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キハラ株式会社

会社概要

  • キハラ株式会社
    本社所在地:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-5
  • TEL: 03-3291-5195  FAX:03-3291-5198
  • 創業年月日:1914年9月
  • 代表者:代表取締役 木原 一雄
  • 事業概要:  図書館家具什器、図書館用品、図書館管理システム、製造販売

会社HP

本事例についての問い合わせ先

担当者名:総務部 佐野 芳文(連絡先は上記のとおり)
 


GRAPPA(グラッパ)書架
 

御社の沿革・歴史をお聞かせください。

 創業は1914年です。学校や書店が多い神田神保町にて、製本や帳簿などの紙加工からスタートしています。創業から数年後には、製本だけでなく図書カードやカードケースなどの製造販売を始めました。現在、書誌情報はコンピューターで管理されていますのでご覧になったことが無い方もいらっしゃるかもしれませんが、貸出をしなかった当時、図書カードとは書誌情報が書かれた目録カード、カードケースはそのカードを著者名、タイトル、分野等で分類し収納する、引き出しが多くついた家具です。1冊本が納入されると、図書カードは約4枚(著者名ごと、タイトルごと等にそれぞれカードを作るため)売れることとなり、それに合わせてカードケースも多く必要になることから、図書館の普及とともに、自然と図書館用品に特化していくようになりました。戦後は、図書館法が制定されるなど国内の図書館需要の増加、利用方法の変化に伴い、取り扱い製品も多くなっていきました。近年では、本の検索システムやICソリューションなども手がけています。
 博物館や美術分野にも参入していますが、資料室や書庫等、「本」にまつわる設備・用品が中心です。

カードケース
 

 生産体制はどのようにされていますでしょうか。

 当社では古くからお取引のある協力工場に生産を委託しています。自社で生産を行うか、委託をするか、それは各企業の判断だと思いますが、長所短所それぞれありますので、どちらが良いかはなかなか難しいところです。
 長所として、図書館用品ならではの生産体制に対応しやすいということが挙げられます。図書館の中でも、自治体の公共図書館になると、需要の波が年度末に来ることが多い傾向がありますので、当社製品のみで工場を回していくことはなかなか難しい部分があります。もちろん、カタログに長年掲載され、ご愛用いただいている商品として年間を通じて生産している商品もありますので、委託先にはこうした商品も併せてお願いしています。
 委託先とはお互い切磋琢磨しあえる関係なので、自社のみで行うより技術力が向上できるのではないかと感じています。当社側からすれば、工場に技術やノウハウを任せきりには当然できませんので、社内で明文化、図面化をきちんと行い、組織として蓄積しています。製造を依頼するからには、こちらにも依頼先以上の技術・ノウハウを持っている必要があると考えています。また、工場側から新たな技術やノウハウが提案され、当社製品に生かせたこともありました。
 一方で、委託先の工場の世代交代がうまくいかないなど、自社のリソースで補完仕切れない問題が起こりうることは、自社工場を持っていないデメリットと言えるかもしれません。なるべく多く、バランス良く、そして末永く、委託先の工場に当社製品の製造を委託することができるように売上げを伸ばしていくことが、当社に出来ることだと考えています。

美術館図書室
 

図書館という限定された空間で使う家具のデザインは、どのようにされているのでしょうか。

 図書館家具とは、大まかに言いますと書架、雑誌架、新聞架、閲覧机、閲覧椅子、カウンター、ブックトラックなどです。図書館家具は利用者と職員の図書館活動と密接に関係し、いかに効率よく活動を支えられるか、その機能性や耐久性が重視されてきました。デザインにおいては、地域性やオリジナリティの表現としても注目され、図書館建築空間との一体感、また現代では空間づくりの需要に応じたフレキシビリティ、環境への配慮など求められる条件が多様化しています。その図書館を担うお客様のご意見をうかがい、お客様のご要望に沿えるよう、日頃より、国内外の先進的な図書館などの見学や情報収集を行っております。例えば、書棚の背抜きをして空間を広く、明るく見せたり、曲線を多くしてやわらかな印象を出したりするだけでも、印象が随分変わります。
 また、図書館家具をデザインするに当たっては、本の特性やトレンドをリサーチすることが欠かせません。子ども用の本、特に絵本は背表紙が薄く、普通に並べてしまうと何の本なのかがわかりづらいということがよくあります。そこで、なるべく収納数を確保した上で、表紙を表に向けて展示できる棚も作りました。最近では、人気の本の中に、通常の絵本の数倍の大きさの絵本もありますので、あらゆる大きさの本に対応できるよう、商品を開発しています。

自動貸出機児童用
 

御社はどのような点を強みとされていますか。

 当社では、図書館家具だけでなく、システムや図書館用品(ラベル、ブックカバーフィルム、展示用品など)と、図書館に関するものをトータルで扱っています。例えば当社の家具を使用して下さっている図書館には、営業がうかがう際などに、家具の状態をチェックすることができます。簡単な作業であれば、その場でメンテナンスもしますし、棚板のみ交換したいといった細かいご要望や修理にも対応可能です。図書館のあらゆる角度からご相談頂き、その中で何が必要か、どこを変えるべきかをご提案できると考えています。
 図書館で使われる一般的な家具は、事務机、事務用椅子、ソファ、掲示スタンド、展示ケース、運搬車などがあり、こうした一般的な家具を主流にしてきた事業者さんの参入も多く見られますが、キハラは先人の教えとお客様の声をもとに長年培ったノウハウを強みとし差別化を図っています。また、近年急速にIT関連のご要望が増えています。

本の落下防止シート
 

御社は2014年に100周年を迎えられました。企業が長く続く秘訣はどこにあるのでしょうか。

 秘訣と言えるのかどうかはわかりませんが、振り返ってみますと、身の丈に合った業務を続けてきたということがここまで続けられている理由だと思っています。過去に一度、新幹線改札口のラッチを製造したこともありますが、現在は基本的に図書館に関わる製品に特化しています。
 海外にももちろん興味はあるのですが、まだまだ国内でやるべきことが多くあると考えています。
 

図書館市場となると限られているように感じられますが、市場をどのように捉え、販路開拓はどのように進めておられますか。

 全国の図書館の数が劇的に増えるということは考えづらいですが、公共図書館は微増しています。日本は世界的に見て、人口に対する図書館数は高いほうではありませんが、図書館の注目度が高まり、メディアでも図書館について取り上げられることが多くなっています。近年では図書館のあり方に変化が起きているのです。
 かつて図書館では、本は書庫にしまわれ利用者が自由に本を手にすることはできませんでした。先人の努力により図書館における本と人との距離が徐々に縮まり、現在のように自宅からでも貸出の予約や電子書籍の閲覧までもが可能となった図書館も出現しています。また最近では、図書館が街づくりの中核を担う存在として位置づけられるようになっています。高齢者の居場所、住民同士の出会いの場、地域情報の発信源、イベントスペース、災害時には避難場所となることもあり、使い方が多様化し、可能性が広がっていると感じています。その広がりに応じた商品の開発をしていけば、そしてまた、さらなる広がりを探っていくことで、まだまだ市場や販路は開拓できるはずです。例えば災害関連ですと、先の震災の経験から、地震の際に本が棚から滑り落ちないための本の落下防止シートや、また「グラッパLRS書架」という減震書架を開発し、売上げを伸ばしています。図書館の中にも、見えない需要はまだまだあります。
 図書館に関わる方々のニーズを把握しきれていないが故に、市場が限られている、縮小している、と感じられてしまうのではないかと思います。

公共図書館事例
 

御社にとっての今後の課題は何でしょうか。

 図書館そのものへの興味を、もっと皆さんに持って頂くことです。現在、1つの自治体で図書館を利用する住民の割合は3割程度と言われます。公共図書館の場合、現在図書館を利用しない人も図書館に興味を持っていただき、図書館の利用実績が目に見えれば、自治体の予算も図書館に回るようになるのではないでしょうか。図書館の職員の方々は、魅力的な図書館にするために様々な工夫をこらされています。私達も、図書館設備・用品のメーカーという立場から、喜んで行きたくなるような図書館にするための仕掛けをしていかないといけません。
 当社でできることとして、製本講習会を開催したり、東北の被災地に社員が赴き、地域の子ども達の絵をブックトラックに描いて、利用いただく活動を行ったり、当社の歴史を生かし、歴史的図書館用品を日本図書館協会様と共に調査・収集・保存するなどの活動をしています。
 それは全て、図書館文化を豊かにするという目的に繋がっています。当社の製品そのものの質や精度、お客様の満足度を上げるだけでは、当社自身の発展にも繋がりません。「スマートフォンで何でも読める時代だけど、やっぱり図書館っていいな」と思ってもらえるような、図書館そのものの発展に貢献していけたらと考えています。


笑顔を届けるプロジェクト

お問合せ先

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電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6794

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6794

最終更新日:2015年1月19日
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