経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

株式会社タダフサ

会社概要

  • 社名:株式会社タダフサ
  • 本社所在地:〒955-0823 新潟県三条市東本成寺27-16
  • 電話:0256-32-2184 FAX:0256-35-4848
  • 代表者:社長 曽根忠幸
  • 創業:昭和23年
  • 事業概要:家庭用・業務用庖丁類の手作りによる一貫製造

会社HP


庖丁工房タダフサの基本の3本(左からパン切り庖丁、三徳庖丁、ペティナイフ)、次の1本(右から4本)

社長が主導して新ブランド「庖丁工房タダフサ」を立ち上げておりますが、新ブランドの経緯について教えてください。

 当時、三条市長が中川政七商店の中川淳氏に、三条の鍛冶の火を消さないため地場の鍛冶製品産業振興に手を貸してくれないかと相談をし、中川氏がブランド戦略等について三条市の地場事業者に向けて講義をしにいらっしゃいました。そのことがきっかけで、当社は中川氏にコンサルティングを引き受けて頂くことになりました。
 今までは問屋を通じた取引でしたから、既存の商品について、いきなり問屋を通さず小売を行うのは難しいため、新たなブランドを立ち上げることにしました。新ブランドは卸売を通さず、小売店に対して自社から直販を行うのみとしましたが、直販を行うノウハウが当社にはないため中川氏から契約書の作り方等色々と教わりました。
新ブランド立ち上げに際し、はじめに行ったのが商品の絞り込みです。当社ではこれまで問屋からの要望に応え様々な庖丁を作っていましたが、ユーザーにわかりやすくするためにまず基本の3本(パン切り庖丁、ペティナイフ、三徳庖丁)に絞り込みを行いました。これにステップアップ用の4本を加えた、全てで7種類のアイテムとしました。庖丁のデザインについては、柴田文江さん(Design Studio S代表)にお願いし、シンプルに仕上げて頂きました。

新しいブランドを立ち上げるにあたって、職人さん達の反応はどうでしたか。また、どのような形で市場展開を図っていきましたか。

 庖丁は、「錆びない、よく切れる」というものが一番良いので、新ブランドもその軸からブレていないものであったためか、特段職人達との軋轢は生じなかったです。
 市場展開といっても、実はこのブランド、見本市には1回しか出していないのです。運が良かったのもあるのかもしれませんが、初めの出店で40~50件くらいの顧客がつきました。その後、1年でこのブランドが当社売上の15%を占めるにまで急成長したんです。

「庖丁工房タダフサ」シリーズは、パン切り庖丁をはじめ本当にどれもすごい人気ですよね。

  基本の3本については、今注文してもお渡しできるのが1年半くらい後になります。今は当社の売上のうち40%くらいがこのシリーズで占められるまでになり、生産できるキャパを超えてしましました。 お客様にはご注文からお渡しまでに日数がかかることを承知の上でご購入して頂いております。
 

「庖丁工房タダフサ」の庖丁には庖丁問診表が入っているのも特徴的ですよね。

 庖丁問診票はこのブランドから始めました。コミュニケーションツールとして作り手とユーザーを繋ぐという役割もあります。庖丁は、そのままでは切れ味は鈍ってしまいます。まずはご自身で研いでいただきたいので研ぎ石のセット販売も行ってはいるのですが、自信がない人、研いでみたけどダメだった人などのために研ぎ直しも承っています。問診票では研ぎ直しの値段をわかりやすく表示し、自己診断で見積もりができるようにしました。
 研ぎ直しは、当社全体で週に200丁程度、多いときには400~500丁程度の依頼があり、1年で大体200万~300万丁を研ぎ直しています。


研ぎ直しを待っている庖丁

海外との取引はどうでしょうか?

 輸出は10年くらい前から小さく始めていましたが、最近輸出が特に伸びていると感じます。日本製の庖丁は切れ味が良いと海外で評判であるため、今や売上の30~40%が海外からの注文です。ただ、当社のブランドのものばかり、というわけではなく、OEM生産を請け負うことが多いです。
当社ブランドのものも売りますが、既存のものをアレンジして注文に対応しています。庖丁はブレード(刃)とハンドル(持ち手)の組み合わせでオリジナルを作りやすい製品なのです。

庖丁をメンテナンスして長く使って欲しいという御社のこだわりからすると、海外への輸出は抵抗があるのではないですか?

  海外市場開拓といっても、自分目の届く範囲での展開を考えています。また、デンマークやウィーンなどの庖丁の小売屋さんが、お客さんに売った庖丁のメンテナンスを請け負うために三条へ包丁研ぎを学びに来たりもしています。こうした取組が拡大していけば良いと思います。

御社は越後三条鍛冶集団のメンバーですが、経産省の「伝統的工芸品産業支援補助金」の活用事例でもある、同集団が取り組まれている「燕三条 工場の祭典」はどのような効果があると思われますか。

 外国人をはじめ、たくさんの方々が自分たちの仕事に関心を持ってもらえるのは素直に嬉しいことです。また、後継者育成にも役に立っていると思います。
つまり、「鍛冶職人」になることを憧れる若者は、伝統的な鍛冶技法に携わってみたくて職人になったものの、そうした技法を習得する前に教わるべき様々な地道な作業に対し、強いギャップを感じ、途中で辞めてしまうケースも多いです。伝統的な鍛冶技法だけではなく、様々な機械や技術を使って商品を作成している、そうした現実の工房の様子を「工場の祭典」を通じて知ってもらうことで、ギャップも埋まっていくのではないかと期待しています。

今後の展開を教えてください。

 新ブランドを立ち上げるに当たっては、デザイナーとのやり取りやマーケティングのイロハを総合的にサポートしてくれるプロデューサーの存在が大事だと思いました。デザイナーよりも市場で何が売れるか?ということを知っているプロデューサーが入ることにより、ブランディングがうまくいったと思います。
自分が社長になってから、当社の信条を作ってみたのですが、その際何より大事だと思ったのは、三条のまちを鍛冶産業でしっかり支え、誇りを持って子供達に繋いでいくということです。そのためにも、今後は、自身がプロデューサーの役割を担い鍛冶集団全体を支えていければと思っています。


 事務所に掲げている工房心得。

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6794

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6794

最終更新日:2015年10月1日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.