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ニッシンエレクトロ株式会社

会社概要

  • 商号:ニッシンエレクトロ株式会社
  • 所在:〒188-0014 東京都西東京市芝久保町4丁目4番32号
  • 代表:代表取締役社長 桑山 徳昭
  • 設立:1971年(昭和46年)
  • 資本金:5,210万円
  • 従業員:18名
  • 事業概要:情報・通信・制御機器の開発設計・製造・販売

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本事例についての問い合わせ先

まず、御社の事業概要を教えていただけますか。

当社は、電子・制御機器の設計及び製作を主に行っており、情報・通信インフラ関係の開発に携わっております。例えば、これまでに車両交通量の計測システムや鉄道用ATS装置、携帯電話の基地局の開発・製造などをしてきました。
また、近年では、これまでの事業で培った経験やノウハウをもとに、アコースティックピアノの消音ユニットといった自社ブランド製品の展開も進めています。


 

これまでの事業分野でも取引先から高く評価されていると聞いておりますが、なぜ、自社ブランド製品の展開も進めるようになられたのでしょうか。

インフラ関係の業務は規模が大きいため、大手企業が元請として業務全体を管理する形が多いです。また、発注元が公的機関であることが多いため、発注のタイミングが、当該機関の予算成立時期、執行時期に沿ったものとなります。このような事情から、当社だけの判断では事業スケジュールを組みにくい、繁忙期と間暇期の差が大きいといった課題がございました。このため、事業の多角化を図る観点から、ある程度仕事をコントロールできる自社ブランド製品の展開を進めるようになりました。
 

実際に自社ブランド製品を手がけて気づいた課題があれば、教えていただけないでしょうか。

どこに消費者のニーズ・市場があるかを把握することが第一ですが、加えて、その市場の中で当社が独自の立ち位置を保てるのかが重要だと感じました。
例えば、フェンシングの電気審判器を展開したときのことですが、ニッチな市場であることから国内での競争相手も少なく、国民体育大会でも採用される等、一定の成功をおさめることができました。しかし、スポーツ用の備品は競技ルールにもとづいて仕様を変えていく必要があります。この競技ルールの変更に対応するコストが想定以上に高く、撤退という決断を下すことになりました。市場に残っていくためには、商品開発だけではなく、その後も見据えていかねばならないということです。
また、アコースティックピアノの消音ユニット(ピアメイト)を開発していく際には、楽器としての文化的な「音」をどのように取り扱っていくかに苦労しました。当時は、当時は、高品質の後付け消音ユニットを求める声があることを知って開発に着手したのですが、ピアノの専門家が社内にいるわけでもなく、まさに手探りで進めていきました。特に、これまでの事業は品質・性能は高ければ高いほど良いという世界でしたが、楽器の世界における「音」にはまったく違う価値観があります。
こちらの商品は、アコースティックピアノの音を出なくするようにするとともに、鍵盤のタッチに対応した音をヘッドフォンから再生させる装置なのですが、取り付けるピアノの性能と再生する音の性能に差があると違和感を持たれてしまいます。この兼ね合いをどのようにつけていくのかが大変でした。市場ごとの価値観を理解していくことも大事だと認識させられました。



 

楽器といった音楽関連市場には強いこだわりを持たれる消費者が多くいらっしゃいます。ピアメイトを展開していく上で力を入れた点を教えていただけますか。

装置としての汎用性とタッチの再現性に力を入れています。
ピアノを演奏する方々は自らのピアノに深い愛着を持たれていますので、それにそのまま消音機能を付けたいとお考えになります。一方、ピアノは同じメーカーのものであっても制作年代やブランドによって内部構造が異なります。ピアメイトでは、様々な内部構造に適合して取り付けられるような汎用性を持たせています。
また、楽器としてのアコースティックピアノの魅力の一つとして、鍵盤のタッチによって強弱だけでなく音色が変わるという点があります。音を再生していく際には、このタッチによる音色の変化を忠実に再現していくことが求められています。ピアメイトでは、ハンマーが弦を叩く際の動作を鍵盤の動きからセンサーで感知し、その結果をデジタル処理して、音として再生する仕組みとしています。当社はこれまでの電子制御機器分野で非接触型光センサーを多く扱ってきた経験がありますので、このタッチの再現性で他社との差別化を図っています。特に、トリルやスタッカートの再現性には自信を持っています。


 
 

製品の改良には「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発用等支援補助金(平成24年度補正予算)」も活用されたようですが、活用のきっかけを教えていただけますか。

商品の試作や改良に使える補助金があるということを西東京商工会から聞いて、応募に至りました。ちょうど、アメリカのある企業がピアメイトの性能に着目し、製品のバージョンアップを打診されていた時期でしたので、改良品の試作費用に充てられればと考えました。当社だけではなく中小企業全体の問題だと思いますが、商談やビジネスチャンスがあったとしても開発費の工面がたたないがために諦めてしまう場面が多々あります。補助金に採択されたことによって、資金的な余裕が生まれ、チャレンジをしようという機運が高まりました。
現在、話を持ち込んだ企業に試作した製品の評価をしてもらっています。ピアノの消音という用途ではなく、鍵盤のタッチを忠実に再現できる技術を応用して、演奏テクニックをそのままデジタルデータ化できないかと考えているようです。様々な用途があるものだと感心してしまいました。
 

今後の事業展開の方向性と進めていくにあたって認識している課題を教えていただけますか。

自社ブランド製品であるピアメイトの認知度向上を図るために、楽器店、音楽教室、調律師といったピアノに携わる方々とのつながりを深めていこうと考えています。特に、ピアメイトは取り付けにあたって調律師との協力が必要不可欠です。ピアメイトの性能を伝えていくとともに、アコースティックピアノにも「消音」という選択肢があることを認識していただければと思っています。このような方々に製品の魅力をご理解いただくことによって、演奏家への訴求効果も高まると考えています。
一方、認知度向上にあたって課題として認識しているのは、直接、演奏家の方々に紹介することが難しいという点です。ピアメイトは実際にピアノに取り付けた状態でないと性能をご理解いただくことが難しい商品です。調律師に紹介されてピアメイトに興味を持たれた演奏家がいたとしても、当社にはショールームがないため、「自分のピアノに取り付ける前に一度試してもらう」ということが出来ない状況です。これを何とか解決できないものかと考えています。
しかし、ただ手をこまねくだけではなく、出来るところから始めようと思っています。西東京市の一点逸品にも認定されましたし、今年は展示会にも出展する予定ですので、そのような場からも認知度の向上を図っていきたいです。
 

最後に、中長期的な目標を教えてください。

ピアメイトを通じて、ピアノに触れてみよう、もう一度ピアノを始めてみようという方を増やしていきたいです。ピアノの魅力は「音」ですが、ピアノ演奏を諦める理由も「音」であることが多いです。特に、社会人の場合、練習に割ける時間帯が夜間になることも多いでしょう。そうなると、ご近所への配慮から、ピアノの演奏を諦めてしまう方も多いと思います。音漏れを気にせずにアコースティックピアノを練習できる環境を広げていきたいと考えています。それが当社の事業にも良い効果をもたらしますし、音楽産業全体の底上げにもつながると思っています。


お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2014年9月8日
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