経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

中田工芸株式会社

会社概要

  • 社名:中田工芸株式会社
  • 本社所在地:〒669‐5301 兵庫県豊岡市日高町江原92
  • TEL 0796-42-1131  FAX 0796-42-4181
  • 代表者:代表取締役社長 中田孝一
  • 創業:1946年4月(昭和21年)
  • 資本金:3000万円
  • 従業員:55名
  • 事業概要:木製ハンガー、ディスプレイ什器、木製クラフトの製造・販売
     

会社HP

本事例についてのお問合せ先

  • 担当:中田修平 03-6423-1222
     



 

今回は、主に木製ハンガーを製造・販売されている中田工芸株式会社様の専務取締役、中田修平様にお話しをお伺いします。東京・青山にショールームを設けられていますが、経緯を教えてください。

 当社は、1946年に私(中田修平氏)の祖父が創業しまして、以来、兵庫県豊岡市で木製ハンガーを作り続けてきています。その中で、2007年に東京・青山にショールームを開設しました。私が入社して最初の仕事が、本ショールームの立ち上げでした。そこから当社としても新たな展開を始めました。
 青山にショールームを設けたのは、まさに私どもの一番のお客様がアパレル企業の皆様であり、当社が可能な限りお客様に寄り添うということを考えた時に、青山という地にショールームを設けることは必然的でした。


NAKATA HANGER 青山ショールーム
 

青山ショールームを開設したことにより、どのような効果や展開がありましたか。

 青山ショールームが出来る前は、本社のある兵庫県から都度、営業担当が東京に出張して用務をこなしていましたが、本ショールーム開設後は、東京に当社の活動拠点ができると同時に、お客様に実際に足を運んでいただいて商品を見ていただきながら商談ができるようになり、営業力が強化されました。
 また、2000年くらいまでは、当社の取引は、アパレル企業様とのBtoB取引がほとんどでした。しかし、青山ショールームができたことで、個人のお客様も直接当社の商品をご購入いただくことができるようになりました。本ショールームの設置により、当社として、今後、BtoCのお取引、すなわち家庭用ハンガーの販売にも力を入れていく、という方向性が明確になりました。
 そのために、青山ショールーム開設と同時に、「NAKATA HANGER」という個人のお客様向けの家庭用ハンガーのブランドを立ち上げました。ネーミングには、どのようなお店であるかが分かるように、「HANGER」という言葉をそのまま入れました。
 

個人でハンガーを専門店で購入するというのは今までに無い形ですが、なぜ、個人のお客様向けの販売を始めようと考えたのでしょうか。

 もともと当社は業務用ハンガーを主に取り扱っていましたが、業務用ハンガーの業績は、当然、アパレル業界の波に大きく左右されます。また、アパレル業界は業績の波が激しいので、とてもではないですが、当社の力ではコントロールできません。一年間の中では、春と秋にアパレル小売店の出店が多いので、必然的に当社の繁忙期は夏と冬、閑散期は春と秋となります。閑散期のマイナスを繁忙期のプラスで取り返すことを続けていくのは、経営的に不安定です。
 そのような業績が谷になる部分をできるだけ埋めるために、季節に関係なく安定して売上げが生じる家庭用ハンガーを伸ばしていこうと考えました。また、会社としては一年中、安定して工場が稼働し、従業員が働いている状況が、一番無駄が無い訳ですから、経営の安定化という意味でも有効です。
 現状、家庭用ハンガーの売上げが伸びましたので、閑散期の谷は充分埋まっています。逆に、どう製造量を増やせば良いか、というキャパシティの課題が出てきていますが、家庭用ハンガーは業務用ハンガーに比べて粗利が大きいので、業務用ハンガーに軸足は置きつつも、今後とも家庭用ハンガーの売上げは伸ばしていきたいと考えております。


 

過去、BtoBのお取引がほとんどだった御社にとって、BtoCのお取引は全くのゼロからのスタートだったと思いますが、いかがでしたか。

 BtoCのお取引は、BtoBのお取引とは全く異なります。2000年頃からホームページを通じて個人のお客様への家庭用ハンガーの販売は行っていましたが、そこでお客様から、「私の服に合うハンガーはどれ?」とご相談いただいたことがありました。その時に、当社としてご提案差し上げることができませんでした。というのも、私どもはそれまでメーカーとして、アパレル企業様等からのご注文に対して、言われた仕様どおりに作り、しっかり納期に納める、ということしか行ってきませんでした。したがいまして、当社から積極的に提案する、という発想自体がありませんでした。
 そのような経験から、そもそも当社自身が、ハンガーの選び方、用途等、実際の使い手の目線からの情報を持ち合わせていないことに気付きました。当然、お客様にご提案するためにはそれらの情報は必要ですので、私たち自身学びましたし、その結果として、お客様に向け、ブログやホームページを通じて、ハンガーに関する情報を発信するようにしました。
 今では、ホームページに掲載されている情報はだいぶ充実してきましたし、それにより、お客様とのコミュニケーションも増え、かつ、円滑になりました。このような情報発信を始めたのは、当社にとって、大きな転換だったと思います。今後とも、インターネット上の情報発信には力を入れて行きます。


ネーム入り家庭用ハンガー
 

家庭用ハンガーの販売に関して、工夫されていることはありますか。

 家庭用ハンガーの売上げは、現在、全体の売上げの2割程度を占めるほど、成長しました。お客様個人でお使いになる場合のほか、ギフト用、引き出物用としてお買い求めいただくことも多いです。
 お客様はもちろんインターネットや口コミで当社の商品をお知りになれますが、その他に、よくファッション雑誌で当社のハンガーを紹介していただいたり、都内の百貨店でもお取り扱いいただくようになりましたので、広告費をかけない形での宣伝が徐々に効果を現してきていると思います。また、その裏には、しっかりしたハンガーに対する潜在的なニーズがあったのだと思います。
 ただ、引き出物用に関しては、結婚情報誌に掲載してもらい、「服=福をかける」というキャッチコピーでPRしています。このキャッチコピーは、創業者の祖父の口癖でしたので、その言葉が時代を超えて活かされています。また、将来のお客様となることを考え、学生の卒業記念品として、人生の早いステージで当社のハンガーと出会っていただく取組みも行っております。
 

家庭用ハンガーの販売を始めてから、BtoBのお取引に何らかの影響はありましたか。

 現在、アパレル小売店で使うハンガーも「NAKATA HANGER」のマークを入れて欲しい、というご注文を稀にいただくことがあります。また、アパレル業界とは全く関係の無い業界の方から、企業の記念品として採用していただくこともあります。従来では考えられなかったことですが、「ハンガーと言えばNAKATA」、という認識が、アパレル業界の中に留まらず、広がってきているのだと感じています。ハンガーには、まだまだ市場があると考えるようになりました。
 

競合他社との差別化の観点から、どのような点が御社の強みだとお考えになり、また、どのようなことを取り組んでいますか。

 業務用ハンガーにおいては、アパレル企業様等からのご注文に対して、忠実にお応えすることのできる技術力が、当社の強みだと考えております。兵庫県の工場では高い技術を有する熟練の職人がおりますので、難しいご注文に対してもお応えすることができます。また、海外の協力工場とも連携していますので、価格に関しても競争力を有しています。
 家庭用ハンガーにおいては、全て、兵庫県の工場で製造しています。手作業によるメイド・イン・ジャパンの商品として、付加価値を付けています。特に商品の仕上げの工程には細心の注意を払っています。時に何十万、何百万という洋服を直接お掛けになる、つまり、洋服の生地がハンガーにダイレクトに触れる訳ですから、滑らかな表面であることは必須です。品質面においては、世界中のどのハンガーにも負けないという自負を持っています。
 また、家庭用ハンガーには、「NAKATA HANGER」のロゴを入れています。木製ハンガーのメーカーが、ハンガー自体に自社のロゴを入れているのは当社だけです。国内で木製ハンガーの工場を有するのは当社のみであることも踏まえ、国内唯一の国産ハンガーであることの証、実績や高品質の証として、商品に自社のロゴを入れています。
 また、先ほども申し上げたように、インターネットにおける情報発信に力を入れています。情報発信の内容は今後もますますクオリティを上げたいと考えています。


 

営業について、御社の活動方針を教えてください。

 当社の営業は、Pull型の営業を基本としています。Push型の営業も行ったことはあるのですが、お取引が成立する確率が低く、効率が悪かったという経験があります。それよりも、インターネットや口コミなど、色々な形で当社のことを知っていただく工夫をし、お客様が自主的に関心を持っていただく方が、効率が良いですし、お取引が成立する確率も非常に高くなります。
 口コミでの情報拡散には気を遣っております。例えば、あるアパレル会社様がハンガーを欲しい時に、知り合いの別のアパレル会社様に相談したとします。相談したアパレル会社様が、当社とのお取引を通じてとても心地の良い経験をしたのであれば、当社をご紹介いただけるでしょう。ですので、一つ一つのお取引について、お客様にとって最善の対応を心がけております。その結果、実際にお客様のご紹介でご来店いただける方は多くいらっしゃいます。
 これからも、質の高い情報の発信と、お客様への丁寧で気持ちの良い対応を、地道に積み重ねてまいります。


ショップ納入例
 

営業の場面で、心がけていること、工夫していることはありますか。

 当社では提案型営業を重要視しており、お客様にとって、何が喜ばれるかを考えています。ただ、当社にデザイナーやクリエイターはおりませんので、全く何も無いところからのご提案はできません。しかし、長年に当社に蓄積された知識やサンプルがありますので、例えば、過去の製品をマイナーチェンジしてご提案するなど、当社の資産をフルに活用しています。新しいものは、お客様とのやり取りによって生まれることが多いです。
 また、アパレル業界には、小さい企業様から大きな企業様まで、様々な規模の方々がいらっしゃいます。そのような様々なアパレル企業様の商品が綺麗に見えるように、ハンガーを提供し続けることが私どもの使命だと考えています。
創業したばかりの企業様は、規模は小さいですが、強いこだわりを持っていらっしゃることが多いです。そのような企業様とのお取引でも、当社には長年蓄積した知識とノウハウがありますので、コストを左程かけることなく対応できます。また、そのような企業様の事業が大きく成長すれば、当社とのお取引も全国に広がっていくこともあります。実際に、長年、そのようなお付き合いをさせていただいているお客様も多くおりますし、堅い信頼関係を築かせていただいております。
BtoCの場合には、当社であらかじめ商品を厳選してご提案しています。BtoBのように、多くのラインナップをご提示しても、個人のお客様にとっては選ぶことが難しいです。価格帯も分かりやすく設定し、商品に込められた技術、デザインなど、お客様の感性に訴えるような見せ方をしております。
 なお、広告やカタログなど、広報媒体については、今は私が編集しております。その際、イメージに統一感が出るように、なるべくシンプルに洗練され、かつエッジを効かせた表現になるよう努めています。
 

御社の今後の活動方針を教えてください。

 当社の役割は、ハンガーを作るだけではありません。上質なハンガーをお客様に適切にお届けして、喜んでいただくことです。そのためのあらゆる工夫は行ってまいります。
 また、世界を見渡した時に、当社のようなこだわりのハンガーは無いと思っています。ハンガーは国籍を問わない商品です。そこをチャンスと捉えて、いずれは、メイド・イン・ジャパンのハンガーを世界に紹介していきたいとも考えています。
 

NAKATA HANGER ロゴマーク

 

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2015年3月2日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.