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株式会社鈴木茂兵衛商店

会社概要

 ・ 株式会社鈴木茂兵衛商店
・ 本社所在地:〒310-0055 茨城県水戸市袴塚1-7-5
  TEL:(029)-221-3966 FAX:(029)-231-7862
・ 代表者:代表取締役社長 鈴木 隆太郎
・ 創業:1865年(慶応元年)
・ 資本金:1,000万円
・ 従業員数:7名
・ 事業概要:提灯の製造・卸売・販売

会社HP

本事例についての問い合わせ先

 TEL:(029)-221-3966 FAX:(029)-231-7862
mail: info@suzumo.com


(鈴木茂兵衛商店)

 御社の沿革、事業概要について教えて下さい。

 水府は水戸藩の城下町として栄え、水府提灯の製造は藩内の武士の内職として始まったと言われています。岐阜の岐阜提灯、福岡県の八女提灯と並んで、日本三大提灯産地と呼ばれてきました。
 当社も、四代目鈴木茂兵衛が1865年(慶応元年)に創業して以来、一貫して提灯を作り続けています。日用品であるお盆提灯、寺社仏閣・祭事で用いられる提灯、飲食店で用いる販即用の提灯等、幅広く手がけています。
 

御社では、伝統的な型の提灯だけではなく、瓶型等のユニークな提灯を多く作られていますが、開発のきっかけを教えてください。

 原点と言えるのは、イサム・ノグチ氏の「あかり(Akari)」シリーズに触れたことでしょうか。照明器具による表現の可能性の広さを感じましたし、提灯でも何か出来ることはないかと日々考えるようになりました。
 瓶型の提灯に関しては、ギフトショーに同業者が出展すると聞いた時に、当社としても何か面白い商品を出してみたいと思ったのがきっかけです。提灯は風習に沿った使い方をされていますが、そこに新しい用途、価値を提案してみたかったのです。最初は缶型も考えていたのですが、ラベルがないと形として分かりにくいこともあり、瓶型に落ち着きました。また、この型を考案した専務が直接酒造メーカーに交渉に行き、本物の日本酒のラベルと同じデザインを施した提灯も製造しました。
 そして、水戸市出身のアーティストであるミック・イタヤとの出会いにより、人の顔の形をしたものや、鳥や蕾といった形、起き上がり小法師の動きを取りいれた提灯等、様々な形状の提灯を開発するようになりました。現在、「すずも提灯」として当社のオリジナルブランドを展開しています。


 (瓶型提灯)


ミック・イタヤ氏との出会いについて教えてください。

 ミック・イタヤと(鈴木隆太郎社長)は幼なじみの関係です。しかし、仕事での付き合いはこれまでありませんでした。
 ミック・イタヤと商品開発をするようになったのは、水戸の偕楽園で開催している「夜梅祭り」がきっかけです。偕楽園は梅の名所であり、夜梅祭りとは、梅の開花時期に合わせて、キャンドル等でライトアップされた梅を楽しむイベントです。その第3回開催(2008年)時に、祭りの実行委員会から、偕楽園内にある好文亭を提灯で装飾してみないかとのお誘いがありました。これまでにはない提灯が必要な仕事です。その時、ミック・イタヤの存在が思い浮かびました。仕事という意識はなく、一緒に遊んでみないかという気持ちで誘い、彼も快諾したことから、一緒になって、新しい提灯のデザイン、開発を行うようになりました。
 彼は、幼い頃から当社の工房にも出入りしていましたので、提灯の構造、物理的な制約を感覚的に分かってくれています。そして、その一方、当社で対応出来るか悩んでしまうギリギリのデザインも提案してくるので、刺激になっています。当社だけでは思いつかなかったデザイン、発想が彼によってもたらされています。すずも提灯も彼なしでは成り立たなかったと思います。
 また、販路に関しても、彼の人脈により、ギャラリー等のこれまでとは違ったところとのお付き合いも始まりました。


(提灯の灯りで照らされる好文亭)
 

すずも提灯のコンセプトについて教えてください。

 提灯の基本的な機能である「畳める」、そして、「ひかりの入れ物」であるという考えを踏襲した照明具としてデザインしています。
 これまでの提灯は、ロウソクや白熱電球を光源としていたため、熱を逃すために、火袋の上限を開放する等、デザインの幅に限界がありました。すずも提灯では、光源にLEDを採用し、これを克服しています。ロウソクの灯りの特徴である光の揺らぎをプログラムで再現することにより、従来の提灯による灯りの雰囲気も楽しめます。
 また、音センサーによるオンオフ機能も搭載していますので、手のひらを叩くだけで点灯・消灯ができます。購入されたお客様の話になりますが、高齢になられたご両親が夜にお手洗いに向かう際の補助光源として用いているということも聞きました。点灯のために薄暗い中でスイッチを探す・しゃがみこむという動作がいらないため重宝されているようです。
 これまでのロウソクや白熱電球を光源とした提灯と異なり、火災の心配が少ないため、ベッドサイドにも導入できますし、高齢者の方々にも取扱いが容易なユニバーサル商品の一面もあると考えています。
 このような汎用性の高い機能性、デザインを評価され、2012年にはグッドデザイン賞をいただくことができました。


(すずも提灯ミックシリーズ)
 

すずも提灯を展開する上でご苦労された点を教えてください。

 当社にとって初めてのオリジナル商品ですので、これまでの事業にはなかった要素も数多くありました。
 例えば、商品の値決めです。製造元である当社の利益ももちろんですが。販売先である百貨店等の小売店の利幅も考えつつ値段を決めないといけないですし、すずも提灯がどのくらいの価格帯で消費者に受け入れていただけるかも手探り状態でした。何度か紆余曲折を重ね、ようやく価格帯が落ち着いてきました。
 また、商品のPRに関しても、まだまだ課題があると思っています。テレビで取り上げていただけることも増えまし、遠方からお客様がお越しになられるようにもなりましたが、まだ知名度が低いのかなと自己評価しているところです。
 すずも提灯は様々な生活シーンに対応できる商品であると認識していますし、一般消費者だけではなく、水戸の好文亭のような歴史的建造物、ホテルや旅館等の空間にも合うと思っています。
 どのようにして、すずも提灯の良さ、面白さを発信していくのが良いか考えているところです。

(千波湖畔の料理店と提灯の灯り)
 

今後の提灯のあり方に関するお考えを教えてください。

 すずも提灯といった新しいデザイン商品も開発していますが、当社はあくまでも「提灯」を作っている、「提灯」の枠を外れた商品を作ったことはないと自負しています。
 提灯は「ひかりの入れ物」であり、日常生活を彩る日用品です。日用品であるからには、お使いになる方や場所、条件によって、形を変えていくべきだと思っています。
 水府提灯は伝統ある工芸品ですが、それに甘んじず、新しい価値、灯りのある暮らしの良さを提案し続けていくべきだと考えています。
 また、新商品を開発することにより、改めて伝統的な技法、原材料の良さに気づくこともあります。現在、伝統的な原材料であり、水府提灯の特徴である堅牢性と使いやすさの源である西ノ内和紙を用いたシリーズ開発を検討しています。

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6974

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6974

最終更新日:2013年12月13日
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