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株式会社宮崎椅子製作所

会社概要

  • 株式会社 宮崎椅子製作所
  • 本社所在地:〒779-0223 徳島県鳴門市大麻町川崎字中筋710
    TEL: 088-641-2185  FAX:088-641-3459
  • 創業年月日:昭和44年5月
  • 代表者:宮崎 勝弘
  • 事業概要:自社デザイナーズブランド、各種木製いすOEM製造、コントラクト

会社HP

本事例についての問い合わせ先

電話番号:088-641-2185

 

御社の沿革、事業内容について教えて下さい。

 創業は昭和44年です。この地域は婚礼セット(鏡台・タンス等)の産地であり、当社は鏡台用スツールを専門に生産していました。バブル時代からはコントラクト家具(住宅以外の家具)の経験もしています。しかし、バブル後には安い海外製に押されて受注も減り、また、婚礼セットを購入する習慣が少なくなってきたことから、鏡台用スツールの受注も減少していきました。
 OEMでコストダウンを求められ、それに応える形で作るよりも、職人として納得しながらものづくりを行いたいという想いが強くなり、自社開発をすることとなりました。
 生産は、社名が椅子製作所となっている通り、椅子がメインです。椅子・ソファが全体の9割、テーブルが1割となっています。

 

テーブルは少し作られていますが、椅子以外の家具をもっと作ろうとは考えなかったのでしょうか。

 自社開発製品を作る際、家具全般を手がけるという選択肢ももちろんあったかもしれませんが、モノにより生産設備は変わってきてしまいます。そうした意味で、スツールを作ってきた我々にとって椅子に特化することは自然な流れでした。また、規模を大きくしようという考え方も全くありませんでした。一つ一つの仕事を丁寧にしていると、大きくなることはできません。規模を大きくして安く大量に作るということは、海外でも容易に出来ますし、コストで負けてしまうことは目に見えています。したがって、生産は身の丈に合ったものとし、大量では無く、納得のいくもの、誇りを持って作れるものを作り、気持ちの良い仕事ができる規模の会社でありたいと考えています。
 

 デザイナーとの出会いや、デザイナーとの関係について教えてください。

 自社製品を作ると決めたものの、直接デザイナーを知らなかったため、徳島県の工業技術センターに紹介してもらい、スタートしました。最初のデザイナーの縁で、その後デザイナーは2名となりました。またさらに海外のデザイナーと出会ったり、デザイナーの方からアプローチがあったり、といったことが積み重なり、現在では7組のデザイナー(うち3名は海外)と仕事をさせてもらっています。
 社内では、デザインの部署やデザイナーを特段置いていませんが、若手の職人が自社デザインにもチャレンジしています。
 デザイナーを外部の方にお願いするか、社内でデザイナーを育て自社デザインをするかは企業によって違うと思いますが、当社は自社デザイナーだけにするつもりはありません。その理由として、自社でデザインをすると、どうしても自社が得意とする技術・デザインに偏り、新製品もマイナーチェンジで終わってしまう可能性があるからです。良い意味で社内のことを知りすぎていない外部の方が難しいデザインを持ってくると、それを実現するために自然と技術力も上がっていきます。
 外部のデザイナーと職人との間では信頼関係が構築されているので、摩擦が起きるということもありません。「やってみなければわからない」と皆が思っていますし、職人がパッと見て「これは大変だ」と思うデザインや技術で無ければ、それは他でも作れてしまうのだということを、誰よりも職人がわかっているのです。

 

デザインとものづくりに対する考えをお聞かせください。

 デザイナーとの信頼関係はありますが、もちろん、デザイナーが持ってきたものを全てそのまま受け入れるわけではありません。今までの製品と似たものですと断りますし、作ったことが無いものを作りたいという思いがあります。従って、テイストを揃えるということもしません。テイストを揃えるということは、あくまでも売るための方法だと思います。売るためのデザイン、ものづくりではなく、とにかく面白いもの、自分達の「ステージ」が上がるデザイン案に挑戦し、作っていくことで、さらに幅が広がり、技術も蓄積していくと考えています。
 

製品の良さを伝えるために、どのような取組をしていらっしゃいますか?

 ネットのみの販売はしておらず、個人のインテリアショップに多く卸しています。実際に座ってみて欲しいので、その環境が整っているところで販売するよう心がけています。
 また、お客さまに「リアル感」を感じてもらえるように、つまり、この商品はこんな会社で作られているんだとわかり、その製品を作っているイメージが湧くような説明をするようにしています。

  

海外展開をはじめたいきさつを教えてください。

 2009年頃から、海外との取引を始めました。きっかけは2008年に、1950~60年代にデンマークで製作されていた商品の、デザインのパテントを取得し、当社で製作をスタートしたことです。その製品が、ビンテージ家具を販売している海外のバイヤーの目に留まり、海外にも知られるようになりました。
 海外からの問い合わせが増えていったことから、日本のものづくりの可能性を感じるようになりました。当社は受注生産であることから、国内での納品にも時間がかかっており需要に応えきれていない面もありますが、日本のものづくりがどう評価されるのか知りたいという思いから、チャレンジすることとなりました。
 情報発信量や販売のしやすさなどを考慮し、ミラノ・サローネと同時期に開催されるフォーリ・サローネへの出展を目指すこととしました。会場探しなどの準備をどうしたら良いか、もちろんノウハウはありませんでしたが、現地の事情を良く知るイタリア在住のデザイナーが力を貸してくれました。フォーリ・サローネに出展すると決めてから社内体制の整備にも取りかかり、英語のできる人材も採用しました。数年かけてこうした準備を行い、2012年から出展を開始しました。今年で3年目ですが、やはり展示会には最低3年は継続して出展しないと、認知してもらえないと感じています。

 
2014年フォーリ・サローネの展示

国内と海外で反応の違いはあるのでしょうか?

 反応は基本的に同じです。クオリティーとデザインで評価されますし、良いものは良いと言ってもらえます。不利な点としては、地理的に離れていることから輸送費がかなり上乗せされてしまうことです。しかし、日本製というと信頼を持ってもらいやすく、日本製の評価が高いことを実感しています。
 海外に売るために海外用の商品展開を作るなどはしませんが、海外では日本製の椅子のサイズが小さいと言われることが多くありますので、脚等の高さは希望に合わせて作ることにしています。使う人が気持ちのいいものを、現地に合わせて作るべきだと考えています。

 
 2014年フォーリ・サローネにて
 

最後に、今後の展望をお聞かせください。

 椅子作りは本当に面白いです。これは不可能だと思うことでもどんどんできていきますので、新しいものをこれからもずっと作っていきたいです。企業としては、社員が皆安心し、誇りを持って働ける場所にすることが何より大切です。木工業は苦しい環境になっており、地域の多くの同業者が廃業していっています。地場産業は、一度途絶えると復活させることは困難です。ものづくりの環境を残すことが、こうして生き残っている企業の努めだと考えています。


宮崎椅子製作所のスタッフと、デザイナーの小泉誠氏、村澤一晃氏

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2014年8月18日
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