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株式会社小宮商店

会社概要

  • 株式会社小宮商店
  • 本社所在地:〒103-0004 東京都中央区東日本橋3-9-7
    TEL: 03-3661-9064
  • 創業年月日:昭和5年3月
  • 代表者:小宮 武
  • 事業概要: 洋傘製造卸、洋傘企画デザイン、ステッキ卸、輸入雑貨卸

会社HP

本事例についての問い合わせ先

担当者名:宮本幸枝
電話番号:03-6206-2970
メールアドレス:komiyakasa@quartz.ocn.ne.jp

 

御社の沿革、事業内容について教えて下さい。

 創業は1930年(昭和5年)です。山梨県出身の創業者が上京し、地元・山梨の甲州織を使用した洋傘の製造・卸を始めました。昭和22年に現在地(東日本橋)に移転。生産・卸ともに日本製の洋傘のみ扱っていましたが、時代は大量生産・大量消費の世の中になり、20年ほど前からは海外製の傘も輸入・卸をするようになりました。低価格化の波が一気に押し寄せ、最盛期には70社程度あった周辺の同業者も数社に減少しました。現在当社では社員は10名ほど、専属の職人が2名と見習いが数名です。




職人による製作の様子 

御社の傘はどのようにして作られているのでしょうか。

 お客様のニーズに合った製品の企画を弊社内で行い、傘生地や部品を揃えます。職人はそれを用い、一つ一つ傘を手作りしています。生産ペースは、傘の種類にもよりますが、1日あたり3~4本。労働時間が長いにも関わらず、製作できる数は非常に少数です。
 現在の傘職人は高齢の方がほとんどです。後継者不足が深刻な状況ですが、大きな原因は職人の工賃が安いことにあります。当社ではできる限り業界水準より工賃を上げるなどして確保に努めていますが、1社の努力ではどうしても限界があります。業界としても様々な取組や働きかけを行っているところです。また、新たな職人さんを育てようとしても傘を作れるようなスペースが無いという問題もあり、作業場の確保も新たな課題となっています。
 海外にも日本の傘の良さを伝えたいという気持ちはありますが、まずは国内で安定的に生産をし、認知度を上げていくことが先だと考えています。


作業場の様子
 

製造・卸から小売も始めたきっかけを教えて下さい。

 自社製の傘については、以前は町の傘屋さん、和装小物屋さんに卸していましたが、近年ではそうした小売業者が激減し、売り先が無くなってきました。10年ほど前から生活雑貨大型店への卸も行っていますが、そちらは基本的に海外製傘を扱っていますので、自社製については自ら小売りをせざるを得ない状況でした。
 

商品の良さを伝えるために、どのような工夫をされていますか。

 どのようにその傘が作られているのか、こだわりがどこにあるのか等をきちんと説明するということです。そのために、説明できる環境を整えたり、販売場所を選んだりしています。
 例えば、弊社では10年程前からデパートの催事販売を行っています。そこではお客さまに実物を見て頂きながら説明することができますので、大切な販売機会となっています。傘売り場のコーナーに高級傘をそのまま並べているだけでは、傘は喋りませんのでなかなか売れませんが、売場にいて説明することでなぜこれだけの値段がするのかを理解してもらえれば、納得して購入してくださるお客さまが多くいることに気づきました。
 「伝える」ことの重要性を認識できた催事販売での経験を生かし、ネットや自店舗での小売りにも力を入れようと考えるようになりました。


催事の様子

ネット販売を本格化するに当たり、どのような取組をされましたか。

 HPのリニューアルや販売サイトの運営のための人材に投資することを決めました。規模の小さな企業ですので、新たな人材への投資は大きな決断でしたが、現状を打開するためには必要だと感じました。
 HPは10年ほど前からありましたが、必要最小限の情報しか載っていない状態でした。卸の時はそれでも問題ありませんでしたが、小売りをするとなるとそうはいきません。傘作りの動画を作成して掲載したり、商品の詳細な説明や傘作りに対する思いなどを盛り込み、HPを訪れた人を引きつけるような努力をしています。
 ショッピングサイトについては、現在2つのモールに出店していますが、それぞれのサイトに合わせて商品展開を変えています。1つはユーザーに男性が多く、商品の回転が早いことから、海外製で比較的安価な傘を扱っています。もう1つはユーザーに女性が多く、また、掲載する商品に対して詳細な説明を掲載する必要があるため、自社製の販売に向いています。
 ネット販売では、実際にどのような生地を使っているのか知ってもらうために、自社製の傘については希望者に生地の見本をお送りするようにしています。実物を手にすることができないというネット販売特有の不安をできるだけなくして、商品の良さを伝えるための工夫をしています。
 また海外製の傘を販売すると日本製の傘のシェアが余計に減ってしまうのではないかという疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、相乗効果も生まれています。ショッピングサイトで海外製の製品をお買い求め頂いたお客さまが当社のことを知り、プレゼント用の傘を探しに店舗まで足を運んでくださることも多くあります。

 
 店舗の様子

傘のブランドとして認知度を上げるために、どのような取組をされましたか。

 まず、会社のロゴを昨年11月にリニューアルしました。そしてそのロゴを自社製の傘につけるようにしたのです。傘は買った店を離れてしまうと、その傘がどこの傘なのかわかりません。プレゼントされた人や、知り合いが持っている傘を見た人等が、小宮商店にたどり着くことができるようにと始めました。そもそも卸の時には自社の名前をつけることはできませんでしたので、ロゴをつけることは同時に、製品に対しての責任を今まで以上に負うということです。そして、修理やアフターケアを丁寧に行うことで、お客さまの満足度を上げるよう努めています。

今後、傘をどのようにしていきたいとお考えでしょうか。

 以前傘はファッションの一部として捉えられていましたが、大量生産の傘が出回ってからというもの、単なる消耗品になってしまっていることを懸念しています。例えば、鞄には数万円ないしはそれ以上かけることがあっても、傘は数百円のビニール傘で済ませることが多いように思います。無くしたり盗まれたりすることが多いので、あまりお金をかけたくないという気持ちが働くのでしょう。そういった声に対しては、傘の取手部分に名前など好きな文字を入れることが出来るプレートを付けませんかとご案内しています。名前を入れれば、「無くさない」という意識がもっと働くし、盗まれにくくもなります。根本的な解決にはならないかもしれませんが、こうした工夫を積み重ねていくことで、傘への見方を変えてもらえればと思っています。
 傘作りの文化を絶やさないためにも、傘の地位を上げ、服や鞄を選ぶように傘を選んでもらえる日が来るよう、日本製の傘の良さを「伝える」方法を模索しながら、一歩一歩進んでいきたいと考えています。

 

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2014年6月23日
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