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株式会社ハーズ実験デザイン研究所

ムラタチアキ氏プロフィール

  • 京都造形芸術大学大学院SDI所長
  • プロダクトデザイン学科教授
  • 株式会社ハーズ実験デザイン研究所/METAPHYS代表取締役
  • NPO法人エコデザインネットワーク理事
  • デザインプロデューサー、プロダクトデザイナー

 
 1959年鳥取県境港市生まれ。1982年大阪市立大学工学部応用物理学科卒後、三洋電機株式会社デザインセンター入社。
 1986年ハーズ実験デザイン研究所設立、プロダクトを中心に広範囲なデザイン活動を行う。
 「行為のデザイン」というユーザー心理行動分析法によるワークショップ型商品開発、「デザイン資産価値概念」、「感性価値ヘキサゴングラフ」など、定性化しにくいデザインを論理化し、企業や地域のコアコンピタンス活用による地域創生プロジェクトに役立てている。
 また、応用物理出身であることから、大学や企業の先端技術をプロダクトデザインに置き換えることで事業化をサポート、プロデュースする活動も多い。
 現在は、企業のコアコンピタンスを活かしながら、ブランド、コンセプト、販路を共有するコンソーシアムデザインブランドMETAPHYSを2005年ミラノサローネで発表、現在25社のパートナーで運営。
 行政の行うデザイン事業のプロデュースとしては、感性価値創造ミュージアム2009実行委員長、エコプロダクツデザインコンペ2007~2010実行委員長、ソーシャルデザイカンファレンス2012~2014実行委員長。東京都美術館新伝統工芸プロデュース事業アートディレクター。新潟百年物語のデザインディレクター。
 福井県では、14社で発足させた越前ブランドプロダクツコンソーシアム「iiza」のデザインプロデューサーを務める。
 2012年、京都造形芸術大学大学院に社会問題をデザインで解決するソーシャルデザインインスティチュートSDIを開設。
 2013年和歌山県田辺市では、熊野本宮を巻き込んだ木工プロジェクトを手掛ける。
 
<主な実績>
・【IIZA ECHIZEN JAPAN】デザインプロデューサー 2009年~2014年
  越前ブランドプロダクツ・コンソーシアム
  越前打ち刃物を中心とした、福井の伝統産業の魅力を国内外にアピールするためのブランディング事業。
  2010 IF Design Award
  2010 アンビエンテ Design PLUS賞
  2010 感性価値デザイン展セレクション金沢・香港
  2010 Gマーク受賞




・【TOKYO CRAFTS&DESIGN】新伝統工芸プロデュース事業 2012年~2014年
  東京都美術館、東京都中小企業振興公社、日本デザイン振興会
  江戸文化を伝える41品目の伝統工芸と、デザイナーとのマッチングによる、新たな文化価値創造のコンペ事業。
  2013 Gマーク受賞/2013 ミラノサローネ出展/2014 アンビエンテ出展/Dior採用




・【感性価値創造ミュージアム】2009年 実行委員長
  消費者の感性に働きかけ、感動や共感を得ることができる魅力を包含する「感性価値商品」を選定、新たな価値基準を啓蒙する事業。

・【百年物語】 巳年、午年、デザインプロデューサー 2013年~2014年
  にいがた産業創造機構×新潟企業12社
  「100年後にも大切にしていきたい生活文化を、楽しみ、維持し、継承していくための道具」が基本テーマ。
  毎年1人のデザインマネージャーを定め、企業とデザイナーをコンサルティングし、商品群を開発する。国内のみならず、欧米のハイエンドマーケットで高い評価を受けている。




・【ECO PRODUCTS DESIGN COMPETITION】 2007年~2010年 実行委員長
  大阪デザイン振興プラザ/アジア太平洋トレードセンター株式会社
  協賛企業がテーマを提示し、公募により選ばれたアイデアを商品化することで、
  単なるデザインコンペではなく、エコの実質的促進、啓蒙を目的としている。

・【SOCIAL DESIGN CONFERENCE 2012、2013、2014】 2012年~2014年 実行委員長
  アジア太平洋トレードセンター株式会社/財団法人大阪デザインセンター/大阪市経済局
  ソーシャルデザインに関する理解を深めるためのカンファレンス。
  2012テーマ「デザインで日本再生を考える20日間」国内外の69の事例展示とカンファレンス。
  2013テーマ「2033年の日本に向けたグランドデザイン」東京・大阪の5回のカンファレンスを通して30人の有識による提言発表。

・【WANOKI 和歌山熊野木工プロジェクト】2013年~ デザインプロデューサー
 和歌山県産の杉、檜を使い、都心部への商品供給を果たすブランド創生を目的とした木工プロジェクト。
 

会社概要

  • 株式会社ハーズ実験デザイン研究所
  • 本社所在地:〒560–0053 大阪府豊中市向丘1-5-22
  • TEL. 06–6854–3387(代表) FAX. 06–6854–3386
  • 設立:1986年10月
  • 資本金:30,000,000円
  • 代表者:村田 智明
  • 事業概要:デザインプロデュース/デザインワーク/講演・セミナー・ワークショップなど
     

会社HP

本事例についての問い合わせ先


 

御社では様々な企業のデザインプロデュースを行っていますが、そのお取組の内容や御社の姿勢について教えてください。

 当社では、20社以上の企業が参加しているコンソーシアムブランド「METAPHYS」を立ち上げ、商品開発、ブランディング、販路開拓まで行っています。当社が中心となって市場とのコミュニケーションを取る間に、参加する企業の方々にはものづくりをしっかりしていただく、というスタンスです。
 その企業にしかできない競争力(コア・コンピタンス)から、デザインの力を借りて息の長い、新しいスタンダードをつくり出す作業です。休眠特許も実に多いのが現状です。当社は対話やワークショップを通じて「強み」を発掘することで新しい商品を生み出しています。
 現在は、インショップのコーナー展開から着手していまして、当面は国内200店舗が目標です。2014年からは、アジアマーケットにも力を入れ、初期ロットの投資回収のスピードをさらに上げる計画を、アジアの商社銀行と提携にして進めています。また、将来的には、直営店の展開も目指しています。そのようにして、参加企業のリスクを減らし、ブランドに参加するに当たっての敷居を低くしています。
 その他には、全国各地からアートディレクションの依頼が来ています。TLO、知財活用・応用開発、地域産業支援、雇用促進支援、伝統工芸支援、地域文化ブランディング支援など、ようやくディレクターやプロデューサーといった立場からプロジェクトに携わる存在の重要性が世の中に認知されてきたのだと感じています。従来の展示会サポートのような仕事だけでは不十分です。


「suiu(スイウ)」錫製重ね酒器

プロデュースをする際に、クライアントのどのような点を重視するのでしょうか。

 クライアントのコア・コンピタンス(競合他社にまねできない核となる能力)を見極めます。それが見出せれば、プロジェクトとしての成功に近づきます。コア・コンピタンスを見出した上で、プロジェクトを成功させるために欠けている部分を補います。それは例えば、資金力、経営管理能力、商品のデザイン力、販路など、どの部分を補えば良いか考えます。
 中小企業の方々は、自らのコア・コンピタンスに気付いていない場合が多いので、それを発見する人が必要です。そして、コア・コンピタンスに関わる活動に注力させ、そこにデザインという付加価値を付けて企業の資産とした上で、販路を付けるところまで一貫してプロデュースすることが必要です。
 また、中小企業の方々には、例えば、商品をどの店舗に置きたいかなど、具体的な目標を設定することがモチベーションの維持に有効です。まず未来を描かせてから遡って打ち手を考えるというように、夢を見ないと人は行動できません。
 

表層的なデザインに留まらないお取組をされていますが、どのようなお考えからでしょうか。

 私(村田氏)の出身はエンジニアですが、エンジニア時代に、問題解決のために技術的な要素が寄与できるのは3割程度であって、あとの7割はシステム的な要素であったり、情緒的な要素であったりすることを実感しました。そこから、問題解決のためにはデザインという考え方が合うのではないかと思い至りました。
 また、問題解決のためには、表層的な形を変えただけでは不十分であり、実際には資金や販路の問題と絡んでいることが多いです。そのような問題を解決しないまま表層的なデザインをするのは空しいことですし、プロジェクト全体をプロデュースしてこそ、デザインの意味があると考えます。もともとの出自がデザインではないこともあり、私にとってのデザインはより広い意味で捉えています。
 

「gekka(ゲッカ)」錫製酒器
 

そのような広い意味での問題解決の手法を広げるにはどうすれば良いとお考えですか。

 初等教育の段階から、問題解決の手段の一つとしてデザインを取り入れることが必要だと考えています。現在の初等教育の代表的な科目では「skill」を教えていても、解決のための「wii」を育めていません。例えば、問題解決のためのプレゼンテーションをし、人の評価を聞き入れ、調査をし、さらにプレゼンテーションを繰り返すなど、そのような訓練が初等教育のころから必要だと思います。
 私(村田氏)が教鞭をとる京都造形大学のソーシャル・デザイン・インスティテュート(SDI)では、生徒は、実際に社会に貢献できるプロジェクトを立ち上げ、プロダクトデザインを始めとする様々な「skill」を用いて問題解決を図ります。教育の中に「will」を育て、「skill」の使い道を計画できるようなカリキュラムを盛り込むことが必要です。
 

「casca(カスカ)」 和紙照明
 

海外展開については、どのようにお考えですか。

 まずは国内でしっかりとブランディングをして、売れるような体制を作ることが先決です。国内で売れるようになれば、販売・営業担当といった人員が設けられるようになり、より少ないコストで海外向けの体制を整えることができます。逆に、そのように売れる体制が整わないままで海外に行ったとしても、取引相手の期待を裏切り、信頼を失うことになりかねません。
 また、取引相手の信頼を得るためには、最低でも3年間は継続して海外で活動することが求められますが、それに耐えうる資金力も必要です。なお、知的財産権を保護するための経費も必要です。それらの海外展開に係る資金についても、国内事業の下支えがあってこそだと考えます。
 さらに、海外に進出するのであれば、進出先の流通や販売の仕組みを理解することが必要です。その知識がないために失敗するケースは多いと考えます。安易に海外展開を考えるのではなく、まずは国内事業の立て直しを考えるべきだと思います。
 特に、日本の手技はその美しさ、真似のできない部分が多く、オリジナリティを高く評価する欧州の高級ブランドからの引き合いが高まってきている状況です。私がデザインディレクションを行った東京都美術館の新伝統工芸プロデュース事業は、江戸の伝統を引き継ぐ工芸師と新しい時代の感性でマーケットを生むデザイナーとのマッチングシステムです。2014年春には、クリスチャンディオールなど海外のブランドからの採用が相次ぎ、その傾向は顕著になってきています。
 日本にしかできないこと、そこに日本の新しい感性や美学を込め、発信していく、これが、一つの道だと思います。

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2014年4月8日
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