経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

有限会社瑞穂

会社概要

  • 有限会社 瑞穂
  • 本社所在地:〒731-4213 広島県安芸郡熊野町萩原2丁目7-35
    電話:082-854-0432、050-3539-6539 FAX:082-854-9182
  • 代表者:代表取締役 尺田泰吏
  • 設立:1980年(昭和55年)12月23日
  • 資本金:1,000万円
  • 従業員数:34名 (パートタイマー含む、2013年5月現在)
  • 事業概要:化粧筆(メイクブラシ)、水彩画筆、ネイルデザイン用の筆など各種ブラシの製造(主にOEM)、修繕および販売

会社HP

本事例についてのお問合せ先

  • 有限会社瑞穂 専務取締役事業統括部長 丸山長宏
    E-MAIL:info@mizuho-brush.comメールリンク 電話:082-854-0432


地域資源活用新事業展開支援事業を活用し平成19年度に開発した「ギフト用化粧筆」


コスモプロフアジア2012出展の模様(香港総代理店ブース)


コスモプロフアジア2012出展の模様(自社ブース)


IMF2012政府展示(東京国際フォーラム)の模様

御社の海外展開のお取組について教えて下さい。

2009年から、毎年、香港で開催される「コスモプロフ・アジア」という美容関連見本市に出展し新商品の発表や顧客との商談の場として活用しています。コスモプロフは出展料も高額なのですが、一般来場者の入場が制限されており、世界最大級の美容見本市に相応しい商談しやすい環境作りがなされています。直近では、ロシアのディストリビューターと、入念な信用調査や契約交渉を行った上で、大口のOEM契約を結ぶことに成功しました。2012年は、BRICsの企業からの引き合いが強かったです。毎年世界からの来場者の特色が体感できることが面白いですし、年々出続けていることで当社の信用も上がっていると感じます。

当社は国内でもOEMを主流(8割)で行ってきたので、海外展開の当面の目的は、海外企業とのOEM契約や代理店契約を狙っています。当社には販売ノウハウが不足していますし、現地マーケティングをきめ細かくすることはできません。その点で現状は「餅は餅や」ではないですが、このような「パートナーシップをもとにした輸出取引」が与し易いと考えています。本分である「熊野筆伝統的製法」による化粧筆製造に会社資源を集中し、社業もよりバージョンアップしていけますので。

海外企業との取引で気を付けていることはありますか。

当社の姿勢と商品の品質とを、本質的に見極め、共有してもらえる事業者と取引がしていけるよう、日本的なホスピタリティと誠実さを大事に、ただしはっきりモノ言う対応に心がけています。取引候補の事業者とは当社の製品の歴史的背景も含め、迅速かつ徹底的なコミュニケーションを取り、場合によっては先方へ出向き、パートナーシップをより深めるように心がけています。また、一方で、取引候補の事業者に関する信用調査はしっかり行うようにしています。

展示会での待ち受け型開拓に対して、新たな進出国の主体的な検討にあたっては、報道や噂などにもとづいた場当たり的な勘での事業化は禁物です。当社ではFS調査の手法を勉強しています。24年度は、中小機構のFS支援補助事業を活用し、輸出分野におけるシンガポールに関する机上/実地FSを実施しました。調査の結果、消費者はインターネットや女性誌で商品の情報を収集したあと、リアル店舗で購入するという行動を取る傾向にあることが、現地ヒアリングを通じ分かりました。そのため、自社のHPやSNSに熊野化粧筆や自社商品のブランドストーリー、背景が分かるような記事を載せて関心をひき、消費者をリアル店舗に誘導するようにしています。

一方、失敗談としては、過去、中国のEコマースサイトに掲載、テスト流通をしたところ、すぐさまコピー商品が出回ってしまったり、不当廉売された苦い経験があります。失敗を通じて、海外のEコマースへの流通にあたっては知財保護にいたるまでより注意をはらうようになりました。

そもそも海外展開を考えたのは、どのようなきっかけからでしょうか。

国内生産量シェアの90%以上を占める熊野化粧筆は、90年代から海外有名化粧品ブランドにも採用され、当社も国内商社等を経由しOEM供給をおこなっています。ただし、主力のOEM事業は、「国内の人口減にともなう市場の縮小均衡」などの「脅威要素」がSWOT分析などを通じ想起されています。一方、当社は新経営層を中心に前職で海外事業業務の経験者が複数名います。このことから、「海外のお客様との直販(海外直販事業)」を次世代のKEY事業のひとつと位置付け、ここ数年、経営資源を集中するかじ取りをおこなっています。

もともとイタリアやオーストラリアなどの企業と少量のOEM取引はありましたが、よりコンパクトで波及効果のある広報営業活動の場として、海外展示会(前述)への出展をもとにした海外直販の拡販にとりくむことといたしました。国内では流通・問屋に係わる帳合やしがらみもありますが、海外展示会ではそのようなしがらみの心配が無く商売ができることも海外取引の利点の一つです。

海外の展示会等での体制や資金はどのように工面していますか。

海外担当は、社内で3名で、展示会への出展、商談、契約締結など、海外事業に関するあらゆることを行っています。毎年出展準備に大変な労力を要しますが、「JETRO輸出有望案件事業」でのサポートを受けたり、輸出入業務の公開講座受講などを通じ、すこしずつ出展内容のバージョンアップとビジネスへの手ごたえも感じられるようになりました。出展費用には経済産業省などの補助金も当初の5年間は活用し、自前での経費や直接貿易のノウハウ不足に対するリスクを最小化するようこころがけています。展示会の出展資金は、1回の出展(3日間)で約250万程度かかっていますが、さいわい成果創出により、いまのところ「ペイ」しています。

御社の商品開発やブランディングに関するお取組ついて教えて下さい。

当社のブランディングに関しては、新経営層の参画した2007年頃からCIプロジェクトから開始しました。当初は自分たち自身でも自社の強みが分かりませんでしたが、タイミングを同じくして07年~11年まで経済産業省の地域資源活用新事業展開支援事業の補助金を受け、最初の2年は商品開発に、3、4年目は展示会出展に活用して、販路開拓を進めました。

プロジェクトの最初の段階では、商品によって何を伝えたいのかを整理する取組を行いましたが、それが大事だったと思います。具体的には、中小機構の「専門家派遣事業」での販路開拓アドバイスや、機構の主催する「テスト販売会」でのエンドユーザーからのヒアリングなど、「ヒト・助成金・機会」を組み合わせた多面的なサポートを通じ創出された課題をもとに、デザイナーとコラボし、商品単体ではなく、「用途全体でのパッケージとしての商品の見せ方と利用シーンの提案」を追求していく中で、当社の商品、ひいては熊野化粧筆の持つストーリーを発見していきました。その整理に基づき、『企業理念(①熊野筆のすぐれた伝統技術と職人魂(クラフトマンシップ)を継承し、優れた品質のブラシを開発し市場に提供する。②ブラシの提供を通じ、世界の人たちの心と生活に潤いと彩りを与え、社会に貢献する。)』や、『ブランドコンセプト』(高品質のブラシを通じ、心と生活に潤いと彩りをご提供する。)といった形で表現しました。また、その作業によって、当社商品のターゲットとなる層を明確化することもできました。

一度、それらのことが決まってしまえば、あとはそれに沿って、商品や展示会のブース、印刷物などを、統一感をもってデザインできるようになりました。あらゆる側面で判断のブレが無くなり、Mizuhoブランドとしての統一感がより高まっているように思います。

商品を売る工夫として、どのようなことに気を遣っていますか。

日本人の「目利き」、とくに質感や感性に対する受信力は素晴らしいと思います。当社の主力商品である高級化粧筆はただ単に物を置いておくだけでは売れません。前述のとおり、商品のストーリーや背景、そして作り手の思いを場面に応じてより丁寧に見せていかないと買っていただけません。国内では、モノ不足と大量消費の時代は終焉し、購買活動はより成熟化、高度化してきていると感じます。

また、当社の商品は、一度触れば圧倒的な技術の差を分かってもらえるのですが、その最初の一度を作る仕掛けが必要だと考えています。その点で、新商品や取組の効果測定の意味も含め、新商品や展示会前には、積極的にメディアへのプレスリリースをするようにしています。メディア向けの資料にしても、記事にし易いようにストーリーを作って、展示会やイベントに誘導しています。

最近はfacebookやtwitterのフォロワーを通じて、世界中のお客様と対話ができるいい時代です。中小企業は広告や翻訳予算も十分に配分できませんが、熱意と思いを多少舌足らずでも自分のコトバで発信すれば「媒体」や「お客様」は振り向き、「いいね」と言ってくださると思います。

自社の不足点を政府の助成事業などの外部資源を活用し、ノウハウや失敗経験を蓄積してきた身から思うに、これからはビジネスも「パートナーシップ連携とシェア」の時代のように思います。その点でアウトソースやコラボの活用は中小企業にとりますます重要になると思います。

日本文化の売り込みは、日本政府の成長戦略「国際展開戦略」にもビジョンとして謳われていますから、その流れも踏まえこれからも積極的に事業展開し、さらなる成果創出に取り組んでまいりたく考えています。

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2013年6月24日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.