経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

株式会社江戸切子の店華硝

会社概要

  • 社名:株式会社 江戸切子の店華硝
  • 本社所在地:〒136-0071 東京都江東区亀戸3-49-21
    電話:03-3682-2321 FAX:03-3682-2396
  • 代表者:熊倉節子
  • 事業概要:江戸切り子製品の製造、販売

会社HP

本事例についてのお問合せ先

  • 担当:取締役 熊倉隆行

商品画像商品画像商品画像

御社のあらましについて教えて下さい。

20年ほど前、もともと当社は佐々木ガラスの下請でした。しかし、バブルの崩壊とともに佐々木ガラスも倒産し、それを期にBtoBからBtoCへの転換をしました。

また、近年、例えば、08年のサミットの各国首脳への贈答品に選定されたり、内閣府や外務省のお土産品として選定されたことや、従来から海外向けのギフト(特にアジア中心に向けた記念品)として購入されることが多かったことから、そのように評価されているなら海外への直販もいけるのではないかと考え、本格的な海外展開を考えています。

御社の販路の状況について教えてください。

07年に経済産業大臣の地域資源事業活用計画の認定を受け、ランプの商品開発・販路開拓事業を行いましたが、それをきっかけにして、現在までに飛躍的に販路が拡大しました。

また、日本へのツアーで華硝に外国人観光客が来ることもあり、口コミで知名度がアップしています。例えば、海外のホテルで華硝の商品が飾ってあり、そのホテルの紹介で来店する海外のお客様もいます。そのように、人の繋がりで売上が立っていると感じています。

当社は、直販かネット通販のみです。販売当初から卸は通さず、広告・チラシ・雑誌で売り込み、パソコンが市場に出始めた頃に先駆けて、97年から自社ホームページを立ち上げています。

海外展開の構想について教えてください。

海外の文化背景を考慮し、ぐいのみは海外ウケしないという当初からの予想で、一点物の美術品とランプの2点に予め絞って海外展開を行おうと考えています。特に、関税等のコストにより、海外での価格は国内価格の2倍になってしまうので、低価格なものだと割にあいませんので、高額品に絞って展開しようと考えています。

海外進出の手法としては、合弁会社として、シンガポールか香港に現地法人を設立することを検討しています。合弁会社とする理由の一つとして、独資だと現地店舗を借りにくいことがあります。現在、パートナーの選定をしていますが、パートナー選びは結婚と一緒だと考えています。どれだけ当社の商品やそのストーリーを分かってくれているか、対等な関係(50:50)で付き合えるかを選定の条件としています。

現地法人では富裕層向けに直販を行っていこうと思っていますが、生産設備を導入して、現地でも顧客ニーズに即応できる体制を作ろうと考えています。しかし、中国などのアジアでは、ガラス原料の質が悪いため、ガラス自体は日本製を通します。

海外展開に当たって、どのような課題があると考えていますか。

まずは、現地の法律、店舗の立地、顧客ニーズのリサーチが課題だと思っています。法律、経営、物流、知財などに強いコンサルタントを探そうと考えています。

また、富裕層向けの商売なので、どのようにその現地社会にアプローチしていくかが重要だと思っていますが、それについては土地勘のある現地パートナーに任せるつもりですし、それができるパートナーを選ぶつもりです。

そして、資金の問題があります。自己資金だけでは無理なので、事業計画についてJETROや中小機構等にアドバイスを受けつつ、銀行から融資を受けることを考えています。

合弁会社のパートナーを含め、人脈作りはどのように行っていますか。

人脈は、展示会(中小企業総合展等)で次々に広がり、また日頃のお客様からの紹介で関係作りが行えることが多いです。例えば、現在、お客様の中でブラジルに駐在している人がいますが、当社の商品のファンになっていただき、将来切り子をブラジルで売っていきたいと考えてくれています。

欧州などの他の市場はどのように考えていますか。

欧州は、文化背景が異なりますし、どちらかというと作って出す(輸出する)国で、受け入れて(輸入して)売る国ではないので、販売開拓にふさわしくないと考えています。また、現地での販売価格も割に合わず、現在は景気も悪いため、市場性は低いと思います。これについては、過去、ドイツで個展を開いたときや、ロンドンの日本大使館でのイベントを行った時に感じたことです。

一方、BRICsなどの新興国は元気があり、新しいモノを取り入れようとする雰囲気があるので、そちらの方が販路開拓にふさわしいと考えています。

御社の体制について、教えてください。

全社員9名のうち、社長、新人含めて7名が製造者で、他の2名は販売を担当しております。海外のお客様への対応ということであれば、工房に1名、販売に1名、英語を話せるスタッフがいます。

海外のお客様とのやりとりは、お客様自身が通訳を連れてきたり、下調べしていたりするので、片言でも通じる場合が多く、特に言語面では苦労はしていません。また、大使館など、重要なお客様との商談については、リピートを獲得するためにも、前もって英語のレジュメを作成し、想定問答を整えて、きめ細やかに対応しています。

そのように、気働きをとても大事にしています。この商売ではリピーターが重要だと思っているので、訪れるたびに新しく、子どもからお年寄りまでまた来たいと思わせる店内づくりと、人との繋がりの努力が必要だと考えています。スーパーのように単なる物のやりとりではなく、商品がどのように作られ、職人がどんな思いを注いでいるのかなど、商品の背景にあるストーリーを分かってもらう努力が必要です。

製造、商品開発の方針について教えてください。

職人が苦労して考案し、楽しく作ってもらうことが一番大事だと考えています。また、高くてもいいから良いモノをつくることも大事です。逆に、安くて良いモノを作ろうという方針では、技術の選択肢が限られてしまい、面白い商品はできません。また、職人によって商品の個性が違いますが、それもファンを生む要因になっています。

したがって、デザイナーは使いません。当社では製造者自身が商品のデザインを行います。直販を行っているので、お客様のご要望を直接うかがってものづくりに活かせるため、デザイナーを雇う必要はありません。

また、道具の開発も含め、技術開発も独自で行っています。中には独自に開発した道具を使わないと作れないものもあるので、当社の商品だとわかる人にはわかるようになっています。

そして、当社は基本的には受注生産なので、商品の製造のスピードが重要です。電話1本で取引が成立するのも、お客様に当社の商品の品質と納期に信頼があるからだと考えています。手作りの商売だからといって、ゆっくり作っていても良いという訳ではありません。キレイ、正確、スピードの3つを追求する姿勢が重要です。

商品画像商品画像

そのような高度な技術を維持・発展させるために工夫していることはありますか。

伝統的工芸品の世界では、従来、職人の技術を目で見て盗め、という教育システムで、10年かかって1人前になると言われていましたが、それでは若手の育成が遅くなります。

したがって、当社では、5年で一通りのことができるように、ベテラン職員の持つ技術を若手に対してオープンに教える方針をとっています。

伝統的工芸品の現況について、どのようにお考えですか。

伝統的工芸品の職人なのだからモノをつくっているだけで良い、という時代は終わったと思います。伝統的工芸品の世界では、よく「守る」という言葉を聞きますが、技術や時代が進んでいった結果として競争に残った最先端のものが伝統的工芸品と呼ばれているだけであって、伝統的工芸品という概念を頭から捨てないと、新しいものは作れません。

伝統的工芸品の中でも、これから消えていくものも出てくると思います。お客様が買いたくなるようなアプローチをする必要があります。作り手が諦めて、そのような努力もせずに衰退していくことが一番残念なことだと思います。

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2013年5月16日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.