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株式会社能作

会社概要

  • 株式会社 能作
  • 本社所在地:〒939-1118 富山県高岡市戸出栄町46-1
  • Tel 0766-63-5080 Fax 0766-63-5510
  • 東京オフィス:〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-1-1 パレスホテル東京 B1
  • Tel 03-6273-4710 Fax 03-6273-4721
  • 創業:大正5年 (1916年)
  • 代表者:能作 克治
  • 事業概要:仏具、茶道具、華道具、インテリア雑貨、エクステリア、照明、錫(純度100%)製テーブルウェア、その他鋳物全般の製造・販売など

会社HP

本事例についてのお問合せ先

 ・広報 礒岩篤 isoiwa@nousaku.co.jp


 

御社の商品、特に錫の鋳物製品などはユニークで斬新なものですが、新商品開発などのお取組を始めたのは、どのようなきっかけからでしょうか。

 インテリアや雑貨などの当社にとって新たな分野の商品開発を始めたのは10年ほど前からです。
 それまでは、産地問屋に対して技術を売るという下請け的な仕事をしていただけでした。当時は、製品が最終的にどのようなものになっているのか、どこで売られるのか、ということさえ分かりませんでした。自分が作ったものが売れる現場を見たいと考えたことが、新たな取り組みを始めるきっかけです。
 

商品開発のスタンスについて教えてください。

 商品開発は、素材の持ち味を活かすことを念頭におき、それを活かすと自然とこの用途・形状になる、というスタンスで行っています。例えば、真鍮という素材は音が良いから風鈴等に向いている、また錫は雑菌が付きにくく、食材が美味しくなるので食器に向いている、といった具合です。その上で、デザインを付加します。
 また、売り場の人、すなわち市場に近い人に直接感想を聞いて、商品開発に活かします。例えば、初期の商品で「呼び鈴」を作り、バルス社からオファーがあり納入しましたが、そのままでは全く売れませんでした。しかし、バルス社側から提案があり、「風鈴」を作ったところ、大変評判がよく、未だに売れている定番商品となっています。商品開発は、売る人の提案を取り入れると進展が早いし、良い物ができると思います。
 ものづくりに必要なものは「もの・こと・こころ」の3つだと考えています。つまり、伝統、文化的な背景と製造者の気持ちを製品に込めることが必要だと考えています。そのような観点から、営業の場面で商品をプレゼンテーションするときは、高岡の歴史や文化、素材の特性などを伝えています。
 なお、今後は、海外へのアピールを念頭に、高岡銅器の伝統技術の粋を結集した商品を作り、現在の販路を活用して、アート作品のように販売することも考えています。
 

風鈴シリーズ
 

商品開発にデザインをどのように取り入れていますか。

 商品のデザインは、初めは自分(能作氏)で行っていましたが、現在では、小泉誠氏や安次富隆氏など、外部のデザイナーの方と協力しています。
 デザイナーの方とは、同じ目線、対等な関係で仕事をすべきだと考えています。よくデザイナーの方を先生と呼ぶことを耳にしますが、そのような場合は大抵、この先生のデザインした商品なら売れると思ってしまうと文句も言えなくなり、良い商品はできません。
 

「KAGO-スクエア」
 

ブランディングの観点から、取り組まれていること、気を付けていることはありますか。

 商品開発の場面では、できあがった試作品が当社の商品のテイストに合ったものかどうかが大事ですので、デザイナーの方やコーディネーターの方と対等な関係で相談し、当社のテイストと合わないと判断すれば、商品化はしません。
 また、商品価格の設定にも気を付けています。問屋を通しても、直販でも、販売価格がぶれないようにすることが大事です。そうすることで、流通業者や顧客からの信頼が維持できますし、値引き交渉もされませんし、通販などの新しい販路も開拓しやすくなります。一方、ディスカウントをすれば、他の流通業者や顧客からの信頼を瞬時に無くし、事業活動が制限されることに繋がります。
 また、当社の認知度を高めるためには、メディアへの露出は大事だと考えています。従来は取材の依頼がきたものは、断らずに全て受けていましたが、最近では、当社のイメージに合わないオファーは断る、というようにコントロールしています。その他には、商品を飲食店などに無料で貸し出ししたり、家電、医療等の異業種の雑誌に掲載したりなど、新たな層や異業種への認知度を高めるための露出をしています。
 細かいところでは、展示会のブースや店舗のデザインは、全て同じデザイナーの方(小泉誠氏)に頼むようにして、イメージの統一をするようにしています。


「ビアカップ」
 

御社の販路開拓のお取組について教えてください。

 当社では、従来から取引のある地元・高岡の問屋との関係を大事にしています。新たな取引を提案された場合に、その取引先が既に高岡の問屋と取引を行っているのであれば、その問屋を通してもらうようにしています。
 当社では通常の営業活動はしない代わりに、国内外の展示会に出展したり、企画展を開催したりして、そこでのプレゼンテーションに注力し、新たなオファーを引き込むようにしています。
 このように、高岡銅器が持っている既存のパイを奪うのではなく、新しい顧客を開拓してパイ自体を広げ、業態を縮ませないような取り組み方を徹底しています。
 

パレスホテル東京店 外観
 

海外に進出しようと思ったきっかけを教えてください。

 海外に進出しようと思ったのは、①金属製品は欧州が本場であり、そこで評価を受けることにより、世界ブランドになりたいと考えたこと、②高岡銅器の中でも輸出に力を入れようという話があり、そうであれば自社が先頭に立って轍を作ろうと考えたことからです。
 

海外の販路開拓の手法について教えてください。

 海外での販路を作るには、著名な展示会に継続的に出展することが良いと思います。出展し続けることで、次第にオファーが来るようになる、というのが実感です。実際に、海外の展示会に出展し始めて2年後に、フランス・パリの百貨店、ボン・マルシェからオファーが来ました。また、継続出展することで、小間位置も、次第に良い場所を確保できるようになります。
 パリのメゾン・エ・オブジェや上海のIHDD(インターナショナル・ホーム・デコール・アンド・デザイン)には2010年から、ドイツのアンビエンテ、ニューヨークの国際ギフト・フェアーには2012年から、フランス・リヨンのシラ見本市には2013年から出展しています。
 国際展示会はマーケットの縮図であり、商品のサイズ・色などのマーケティングができ、海外の著名なブランドとのスケールの大きな出会いもあります。また、通訳や協力者などの人脈もできるので、得られるものは大きいです。
出展に係る経費は、場所代、ブース内装費、旅費等を合計して、1回の出展で数百万円かかり、負担は大きいですが、年々、売上げが増加しているので、その利益を出展費用に充てられるようになっています。
 

海外でのご活動に関して、気を付けていることはありますか。

 中国、ヨーロッパ、アメリカにそれぞれ代理店を持ちたいと考えていますが、代理店契約のオファーがあった際には、すぐに飛びつくのではなく、相手のことをよく分析するようにしています。例えば、過去、韓国の事業者から総代理店契約を結びたいとの申し出がありましたが、実際に話してみて、当社の商品を販売できる能力があるかどうかをじっくり見極めた上で、結果的に契約を見送りました。一方、中国では、他の日本企業との契約実績があるなど、信頼のおける代理店と契約しました。中国での展示会出展費用、ブランディング、価格戦略など、中国国内のことは全て任しています。
 また、海外で販売する商品は、日本国内で販売しているものと違うものにするよう、努めています。やはり、その土地にあった商品を作って売ることが大事だと考えるからです。また、価格設定の観点からも、市場ごとに違う商品を販売していれば、各市場で価格を揃える努力をしなくて良いので理想です。ただ、現実には難しいので、国内外の取引先や顧客から信頼を失わないため、合理的な範囲で、各市場ごとに価格の設定をしています。
 また、海外事業に関するノウハウを社内に蓄積するため、当社では海外事業の担当者を設け、メールの返答や展示会出展業務、契約書締結業務、通関業務など、海外事業に関する全ての業務を内製化するようにしています。また、そのようにすることで、海外の人的ネットワークも、より強固に繋いでいることができています。なお、業務遂行にあたっては、日本貿易振興機構や中小企業基盤整備機構からのアドバイスを役立てています。
 

御社は地域貢献にも積極的だと伺っておりますが、どのような活動をされていますか。

 まず、地元の子ども達に関心を持って欲しいという思いから、年間2000人の子ども達の見学を受け入れています。
 また、産地内に、海外事業者との契約書締結方法など、当社が持っているノウハウを提供したり、当社の生産体制では追いつかない部分を、他の事業者に外注したり、産地内での協力を大事にしています。

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2013年10月21日
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