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株式会社日東ボタン

会社概要

  • 株式会社日東ボタン
  • 所在地:〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町12-1
  • TEL. 03-3668-7971
  • 設立年月日:1949年(昭和24年)10月
  • 代表者:堤 康治
  • 事業概要:合成樹脂(ユリア樹脂及びポリエステル樹脂)素材ボタンの製造及び販売
     

会社HP

本事例についての問い合わせ先

TEL. 03-3668-7971

最新技術で作られたボタン

お話を伺う前に、私達が毎日のように触れているボタンですが、素材など意外と知らない人も多いと思います。

 ボタンには、大きく分けて二つ、天然素材と樹脂・金属素材があります。天然素材は、貝(高瀬貝、白蝶貝、黒蝶貝、アワビなど)、水牛、ナット(椰子の木などの実)などから作られています。樹脂素材では、ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、ナイロン樹脂、ABS樹脂が代表的な素材です。天然素材と樹脂・金属素材とでは、樹脂素材の生産が圧倒的に多いです。樹脂素材の中では、ポリエステル樹脂の生産が一番多くなっています。
 日本でのボタン製造の歴史としては、戦前より関西地区や四国などで採れた貝でボタンを作り、海外に送っていました。樹脂素材の登場以降は、先述の通り樹脂素材の生産が中心です。
 世界のボタンのメッカは、やはりファッションの聖地であるイタリアです。スペインでは以前貝ボタンが多く製造されていましたが、アパレル関係の工場がアジア地域へと移っていくのに伴い、現在では中国を始めベトナムやバングラデシュなど東南アジアでの生産量が多くなってきています。
 ボタンの世界では、ポリエステル樹脂、ユリア樹脂の登場後、安価で加工しやすい新素材がなかなか出てこないことが課題であると考えています。
 

本水牛、ユリア、ポリエステルボタンの違い
(本画像では伝わりにくいですが、実物を見るとその違いがよくわかります。)

御社の沿革、事業内容について教えて下さい。

 創業は昭和24年です。ボタン問屋を営んでいた現社長の祖父が、取引先のプラスチックボタン製造会社をM&Aし、ボタン製造を開始しました。天然の本水牛のような繊細な柄や色合いのボタンを大量かつ安価で作るために、ユリア樹脂ボタンとポリエステル樹脂ボタンの研究開発を行っていきました。特に、ユリア樹脂ボタンは無地の物しか存在していませんでしたが、イタリアのユリア樹脂ボタンを研究するなどし、昭和30年頃に水牛の柄を作ることに成功しました。昭和40年代には、無電界メッキのボタンを日本で初めて製造しましたが、排水処理等の環境問題と、またコピー商品が出回ったことから、撤退することを決めました。
 また、開発した新しいボタンを安定して供給したいという思いから、金型や機械も自社で製造しています。2000年代に入ってからは、印刷技術で特許を取得し、今までの製法では実現しなかったデザインや、お客様独自のデザインのボタンの製造も始めています。

ものづくりに対する考え方について教えて下さい。

 ゼロから作ることを何より大切にしています。ユリア樹脂で製品を作る際、原料の粉を専門業者から仕入れることが一般的ですが、当社は原料の粉から自社で製造しています。例えば、製造したボタンに不具合が起きた場合、与えられた原料であると、何故不具合が起きたのか、どの点を改善すれば良いのかがわかりません。
 金型や機械も自社で製造していると先ほど申しましたが、理由は同じところにあります。「利は元にあり」です。原料、金型、機械製造など、社内に町工場が何軒か存在しているようなイメージかと思います。

八重原工場の様子

商品開発のスタンス、また、ブランドイメージを守るために心がけていることなどありますでしょうか。

 当社はメイド・イン・ジャパンにこだわっています。ボタン製作にあたっては、柄を出す際の微妙な調整、最終的な人の目による検査など、日本人特有の繊細さは必要不可欠と考えています。また、商品開発にあたっては、「オリジナル」であることを常に意識しています。ボタンはご存じの通り小さくて軽く、どこにでも持ち運びが出来ることから、サンプルが一つあれば、すぐに海外でコピー製品を作られてしまいます。コピーしようの無い技術、柄、質感などの商品をどれほど持っているかが勝負です。
 ブランドイメージを守るということに関しては、何か特別なことをするというよりは、品質を守る、在庫が常に確保されている、納期を守るなど、日々の一つ一つの業務・取引を丁寧に行い、日東ボタンであれば安心だと思ってもらうことが一番大事だと考えています。

アパレル会社や卸問屋とはどのようにお付き合いされているのでしょうか。

 服を作るには、数種類の生地、糸、ファスナーなど、ボタンも含め多くのパーツが必要になります。したがって、現在では卸問屋さんが各種パーツをそろえ、アパレル会社がその中から選ぶ、というスタイルが一般的です。アパレル会社に直接営業に行くというのも一つの選択肢かもしれませんが、先方にとっては、服を構成するそれぞれのパーツのメーカーと一軒一軒お付き合いをする、というのはあまり現実的で無いため、当社は問屋さんにいかに自社の商品を扱ってもらうか、信頼関係を作るか、に注力しています。
 新製品に関しては、当社の企画・開発部署が市場調査を行って開発した新デザインのボタンを問屋さんに持ち込むこともあれば、問屋さんがトレンドに合った特注ボタンの製作の話を持ち込んでくることもあります。互いに情報交換しながら、アパレル会社のニーズにあったボタンの製作を進めています。当社は問屋業から始まったこともあり、問屋さんの役割、ものづくりメーカーの役割を大切にしています。

 ボタンのネット販売をされていますが、きっかけを教えて下さい。

 2000年代に入ってから、印刷技術の特許を取得し、オーダーメードのボタンを小ロットで製造することができるようになったことから、個人向けの名前入りオリジナルボタンを開発しました。また、近年では駅前に必ず1軒はあった手芸屋がだんだん無くなってきたと以前より感じていたことから、現在の販路では届かない市場をカバーできるBtoCのネット販売を始めよう、という流れに自然となりました。全体の売上げから見るとまだ微々たるものですが、おかげさまで年々増加しています。直接消費者の動向を感じることができ、また、新たなニーズを発掘できるツールとして、製品開発やメインの事業と良い相乗効果が生まれたらいいと思っています。


なまえのぼたん

海外での販路開拓について、展示会出展の経緯や気づきの点なども含めて教えて下さい。

 当社では、アパレルの縫製工場が中国で増加したことを受け、2002年に浙江省の上虞に卸売の子会社を設立し、当社の製品を現地で展開し始めました。また、中国の展示会には、2007年に寧波の展示会に出展、その後も北京や上海などに毎年出展しています。展示会では、数多く名刺を頂いたり、サンプルなどをお渡ししたりしていますが、お付き合いするお客様をどう見極めるかが非常に難しいと感じています。模倣品の問題や、支払いや納品に係るトラブルが多発しやすい市場でもありますので、信頼が置けて長くお付き合いができるお客様を探せるかが鍵となってきます。現地子会社では、現地で中国人の社員を採用し、独特な商習慣やお客様の見極めに対応できる人材の確保に努め、慎重に販路の開拓を進めています。
 欧州では、当社の技術が評価され、2013年に始めてパリでModAmontという服飾資材ではトレンド的には世界トップの展示会に出展することができました。欧州への進出を具体的に考え始めたのは数年前のことであり、欧州のユリア樹脂ボタン製造メーカーが次々と廃業していったことがきっかけです。ポリエステル樹脂は、原料の液を細いパイプや金属の回転筒に流して素材を作りますが、ユリア樹脂は原料の粉から職人の手で柄を組むという作業が必要で、ポリエステル樹脂の製品と比べてコピーしづらく、また、色味や風合いもユリア樹脂の方がより深みを出すことができます。アジア各国のポリエステル樹脂ボタンメーカーの台頭により、欧州ではユリア樹脂メーカーの存続が厳しくなってしまっていますが、一定のレベル以上のアパレルには、コピーのしづらさ、品質の面からもユリア樹脂の需要が多くあることに変わりはないことから、ユリア樹脂ボタンを代表的な製品としている当社が進出するチャンスは今だ、と考えました。
 縫製工場が中国、東南アジアに多くあるので、運送のコストなどを考えると、日本のボタン及び服飾資材のメーカーは地理的にも大いにメリットがあり、世界でも有利に戦っていけると考えています。
 

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2014年4月28日
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