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中田漆木

会社概要

  • 社名:中田漆木
  • 本社所在地:〒760-0068 香川県高松市松島町3-17-35
  • 電話:087-861-6496
  • 代表者:中田 充
  • 創業:1959年
  • 事業概要:漆器(香川漆器等)、漆塗り家具の製造販売

会社HP/本事例についてのお問い合わせ先

電話:087-861-6496(担当者:中田 大輔)

今回は、約200年の歴史を有する漆器産地の香川県で、漆器だけでなく、漆塗家具の製造や異業種との連携にも積極的に取り組んでいらっしゃる中田漆木様にお話を伺います。経済産業省が主催する「DENSAN ACADEMY 2015」(http://www.meti.go.jp/press/2015/07/20150701006/20150701006.html)にも参加いただいており、産地の若き担い手としても今後の活躍が益々期待される事業者様です。まず、香川漆器の特徴についてお聞かせいただけますか。 

 私(中田陽平氏)が考えるところの香川漆器の特徴は、蒔絵のような煌びやかなものは少なく、彫りや塗りなどの高度な技術を前面に出しているものが多いように思います。つまり、他産地だと装飾の意匠を重視した漆器も多いですが、香川漆器では伝統的な5つの技法(蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)、彫塗(ちょうしつ)、後藤塗(ごとうぬり)、象谷塗(ぞうこくぬり)の5技法)を始め、精緻な技術が駆使された漆器が多いことが特徴といえます。1つの事柄に専心する傾向が強い、という県民性もあるのでしょうけれど、香川県漆芸研究所の存在が技術・技法の高度化に一役買っているとも言えます。
 また、産地全体で分業が行われているケースは少なく、少人数の事業所や個人で活躍する作家が多いことも特徴です。1つの技術にこだわって商品を製造したい方が多いからなのでしょう。そのためか、自由な発想で、鮮やかな多色の色漆が使われることも多いですね。

 ●御社の特徴を教えていただけますか。

 国指定の伝統技法(前述の5技法)に留まらず、その他の技法も柔軟に扱って商品を作り出しています。父と私は高松工芸高校のデザイン科を卒業しており、商品のアイデア案作りも工房内で話し合って決めることが多いです。また、全てではないですが木地製作から仕上げまで一環して工房内で行うことができるため、「こんな商品はどうだろうか」と思うとすぐ試作品に取りかかれる事が強みでしょうか。
 昔の生活様式に即した伝統的な形の商品にこだわらず、現在の消費者がどのようなライフスタイルで食器を用いているかという原点に立ち帰って商品開発をしています。
例えば、「角こまめ皿」という商品があります。当初は豆皿として製作していたのですが、近年増えている独居世帯や2人暮らし世帯だと、狭いテーブルにたくさんの食器を並べるのは難しい。そこで、箸置きにも使ってもらえる豆皿として改良を重ねました。また、当初はバラ売りをしていたのですが、贈物としてセットで買う方が多いという売場の声を反映し、季節毎の絵柄を入れたセット商品としても販売しています。
特に6~7年前から積極的にデパート等の催事にも出て行くことで、こうした消費者のニーズを知る機会が増えたと感じています。また、例えば東京等で展示会があれば、話題のライフスタイルショップを多く回ってトレンドを知るようにしています。


角こまめ皿①


角こまめ皿②

異業種との連携についても積極的に取り組まれているそうですが、概要を教えていただけますか。

 積極的に催事等に出て行くようになって、他産地や他業種の方々と知り合う機会が増えました。木の他に竹や石や等、様々な素材に漆は塗れますから、多様な連携の方法があると思います。特に、香川県は自治体の中でも、昔から色々な分野のアーティストを地元に招いてきた所なので、ものづくりに活気があるというか、新しい商品開発という意気込みを持った事業者が多いと思います。消費者も、デザインに関して洗練された客層の方が多いと感じていますね。
 異業種の方々と積極的に触れあう際には、何か一緒に新しいことができないか?とアンテナの感度を高く保つようにしています。


香川県特産の庵治石との連携商品

漆器に関して、体験型ワークショップを行われているそうですが。

 父の代から漆器教室を開いていたのですが、最近では工房の外でもワークショップを積極的に行っています。漆器を購入される方の中心は50代以上ですし、もっとほかの世代の方に漆器の良さを感じてもらい、需要を拡大していくことが必要だと思っています。
実際、ワークショップや催事を通じ、30代くらいの方々の中にも日本の文化や漆器について「憧れ」を持つ方が増えているように感じています。漆器は手作りの品であり、どうしても価格帯が高いものが多い。だから今は買えなくても、いずれ落ち着ついたら買いたいと、そういう想いを持った層です。その「憧れ」を息切れさせぬよう、漆器の魅力を継続的にワークショップ等を通じて発信していくことも大事なのではないでしょうか。
もちろん、若い方達でもて興味を持ってもらえるような、手に取りやすい商品も作っていく必要もあると思います。

お父様は40年以上漆器の製作に携わっていらっしゃいますが、ベテランの職人であるお父様から見て、若手の方々にお伝えしたいことはありますか。

私(中田充氏)も漆器製造だけでなくデザインも自分でこなすことが多いです。売れる商品を作る上で注意したいのが、「用の美」を満たしたものであるか、という観点でしょうか。日常使いされる漆器は何と言ってもまず、「使いやすさ」を満たしていなければなりません。デザインそのものが優れていることは当然必要ですが、その前提条件を見落とした商品が最近増えているように感じます。「用の美」を追求するには、職人はとにかく手を動かす必要があります。その中で、「ここは何センチ浮いている方が、持ちやすいお皿になる」といった感覚が自然に身についていくものなのです。
外部のデザイナーに依頼さえすれば、問題が全て解決するデザインが登場し、商品が売れに売れる…というのは幻想に過ぎません。まずは、自分でも試行錯誤を繰り返し、「用の美」の感覚を身につけていくことが若い職人には必要だと思っています。

ありがとうございます。それでは最後に、中田漆木を通じて、どのようなことを今後目指していかれるのか、意気込みをお聞かせください。

私(中田陽平氏)は、幼い頃から祖父や父の背中を見て、漆器を身近なものとして育ってきましたが、職人としてこの世界に入ってみて、今まで以上に漆のポテンシャルを感じています。新しい商品作りが毎日非常に楽しいのです。この「楽しい」と感じる気持ちを大事にして、それが消費者にも伝わるように商品作りをしていきたいと思っています。その結果として、中田漆木が数多の漆器屋の中からお客様に選んでもらえる存在に成長していければ1番嬉しいです。
工房では、父と自分だけではなく、兄と義姉も製造に携わっています。それぞれ役割分担があり、工房の中が1つの産地のような様相なのです。お互いが切磋琢磨することで、より魅力的な商品作りができるように、これからも頑張っていきます。


工房の様子①


工房の様子②

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6794

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6794

最終更新日:2015年12月8日
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