経済産業省
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株式会社日吉屋

会社概要

  • 社名:株式会社日吉屋
  • 本社所在地:京都市上京区堀川寺之内東入ル百々町546
  • TEL.075-441-6644 FAX.075-441-6645
  • 代表者:代表取締役 西堀 耕太郎
  • 創業:江戸時代後期
  • 資本金:1,000万円
  • 従業員:8名
  • 事業概要:京和傘、和風洋傘、和風照明、提灯等の企画・製造・販売など

会社HP

本事例についてのお問合せ先

 ・ 広報担当:中村


 
2008年 ドイツ・フランクフルト アンビエンテ展 出展の様子
 

御社では和傘の技術を用いて、照明を開発するなど、面白い商品開発をされていますが、そもそものきっかけを教えて下さい。

 照明の開発前から、和傘の需要が減っていく懸念は持っていました。そのような中で、傘干しの作業中、陽に透かした光景から着想を得て、和傘の技術を用いて照明を作ることに思い至ったのが開発のきっかけです。その後、デザイナーの方と協業し、勝負ができるデザイン照明を開発しました。
 また、日本国内だけではそこまで量が売れるものではなく、一方、グローバルニッチで展開できれば、何とか元が取れるだろうと考えました。また、そのために、欧州で好評価を得られれば、全世界でも通用するだろうと考えました。
そのような考えから、まずはデザインで評価されることを目指し、著名な海外の展示会に毎年出展し、メディアにも出るようにしてアピールするという方針を定めました。
 

2008年2月 フランス・パリ メゾン・エ・オブジェ展 出展の様子
 

商品のコンセプトや気を付けていることについて教えてください。

 単価の安いベース照明の市場では全く勝負できないので、面白さ、ユニークさ、デザイン性で付加価値を生み、意匠・デザイン照明の分野で、単価を高くして販売することが基本の方針です。
 日本風であることを前面に出すのではなく、まずは商品のデザインが面白いことに訴求し、それが日本製であること、そして和傘の技術を用いていることを順番に見せていくようにしています。日本の色を出し過ぎると、日本風のインテリアや和室にしか合わず、バイヤーなどからは、日本専門店でしか扱われない商品だとしか思われなくなってしまいます。
 したがって、デザイナーの方との協業の仕方について気を付けています。商品開発も展示会のブースもデザイナーの方と協議して決めています。まずは自分たちがこうしたい、というところを出発点として、デザイナーの方と対等な関係で協業しています。デザイナーの方とは必ずロイヤリティ契約を結ぶようにして、デザイナーの方に対して、商品が売れる事で、メーカーもデザイナーも双方にメリットが出るよう心がけております、また、商品PRではデザイナーの方の名前を出来るだけ露出するように配慮しており、モチベーションを高く保って頂けるようにしています。
 また、商品の価格についても気を付けています。海外のお客様や代理店等の取引先の方が、海外価格より低い日本国内価格を見てしまうと、それらの方々からの信用がなくなってしまいます。したがって、商品の設計を行う段階で、総代理店や小売店までが、応分の利益・マージンがそれぞれの段階に落ちるように設計する必要があります。信用を維持するためには、上代は希望小売価格としてできる限り統一する必要があります。
 

2008年 ドイツ・フランクフルト テンデンス展 出展の様子
 

ブランディング、メディア対応に関するお取組について教えて下さい。

 やはり当社及び商品の知名度を上げるために、メディアに露出したり展示会に出展することは重要です。
 メディアの方が記事にし易いように、事前にプレスキット(画像や英文記事を保存したCD等)を用意し、展示会などで配布しています。また、プロのカメラマンに写真を撮って貰って、海外向け(洋室のしつらえ)のパンフレットを作り、日本風ではあるが一般的に使えることをアピールしています。
 プロモーションには莫大な経費がかかるので、商品のユニークさ(意外性、ギャップ、歴史、希少性、等)を整理してプレゼンテーションする事で取材を誘致し、広告宣伝費が極力かからないように努めています。
 また、傘が家やドレスにもなることを見せることで、クリエイティブな面もアピールしています。これにより、この会社は面白いものを作ってくれる、柔軟性を持っていると思われることを狙っています。なお、展示会では必ず会社案内や顔写真を表示し、商品だけでなく会社自身をアピールしています。
 

2009年2月 フランス・パリ メゾン・エ・オブジェ展 出展の様子
 

海外でのご活動について教えて下さい。

 海外向けには主にBtoB(商業物件)の取引がメインになっています。市場ではイタリアや北欧製等の小売向け高級照明がどこにでもあり、また、IKEA等の量販店では安価な照明が大量に販売されています。これらの事からBtoC市場で差別化を図るのは難しいです。また、ベース照明ではとても勝負にはなりません。したがって、小ロットでオーダーメイド対応ができるアイ・キャッチな意匠照明に特化し、BtoBをターゲットとして、多品種少量生産で勝負しています。
 2008年に、海外での活動を開始しましたが、その際、経済産業省の地域資源活用新事業展開支援事業やJAPANブランド育成支援事業の補助金を活用しました。その資金で、商品開発を行い、メゾン・エ・オブジェ、100%デザイン上海、ニューヨークICFFといった海外の展示会に出展しました。また、2009年には、スイスのディストリビューターのブースでアンビエンテにも出展しました。
 海外の展示会に出展し始めた当初は、商品が照明なのに電気器具をセット販売できなかったり、展示会の前後で営業ができなかったりなど、失敗がありました。それを受けて、現在では、海外向け電気器具とセットで販売できるような体制を整え海外の展示会には、現地の代理店と一緒に参加するようにし、お客様をフォローできる体制を整えて、臨んでいます。
 また、現在は、主に、ミラノサローネとLight&Building(照明専門の国際展示会、伊と独で交互に毎年開催)に絞って出展しています。出展経費は、現地代理店と折半して、自己資金で賄っています。ミラノサローネでは、開催時期に合わせて代理店のギャラリーで毎年展示しています。Light&Buildingでは、会場内で、一番望ましい立地のブースを確保できています。
現在、継続的に海外の展示会に出展するのは、新規顧客の獲得、新たな代理店候補との出会い、メディアへの露出といった、いくつかの大事な目的があるためです。
 なお、海外の取引先から、日本の事業者は、展示会には1回しか出展しないので、信用できないと言われていることを考えると、本当に現地でビジネスをするつもりがあるのであれば、なるべく継続的に出展し、少しでも早く現地での信頼できるパートナーを確保するきだと考えます。
 

2010年 ドイツ・フランクフルト Light&Building展 出展の様子
 

御社と現地の代理店との強い協力関係が築けていますが、どのようなお取組があったのでしょうか。

 現在、当社と契約している現地代理店の中には、メゾン・エ・オブジェやアンビエンテに始めて出店した時からオファーをもらっていた代理店があります。特に、アンビエンテの主催者のメッセフランクフルト社の副社長の目にとまり、テンデンスに招待してくれてから、人脈、取引が広がり、メディアへの露出も増えました。このように、人脈を地道に作っていく中で、有望な現地代理店候補と出会います。
 現地代理店は、インテリア系の代理店を選んでいます。また、営業力、提案能力があるかどうか、小売向けかリテーラー(建築家等)向けか、当社と同じくらいの規模かどうか等を見極めます。さらに、実際に訪問すれば、どのような事業を行っているかが一目瞭然であるので、可能な限り、直接訪問するようにしています。同時に、個人的な信頼関係を深め、当社の商品を好きになってもらえるかどうかを見極めます。やはり、現地代理店に当社の商品を好きになってもらわないと、代理店自身の商品として身を入れて売ってくれるようにはなりません。
 現在では海外での代理店網が一応形になってきましたし、積極的に営業活動を行ってくれる代理店も出てきました。又、知名度も上がってきたためか、取引相手の方から当社にアプローチが来る事が多くなっています。人的余裕も無い為、海外営業専任の社員は置いていませんが、海外事業は、もはや全体としても無視できない比率を占めつつあります。
 

2010年 ドイツ・フランクフルト アンビエンテ展 出展の様子
 

海外でのご活動で、気を付けていることはありますか。

 海外から取引のオファーがあった場合、現地代理店がある国では必ずその代理店を通すようにしています。日本の当社と直接取引をしてしまうと、現地代理店のモチベーションが下がってしまうからです。したがって、Eコマースでの直販もしません。
 また、海外で活動する際に、当然、ある程度の語学力は必要になりますが、大らかさがあれば片言でも通用します。商談に必要な情報はある程度限られているので、必要な表現を知っていれば対応できます。逆に通訳を介すると、取引先との個人的な信頼関係を作りにくい事もあるため、語学が少々不得手でも自分自身で積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢が大事です。
 

今後、どのようなお取組をされる予定ですか。

 現在までの海外での活動の経験、ノウハウを踏まえて、別会社(T.C.I研究所)を設立し、伝統工芸の海外進出をサポートするアドバイザリー事業を始めました。
 「伝統は革新の連続 Tradition is continuing innovation」をコンセプトに、当社が中心となって、当社と繋がりのある国内外のデザイナーや海外の代理店と連携し、日本の技や素材を活かしながら、現地市場に適した商品開発やテスト販売、展示会出展などを同じメーカー目線に立って支援しています。
 この活動により、日本の伝統工芸の活性化、海外への発信に貢献できればと考えています。 

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2013年11月18日
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