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株式会社玉川堂

会社概要

  • 社名:株式会社玉川堂
  • 本社所在地:〒959-1244 新潟県燕市中央通り2丁目2-21
  • TEL:0256-62-2015 FAX:0256-64-5945
  • 代表者:七代目当主 玉川基行
  • 創業:1816年
  • 事業概要:銅製器物(鎚起銅器)の製造

会社HP

本事例についてのお問合せ先

TEL:0256-62-2015


 

今回は、日本を代表する金属加工地の燕市で、1枚の銅板を鎚で叩き起こして銅器を製作する「鎚器銅器」(ついきどうき)の伝統技術を約二百年に渡り継承している株式会社玉川堂様にお話しをお伺いします。
まず、御社の販路開拓に関するお取組について教えてください。

 私(7代目当主 玉川基行氏)が平成7年に入社した際、当社の売上はピーク時の1/3にまで落ちていました。当時の主な製品は、花瓶や飾り皿等、企業の記念品向けの製品が多く、しかも、地元問屋を通した取引のため、お客様の声が聞こえず、商品開発も行き詰まった状況でした。
 そこで、まずは流通の仕組みを大きく変える必要性を感じ、三越、伊勢丹、高島屋などへ、アポ無し飛び込み営業を行い、百貨店と直接取引を行いました。実演販売を通してお客様から直接意見を聞き、商品開発のあり方を徹底的に見直しました。その結果、カップや酒器を作るというアイディアが生まれ、既存の茶器製品は、使いやすさを追求し、機能性が高まりました。さらに、昨年8月には青山の骨董通りに直営店をオープンし、お客様の声をダイレクトに聞けるようにしました。
 

直営店を設けた狙いは何でしょうか。

 百貨店の場合、担当者は数年で変わってしまい、また、非常に多くのメーカーの商品を抱えているため、それぞれのメーカーの価値観や商品知識を全て理解することは難しいものの、直営店の場合は専属スタッフであり、お客様に対してしっかりとした説明が出来、さらには、より信頼関係も構築されます。当社は、今後も直営店展開を増やしていく方針です。
 また、当社は外部のデザイナーを活用することがありますが、基本的に自社の中で職人自ら新商品のデザインを行います。そして一人の職人が全行程に責任をもって製作し、売場にも立つことがあります。そのため、職人はお客様の生の声を得て、次の製品に繋げていくことができるのです。
 
 
鎚起銅器の製作には、鳥口(鉄棒)、金鎚など様々な道具を使用します。
 

御社は海外展開も積極的に行っていますが、その際に重要視していることは何でしょうか。

 海外の見本市には10年前より世界最大の消費財見本市であるドイツの「アンビエンテ」、フランスの「メゾン・エ・オブジェ」などに、毎年出展しています。このような見本市ではよほど差別化できる商品を展示しないとバイヤーの目には止まりませんが、日本の伝統素材、伝統技術を駆使した商品、かつ、その国の文化に適応した機能性の高い商品には注目が集まります。
 ただ、その後の現地ディストリビューターと契約するなど、商流をあらかじめ確立させておく必要があるものの、多くのメーカーはそれが出来ていないため、出展して終わりというケースがほとんどです。商品開発と流通開発をセットで考えていかないと、海外見本市出展の意味はありません。弊社の場合は、国内同様海外でも、ディストリビューターなど中間業者は経由せず、海外小売店と直接取引を行なうシステムを確立しました。
 
 海外進出をはじめて10年以上経過し、ようやく海外から多くの取引依頼が来るようになりましたが、全て受け入れるのではなく、信頼できる企業を選定して取引しています。さらに信頼関係を構築していくためには、先方に実際工房を見ていただき、モノづくりの想いをしっかりとお伝えしていくことも大切です。当社の建物(店舗、土蔵、鍛金場等)は国の登録有形文化財(構造物)に登録されていることもあり、外国人の方々がご来店されるケースも増えました。
 また、海外からのお客様は今後も急激な増加が見込まれます。そのため、英会話教師を招待し、社内で英会話レッスンを行い、スタッフで語学学習を行っています。
 

どういった国からの引き合いが多いですか。

 アジアが中心で、ロシア、アメリカ、欧州などが挙げられますが、最も売上の高い都市はモスクワです。モスクワは富裕層が多いだけでなく、親日家が多いことも特徴です。また、ニューヨークには当社ビジネスパートナーがおり、ニューヨークで直営店開業を目指していますが、将来的には、パリやロンドンでも開業したいと考えています。当社の海外売上は約25%ですが、当社青山店、国内百貨店などでも外国からのお客様がお買い上げになっており、当社売上の半数が外国からのお客様のお買い上げです。

 
ワイングラス(ボルドー 銀色)
 

今後も伝統技術を引き継ぐために後継者育成も重要ですよね。どのようなお取組をされていますか。

 現在職人は16人、今年3月には2名増えて18名となります。一人前になるまでに20年~30年かかります。各々伝統技術の向上に取り組んでもらうため、勤務時間外や休日も工房を開放し、日々切磋琢磨しています。毎年、全国から美術系大学生を中心に、約20人の志望者がありますが、その中から2人程度採用しています。最近はほとんどが女性で、毎年女性を採用しています。これからは女性目線のモノづくりで、商品と市場を開発していきたいですね。人材確保は企業経営の基板であり、ブランド力と志願者数は比例します。弊社もより強固なブランディングを実践していくことで、有能な人材を確保し、後継者を確実に育成する社内環境の整備も合わせて実践していきたいと思っています。
 
 
鍛金場の様子
 

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2015年2月16日
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