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株式会社ハート

会社概要

  • 商号:株式会社ハート
  • 住所:東京都墨田区錦糸3-14-2(東京本社)
    愛媛県松山市大可賀3丁目150番地8(大可賀事業所)
  • 代表者:代表取締役会長 井川 潤一
  • 創業:1954年(昭和27年)
  • 資本金:9,300万円
  • 事業内容:玩具菓子、季節商品等の企画販売

会社HP

本事例についてのお問合せ先

電話:03-3622-5655

まず、御社の成り立ちを教えていただけますか?

1954年(昭和27年)に輸入菓子の卸売業である井川商店(株式会社イカワ)として松山の地で創業しました。その後、玩具菓子を扱い始め、西日本一円に販路を拡大していきました。
しかし、卸売業には規模が重要であり、大企業が強い世界です。当社の企業規模では卸としては限界があると考え、企画開発部門として株式会社ハートを1983年(昭和58年)に設立しました。徐々に自社開発商品の取り扱いを増やし、玩具菓子メーカーへと業態を変化させてきました。

卸販売する商品の大半が自社開発商品となったことから、2006年(平成18年)に販売部門である株式会社イカワと製造部門である株式会社ハートを合併し、現在の組織形態に至っています。

(玩具菓子)
(玩具菓子)商品写真

  

(季節商品)
(季節商品)商品写真

「玩具菓子」という商品は、玩具でもありお菓子でもあります。子どもにとって身近な商品ですが、安全対策で気を遣われている点を教えていただけますか?

おっしゃるとおり、玩具、お菓子はともに高いレベルの安全が求められる分野です。食品ですので、食品衛生法など多くの関連法規を遵守しなければいけませんし、(一社)日本玩具協会の玩具安全基準(ST基準)にも準拠していく必要があります。どれも、大人が安心して子ども達に与えられる、子ども達にも安全に楽しんでいただくために大事な基準です。

商品企画段階の安全確保、協力工場も含めた事業所の衛生管理はもちろんですが、思わぬところで不適合やヒヤリハットは生まれるものです。これを防ぎ、再発を防止していくことが重要です。このため、当社では社員間の情報共有を進めています。取引先やお客様からいただくご意見、試作段階で気づいた不良、検品時に抱いた違和感等、えてして担当者止まりになってしまう情報について、部署を超えて社員全員が共有できるシステムを構築しています。例えば、組み立て加工時の検品にはパートさんが携わっているのですが、彼女達は消費者としての目線を持っていますので、ちょっとした印刷の汚れ等、社員では大きな問題とは思わなかった点も厳しく指摘してくれます。このような情報を共有し、課題をひとつひとつ解決していくことにより、ヒヤリハットの芽を潰していくことができるのではないでしょうか。

また、会社の事業について、社員全員が当事者意識を持つことも重要と考えています。これがハートの商品だと胸を張れるか、誇りを持って販売できるか、そのような思いを持つことにより、自然と自社商品に対する目も厳しくなります。

安全対策にも現れていますが、御社は社内の情報共有に力を入れているように感じます。その狙いを教えていただけますか?

当社のものづくりは、高い技術力や門外不出の製法を持つようなものではありません。協力して頂く供給者の食品メーカーや雑貨メーカーとの連携によって商品を生み出していくタイプの企業であり、個々の資材の品質管理や、調達管理、各工程管理など、きめ細かな情報のやりとりに、全員が力を合わせ、高い業務品質を守ることで成り立っています。

会社には、様々な業務、部門がありますが、部門間の敷居が高いと、真面目な社員、頑張る社員が多いほど、会社全体の最適化よりも自らが属する部門の最適化に走りがちです。これを頭ごなしに否定するのではなく、どうすれば会社全体の最適化を考えてくれるようになるのかを考え、情報共有の徹底化を進めるようになりました。

現在、安全関連の情報の他にも、各部門が進めている仕事の状況、経営陣を含め全社員の一日のスケジュールまで全員が閲覧できるようになっています。経営者も含め、各部門が何をしていて、どのような考えを持っているかを知ることにより、社員間のすれ違いや情報伝達ミスによるトラブルも少なくなりました。会社全体で良い効果が生まれています。

営業部門が製造部門のスケジュールを考えずに受注する、企画部門が品質管理部門の要求に難色を示す、このような事例が生まれるのは、ひとえに社員間の情報格差にあると考えます。企業規模が一定の大きさになり、各部門の仕事が専門化していくにつれて、部門間で情報が行き届かなくなります。これは、非常にもったいないことだと思います。

営業部門は販売先、企画部門はキャラクターの版権元と、社員はそれぞれ社外の方との接点があります。この際、単に担当者としてではなく、社の全体を見渡せる人材・経営者と同じ視点で話しができるようになればと思っています。全ての社員が当事者意識を持つことによって、新たな発見や成長が生まれることを期待しています。

社員全員が当事者意識を持つことの必要性が分かっていても、それを実現していくのが難しいところかと思います。具体的には、どのような手法をとられているのでしょうか?

当社はパートさんを含めても従業員140人程度の規模の会社です。この規模で、大企業のようなピラミッド型の組織を形成するのは現実的ではありません。当社で目指しているのは円型の組織です。経営トップと一般社員に距離はなく、会社にとっては経営トップも役割の一つに過ぎないことを意識できるように心がけています。このためには、経営のオープン化が重要だと考えています。

経営トップは特別な存在だ、経営トップしか知らないことがある、一般社員には会社の経営方針なんて関係がない、といったことがあると、会社に対して精神的な距離ができるようになります。

当社では、平成8年度から毎年6月に社員大会を開催し、社員、パートさんが全員参加する中で経営計画書の説明を行っています。前期の決算内容等も説明し、自分達が所属する会社がどのような状況にあるかを知ることができるようにしています。一般社員にも経営トップと同じ情報と認識を持ってもらいたいからです。経営に関することは、個人の給与と人事考課以外は全てオープンにするようにしています。

また、会社とは人間の集まりであり、どうしても、個人の相性というものが出てきます。経営に関することはもちろん、様々な課題について、社員が「見える」ようにすることにより、人間関係もある程度円滑にできると考えます。日々の活動記録や会議録、意見箱等、様々な情報を「見える化」することにより、周りから見られているという程よい緊張感が生まれ、俗に言うお山の大将が生まれることがなくなります。他にも、サンクスカードなど、近しい仲でも感謝の思いを伝えやすい環境を作っています。
加えて、仕事の成果も「見える化」することが重要です。当社では、自己資本比率連動型の決算賞与制度を考案し、運用しています。自己資本比率を元にした基準により、会社の純利益の一定割合を社員、パートさんに配分する制度です。経営をオープンにするとともに、会社の成果を手にとって実感できるようにすることによって、社員の当事者意識が高まることを期待しています。

社内人材への事業承継も進めていらっしゃるそうですね。

私(井川 潤一氏)は、創業者一族の出で、いわゆる二代目社長です。当社の事業の特色からしても、経営トップは創業者一族である必要性はなく、以前からゆくゆくは社内の有能な人材に事業承継したいと考えていました。
また、どんなに頑張っても社長になることはできない、最後は創業者一族がトップを押さえているということになると、社員の当事者意識も弱くなると思います。会社の経営には辛いこともありますが、それ以上に自己の成長につながる面白さがあります。社員の中で意志のある人が経営者になれる可能性を作りたかったのです。

創業者一族から他の人材への事業承継にあたっての一番の課題は、経営者の個人保証ですが、こちらも取引先の金融機関の理解によって外すことができました。会社としての利益を確保するとともに、会社を創業者の私物ではなく、組織として独立させていったことも評価されたのだと思います。

本年(2014年)の6月をもって、私(井川 潤一氏)は社長を退き、これまで専務を務めていた堀内が社長に就任いたしました。今後もしばらくは代表取締役会長として経営には関わっていくつもりですが、引き継ぎをしながら新社長を盛り立てて行くつもりです。

最後に、御社が求める「会社のカタチ」を聞かせてください。

社員が誇りを持てる会社となることが目標です。当社には子育て中の社員も多くいますが、「この商品はお父さんの会社が作った」「このパッケージはお母さんがデザインした」と、自分の子ども達に対して誇れるような会社にしていきたいです。
また、そうやって育った子ども達が大人になった後も、会社や商品が変わらずにあって、お菓子や玩具を通じて、みんなが幸せになれるようになれば嬉しいです。

集合写真

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2014年7月22日
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