規模商業施設が台頭し、百貨店等の従来の小売業の売上げが落ち込んでいる中で、今までの販路に限界を感じました。そこから、新しいことを何かはじめなければならない、と考え出しました。ただ、何かしようと思っても、新商品の開発や販路開拓など、何から行えば良いのか全く分かりませんでした。

そのような中、伝産協会(一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会)が主催する伝統的工芸品活用フォーラム事業(伝統的工芸品の製造者とデザイナー等とのマッチング事業)に参加しました。そこで出会ったデザイナーの方に対しては、奇を衒ったり、流行に流されるような商品ではなく、当社の既存の商品のリ・デザインをして欲しい、とお願いしていました。

デザイナーの方との協業による商品開発の成果はいかがでしたでしょうか。

フォーラム事業の1年目に開発した「shiran」は思ったように売れませんでした。原因は、当時は未だ従来の販路しかなかったことと、デザイナーの方の提案通りにものづくりをしてしまったことだと考えています。

また、2年目には球体のスピーカーを開発しましたが、これも売れませんでした。展示会での評判は上々だったのですが、面白い商品だが値段が高いことがネックだったと考えています。通常のスピーカーの上代価格がそのまま原価になったのが、価格が高くなった原因で、漆器とは畑違いの商品になってしまいました。

そのような中、南部鉄器のロジアソシエイツ社の岩清水昌氏と出会い、鉄瓶に合う茶筒を作ってみないかと誘われました。また、初めは海外展開は考えていなかったのですが、海外で評価されると国内での見られ方が変わる、という話を聞いたことから、海外での活動も考えるようになりました。

それを受けて、フォーラム事業の3年目には、福井県に所在するデザイン会社のTHINGSにデザイン協力をしていただいて、茶筒「Karmi」を開発しました。これをもって、2010年2月にドイツ・フランクフルトのアンビエンテに、岩清水氏のサポート(ブースの間借り、商談、メール対応、運送など)を受ける形で出展しました。しかし、価格が高いことが原因で、売れませんでした。

販売に結びついたのは、何がきっかけでしょうか。

日本に戻ってから、グッドデザイン賞に応募したところ、中小企業庁長官賞をいただくことができ、それがきっかけで、国内での見られ方が変わりました。具体的には、国内のデザインナイズされた小売店から直接オファーが入るようになりました。

そして、翌年の2011年にもアンビエンテに出展し、デザインプラス賞にエントリーしたところ、受賞することができました。これは、前年にグッドデザイン賞を受賞したことにより、商品にGマークを貼ることができるようになったのですが、そのような日本国内での受賞歴が、国外でも評価されたのだと考えています。

そこから、ようやくアンビエンテでの受注が入り始めました。現地で代理店も見つけ、販売しています。

また、2012年には、ドイツ連邦デザイン賞の銀賞を受賞しました。これにより、海外メディアが取り上げてくれるようになりました。

国内外で評価される前後で、営業活動にどのような変化がありましたか。

当社は従来、現状の得意先を回るルート営業と新規を開拓する際の飛び込み営業だけでした。それらに限界を感じ国内の展示会(インテリアライフスタイル、インターナショナル・ギフト・ショー)に出展するようになってから、従来の営業手法を一切止めて、その分の資金を展示会の資金に回しました。とにかく、新たな商品が受け入れてもらえる販路の開拓に注力しました。なお、同時に、活用のし易い自治体の補助金も使っています。

国内外で評価されるようになってからは、取引したい相手の方から来てくれるので、営業が格段に楽になりました。海外からのオファーは、各国の販路を持っている事業者(米国:モリハタインターナショナル、欧州:ロジアソシエイツ、ドイツ:シュシュ等)に任せています。ただ、誰とでも取引をするのではなく、ブランド維持の観点からは、取引をしようとする相手が、本当に当社の商品について理解をしているか、信頼が置ける相手か、商品に合った販路を持っているか、などを見極めることが重要です。

なお、取引相手の競合関係に配慮しながら営業をすることも、信頼関係の構築のために必要なことだと考えています。通常、小売店は、ライバル店に入っている商品と同じ商品を入れるのは避けますし、そのような小売店側の考えを認識した上で、営業することが大事です。

商品の良さを伝えるために、どのような取組をしていますか。

自社がどう見られているか?が大事だと思っています。具体的には、取引相手とのコミュニケーションツールを重要視しています。人脈を通じて、web、ロゴ、商品写真、カタログなどを作りました。また、製造している現地で、製造工程や商品を見せることが、交渉の際には重要だという考えから、地元の山中にショールームを作る予定です。

また、商品開発でも、山中漆器の強みである拭き漆の技術や、その技術を支える木地の良さが伝えられるようなものを作っています。例えば、木地作りの技術を活かした商品として、限界まで薄く挽いたカップを開発したところ、展示会では大好評でしたし、そこで初めて、山中漆器の良さが伝えられたのだと思っています。

その他に商品の製造・開発において気を付けていることはありますか。

どのような商品を作るにしても、職人の方々のモチベーションが大事です。そのためには、いかに職人の方々の加工賃を上げるかを考えなければなりません。そのような観点から、展示会ではできるだけ小売店との直接取引を掴むことを目標としています。川下との取引が多くなればそれだけ商品の利益率が上がり、職人の方々に還元できるからです。

また、商品開発の際にデザイナーの方と協業することが多いですが、デザイナーの方に全てお任せするのではなく、対等の関係を構築することが大事だと考えています。商品は外観だけで売れるのではなく、商品のストーリーや見せ方など、商品を取り巻く環境全てを考えることが必要です。そのためには、価値観の合う方を選ぶようにしています。また、デザイナーの方に依存しすぎないため、マンネリ化しないために、敢えて、色々なデザイナーの方と協業するようにしています。

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2013年7月25日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.