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株式会社浜田兄弟和紙製作所

会社概要

  • 社名:株式会社浜田兄弟和紙製作所
  • 本社所在地:〒781-2136高知県吾川郡いの町鹿敷1226
  • TEL/FAX:088-892-1022
  • 代表者:代表取締役 浜田洋直
  • 事業概要:手漉き和紙の製造及び販売、和紙製品を使用した総合プロデュース

会社HP

本事例についての問い合わせ先




 

株式会社浜田兄弟和紙製作所の浜田洋直氏にお話しをお伺いします。御社の製品について教えてください。

 当社は、江戸時代後期より、伝統の技術を用いて、「土佐典具帖紙(とさてんぐじょうし)」を作り続けています。『カゲロウの羽』とも表現される世界一薄くて強い手漉き和紙です。「hamadawashi(浜田和紙)」として製造・販売しています。
 現在でも、土佐楮(コウゾ)を原料に、全て手漉きで和紙を製造しています。手作業だからこそ、有機物である灰汁(あく)を丁寧にとって繊維だけにすることができ、そのために虫食いを防ぎ強くて長持ちする和紙になります。また、和紙の染色の技術も日夜研究を続けています。



楮の灰汁を手作業で取り除く作業の様子
 


様々な色、模様に染色された和紙
 

御社は長い歴史を有していますが、現在はどのような事業の方向性をお考えでしょうか。

 私(洋直氏)は、人間国宝である祖父(浜田幸雄氏)の後を継ぎ、4代目として、弟(治氏)とともに、新たな商品開発に積極的に取り組んでいます。
 土佐典具帖紙は、過去は日本一の和紙の輸出量を誇っていましたが、明治以降に安価な紙ができて以降、和紙と紙の境目が曖昧になってきました。船で運ぶため、いかに低コストで薄く大量に製造するかに変わっていき、和紙を製造する人が少なくなっていったのです。
 祖父の時代には、もう店を閉めようとも思っていたようですが、そんな時に、土佐典具帖紙を使ってちぎり絵を活性化させようと頑張っていた方から、「自分が頑張るからお店を閉めないで欲しい」と言われたので、祖父を中心とした努力により、事業を続けてきました。
 これまで、祖父が人間国宝であることのブランド力と、唯一の完全手漉きの典具帖紙であるという商品力により、純粋な和紙としての用途以外の用途でも色々と声をかけてくれるところもありました。しかし、なかなかそういったご提案に応えることができませんでした。今後は、様々なご提案に応えられるよう、色々な使い方を提案して見せていきたいと考えています。
 たとえば、包装紙やiPadのケース、インテリア商品など、和物に限定せずに、ユーザーがどういった使い方をしたいのかをつぶさに聞きながら、用途提案をしていきたいです。それを通じて、土佐典具帖紙のブランド化を進めたいと考えています。
 和紙を熟知している私がデザインし、弟が漉く、というように、兄弟でうまく役割分担ができていると思いますし、兄弟だからこそできると思っています。なお、デザイナーの方は和紙ではできないことを提案することがあるので、デザインは自ら行うことにこだわっています。
 


唐草模様の金型の間に漉きたての紙を置き、上から落水させて紙に金型の模様を浮き出させることにより作った和紙
 

製作活動をしながらの営業は大変かと思いますが、営業面でどのような工夫をしていらっしゃいますか。

 まず、営業の仕方として、当社からは積極的に営業をかけません。そうした場合、先方も価格面だけを比較して、より安価な商品を選びがちです。そのような方法は、当社の商品は正当に評価していただき、適正な価格で取引をするためにはふさわしくないと考えています。
 弟と2人でやっている以上、事業活動には自ずと制限があります。急な追加発注への対応が難しいし、伝統的な技法で作っているため、商品の製作は天候にも左右され、一定の量を作り続けることも難しい場合があります。そういったことを理解していただけるお客様でないと、長いお付き合いはできません。
 例えば、あるお客様からは、テーブルウェアを提案して欲しいという提案がありました。職人自身の感性に基づいて、全てこの地で作ることが条件でした。こちらとしても、自らの感性を試されているので緊張感をもって臨めました。
 また、あるお客様からは、和紙を用いた年賀はがきの依頼を受けています。担当の責任者の方が当社の商品や製造技術をとても気に入っていただいて、当社の製造の事情もよくご理解いただいているので、追加発注には対応できないと申し上げても、その上でもご依頼をいただいています。
 このように、伝統の製造工程や技術にこだわりをもった商品開発をしたいというお客様は多くいらっしゃると思います。この地で作る浜田和紙に価値を見いだしてくれるお客様、技術のみではなく自分達の考え方に価値を見いだしてくれるお客様との取引の方が、長続きするのだと考えています。
 

そうするとPRの仕方は慎重に考える必要があると思いますが、どのようにお考えですか。

 メディアへの露出については、当社の商品や技術の内容が伝わるような取材かそうでないかを見極めています。取材をされる方や編集される方が、きちんと浜田和紙の価値をわかってくれる方でないと、当社のメッセージをしっかりと発信していただけないし、そのような取材でないと受ける意味がないと思っています。
 例えば、アットホーム社が提供している『明日への扉』という、わが国が世界に誇る、固有の伝統・文化を紹介する番組があり、その取材は受けました。取材動画は全てyoutubeでも見ることができ、制作者が著作権を主張しないため、当社も自由にその動画をPRに使うことができます。なお、同社社長が日本の伝統的なものづくりをとても好きで、本社ビルを移転した際も、ロビーに展示するために商品の依頼があったところです。
 また、新幹線のグリーン車に置く本の出版会社からの取材も受けました。広告料は無料でしたが、十分に当社の事業内容や考え方が伝わる内容にまとめていただいたので、効果的なPRができたと思っています。実際に、その本を読んだことをきっかけにして、何件か問い合わせがありました。特にグリーン車は、企業において何らかの決定権をお持ちの方が利用されるので、そのような方々へのPRになりました。
 

御社を含め、伝統産業の活性化のためには、今後、どのようなことが必要だとお考えですか。

 別の分野で影響力のある方に、伝統産業のファンになってもらい、私たちとは違う視点から係わってもらうことが、活性化につながるきっかけになると思います。伝統産業の事業者だけで固まってしまうと、どうしても商品の作りの良さにばかり目がいってしまい、デザイン性や用途提案がおろそかになりがちです。あまり伝統の技術を表に出さずに、まずは現時点でお客様からどういったものが求められているのか、とういところから考えると良いのではないでしょうか。伝統技術というクオリティーの高さは、お客様の手に渡った後からついてくるものだと思います。
 例えば、東京・青山のある店舗に置いた当社の商品を見て、あるかばん製造事業者の方から、バックに和紙をつかえないか、といった提案を受けています。こういった異業種の方との交流により、おもしろい商品が生まれていくのではないかと期待しています。
 また、個社の取組になりますが、今、当社は兄弟2人で製造しています。ですが、今後は伝統技術を伝承するために、雇用を考えています。そのためにはまずは売上げを上げて、魅力的な仕事にしていかなければいけません。そのような個々の事業者の努力も必要だと考えています。
 

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2014年4月14日
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